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【プロダクト開発❶】ユーザー満足度を向上するUIUX設計

AquaAgeの包です。
AquaAgeは「自由・平等・未来志向な感性を尊重する」「持続可能なデータ循環システムを構築する」「革新的な情報技術を通じて社会に還元する」「顧客と社員の幸せを大事にする」を企業理念に掲げて、ビューティーテック事業及び文字、物体画像認識、解析を応用したAIソリューション事業を展開しています。 非接触型AI肌チェックアプリ「HADABON」、美容系事業者向け非同期診療サービス「HADABONーPro」も提供する予定です。

AquaAgeの創業の経緯や事業について、こちらのnoteにまとめました↓

今回は我々のプロダクト開発において、ユーザー満足度を向上するUIUX設計に関して弊社の定義及びUX向上用いているメソッドを紹介します。

UIUXの定義

UX: User Experienceの定義の解釈が人によって千差万別ですが、弊社でISO版のUXの定義を用いて、プロダクト設計業務を遂行しています。

Person's perceptions and responses resulting from the use and/or anticipated use of a product, system or service.
製品、システム、サービスを使用した、及び・または使用するを想定したことに起因する、人の知覚と反応のこと。

ISO9241-210 UXの定義

ユーザーがシステム(以下:サービス、プロダクトをシステムという)に働きかけ、その結果として、システムがユーザーに応答する。この相互作業を指すと理解しています。

一方で、UI: User Interfaceについて言及しますと、UIはユーザーとシステムの間でやりとりを行う接点を意味し、例として、スマートフォンの画面表示やタッチパネル式入力が挙げれます。関係性から言うととUXの中にUIが含ま
れます。

UXを向上させるには、UXの各側面を理解する必要があります。以下の図でUXの「UXのカニカム構造」(Peter Morville氏提案)と言われる7つの構成要素を示しています。

「UXのカニカム構造」と言われる7つの構成要素

ここで注目すべきは、ハニカムの中心が「valuable」で、価値があることこそがまさにUXの根幹であることです。ここでの価値というのは、あくまでも、ユーザー視点からであって、エンジニア視点からではないです。

UXの構造に関して、「The Elements of Use Experience」(J. J. Garrett氏2010年提案)がUXを5段階構造(下図)で説明しています。

UXの5段階構造「The Elements of Use Experience」

UXの5段階構造では、「strategy」戦略が一番根底にあって、基礎であることがわかりました。つまりUXに関して真っ先に考えるべきは戦略ですが、かなり抽象的です。サービスにおいては、企業のミッション・ビジョン・バリューがに何かであることが現れるものです。

それに対して、「surface」は言葉の通り、表面で、最終的にユーザーが観察できるもので、戦略を体現されるものになります。UIはsurfaceに近いもので、UIだけに注力してもユーザー体験の向上につながりません。

ユーザーにとって重要なのは、システムがもたらす「ストーリ」

このストーリというのは、システムが叶えてくれる「夢」と言い換えて良いでしょう。私自身が「メリカリ」が勝ち残った理由は、メリカリというサービスを通して、世界資源の再分配に至ったことだと思います。ユーザーが自分が欲しい物を公開価格より安い値段で手に入れることができることだけではなく、中古品を誰にもばれないアプリで入手できることで、ユーザーが中古店に買い物する際の恥ずかしさまで考慮したことが、まさしく最高のユーザー体験UXだと思いました。

UX向上の実践

開発スタイル:「ウォーターフォール」vs「アジャイル」

システム開発スタイルを大まかに分類すると、「ウォーターフォール」と「アジャイル」に分かれます。開発全体が「要件定義」、「設計」、「実装」、「テスト」、「運用」のフェーズで構成されているとしましょう。
「ウォーターフォール」型開発では、「要件定義」、「設計」、「実装」、「テスト」、「運用」の順に開発を進めていきます。一つのフェーズが完了するまで、次のフェーズに進みません。かつ、フェーズを後戻りしません。

それに対し、「アジャイル」開発では、開発全体をある一定のサイクル(イテレーション)に分割し、開発対象を漸増的に開発していきます。イテレーション毎に、「計画」、「設計」、「実装」、「テスト」という一連のフェーズを実施します。アジャイル開発は試行錯誤が前提にしていて、AquaAgeのような新サービスの研究開発するには、アジャイル開発しか適応できません。

機能のタイプ:「機能要件」&「非機能要件」

システムを開発する際には、ユーザーがシステムに対して要求している事項、すなわち「要件」を満たすことが必要です。「要件」に関して、大きく「機能要件」と「非機能要件」2種類があります。「機能要件」はシステムの機能が充足すべき要件のことです。車の場合「道に走る」などです。ソフトウェアの場合、「要件仕様書」には「機能要件」に関して、具体的に要求が記述されています。「機能要件」も満たさないシステムは失敗とみなされます。

「非機能要件」は「機能要件」に対して、範囲がかなり広いです。情報処理推進機構(IPA)が公表している「非機能要件」は以下の表の通りです。

非機能要件の種類と説明

ISOが制定している「ソフトウェアの品質特性モデル」に「非機能要件」が含まれていることが以下の表からわかります。

ソフトウェアの品質特性モデル

以上の議論を鑑みるとUXは「非機能要件」の一つであることがわかります。「機能要件」と違い、UXが悪い場合、ユーザーから直接クレームがくることが少ないでしょうが、顧客満足度にはかなり影響が出ること想像できます。

UX向上のメソッド

UX向上のメソッドは、開発のフェーズによって以下のような手法があります。

  • 要件定義

    • ペルソナ/シナリオ法

    • ストーリーボード

    • ストーリーテリング

    • カスタマージャーニーマップ

    • サービスブループリント

    • Emphaty map

    • ユーザーインタビュー/アンケート

  • 設計

    • A/Bテスト

    • Low-Fidelity Wireframe

    • High-Fidelity MockUp

  • 実装・評価

    • ユーザビリティ

    • ヒューリスティック評価

    • ユーザーレヒュー/インタビュー

参考資料

坂東大輔, UX(ユーザー・エクスペリエンス)虎の巻-ユーザー満足度を向上する設計開発テクニック

Jeff Gothelf el., Lean UX 第3版 ―アジャイルなチームによるプロダクト開発


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