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今季最高のコートを探す旅に出よう…コート特集・ドメスティックブランド編!コートってやっぱり良いね!【フィーチャー】


 今年ここまで平年より高い気温が続きましたが、この傾向は12月頭まで続きそう。

そこから平年より低い気温に切り替わるので、そこで冬コートの出番が廻ってくるととともに、一気にアウター需要が高まりそうです。

今季高めの気温もあってか、ここまで出来が良いコートも完売とまでは行かないケースが多く。

そもそも値段を抑えるならたくさん作るし、少量生産なら値段は高い。
なかなかそこを打破して、数は多いのに売れるとか、値段がめちゃ高いのに売れるとかは難しい。

「早くしないと無くなっちゃいますよ!」なんて、そんなコートなかなか無い、というのが実情です。ただサイズ欠けは出てくるものなので、そこは注意したいところなんですけどね。

ここからグッと冷え込んで、皆コートが欲しくなるはず。

その前にこれでもか!と今季の名作コートを紹介していきましょう。

停滞感を打ち破り、突如現れたHEUGN(ユーゲン)の名作コート・Albert、ロングコートの着丈は「長過ぎない」に落ち着く?


 2010年代半ばから巻き起こったロングコート旋風。
まずチェスターコートブームに始まり、その後はバルマカーンコート(バルカラーコート)、いわゆるステンカラーコートのトレンドに突入し、しばらく時間が経過しました。

ロング丈、ゆったりシルエットのバルカラーコートが氾濫し、もはや細かいシルエット調整と、「いかに分かりやすく良い生地を使うか?」というところだけを競うようになって、停滞感も出てきました。

20年頃から、何か新しい形は無いか?と模索する動きはブランドにもユーザーにもあったのです。

そして21年に登場したのが、HEUGNユーゲンの「Albert」でした。

HEUGN Albert 

Albert


これは、1940年代のフランス軍モーターサイクルコートを元ネタとしたアイテム。


ヒザ上丈の、一応ミドル丈という区分がされています。

昔はこれくらいでもロングと言っていた気がしますが(ヒザ上丈のロングコートなら着こなしやすい!みたいなフレーズよく聞きましたよね)、ヨコにもしっかりとボリュームを出しているので、見え方的にはミドル丈っぽいのです。


たっぷり取られた身幅と、太いアーム、そしてミドル丈。


それまではタテにもヨコにもとにかく大きく、という方向性でゆとり感を表現していましたが、着丈に関しては取り回ししやすいショート~ミドル寄りの面白いものが今季も増えてきています。

これまでは、こういう着丈ではどこか物足りない、中途半端と感じさせてしまうものが多かったのです。

今上位ブランドはディテールやアームの太さなどで、ミドル丈でもしっかりニュアンスを表現することが出来るようになりました。

今セレクトショップオリジナルでも、ロング丈コートは良い物が作れるようになっていますしね。


Albertは、タテ、ヨコ、アームの太さなどのバランスも秀逸なのですが、ディテールも良くて。


やや丸みを帯びたエリと、チンストラップの、男らしさと可愛らしさの同居するこのエリ周りが素晴らしい。


ここらへんはコートの顔と呼べる部分ですから。


全体のフォルムと、コートの顔と言えるエリ周りを両立し、本当にスキのないコートになっています。

またこの生地も秀逸。

尾州の老舗機屋はたやで織り上げたというウールギャバジン生地は凄まじい迫力。
独特のハリ・コシのある生地は、ストンというよりズドン!と落ちる感じ。
でも本当に重量があるわけではなく、着ていて重くはありません。


ウールギャバジンは、今流行りの生地と言って良いのですが、ただ、ここまでグインと独特のコシのあるハリ感を持ったものは珍しいですね。

COMOLI、AURALEE、MARKAWAREと、人気ドメスティックブランドは皆それぞれ独自のウールギャバジンを用いますが、HEUGNのこれはコートにしてこそ美しいシルエットが際立ちます。

短い丈のジャケットだと、良さがあまり活きない、それくらい独特のコシの強さがあります。

服のシルエット形成力が高く、身体のラインを拾わないので、かなり太めのパターンなのに非常にスマートなラインを描いてくれるんですね。

これが、シルエットがボヤっとしてしまうと途端に中途半端な着丈が野暮ったく映ってしまうので。

そしてこのウールギャバジン生地は、非常にシルエット形成力が高いため、身体の欠点を覆い隠してくれるというメリットがあります。

服じゃなくて、着ている人がカッコいいだけでしょ?となる服じゃない。

どんな人でも羽織った瞬間に、めちゃ良い!となってもらえるコートではないかなと。

Albertというコートの型自体良いので、今後様々な生地で作られることでしょう。
それでも、このウールギャバジンバージョンは、おそらく今後Albertの、そしてHEUGNの基幹アイテムになっていくのではないでしょうか。

あとは値段がめちゃくちゃ高い…っていうだけ。

ただお値段高ければ、分かりやすく良い服が買えるっていうわけではない、というのがファッションの難しいところではあるので。

昨年は、取り扱い店が少なくて、本当知る人ぞ知る的な感じで、在庫がすぐ無くなってしまったのですが。
今年はHEUGN取り扱い店も増えて、さらにこぞってこのAlbert仕入れてくれたので、本格的なコートシーズンを前にまだ在庫あります。

ただメンズで一番小さいサイズ1がね、取り扱い少なくてもう在庫無いんですよ…。

Albertの、サイズ1は、私も今年ようやく試着出来たのですが、全然小さくはないですからね。

サイズ1でも十分ゆったりしていて、170cm前後で痩せ型の人ならサイズ1で十分だったりします。

サイズ1は今後も、早めに確保するか、受注会でオーダーするか、といった感じがオススメです。


この値段だと絶対失敗出来ないと思うので、下記記事では出来る限りですがサイズ感についてフォローしたり、今季展開されているフランネルバージョンのAlbertやショップ別注Albertも紹介していますよ。



また、HEUGNの在庫はオンラインストアを一覧にしたこちらのページが便利です。

HEUGNが公表している最新の取り扱い店に準拠しております。


…というわけで、今一番カッコいいコートはHEUGNのAlbertかなと思うのですが、お値段高いし、何よりハイこれで終わり!じゃつまらない。

今季も魅力的なコートがたくさんありますから。

やっぱりデザイン的なバリエーション、幅があって見ていて楽しいのがコートの醍醐味!

今季最高のコートを探す旅に一緒に出掛けましょう!

良いコートを探している人も、そうでない人も必見ですよ!

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