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【セレクトショップ】STANDARD JOURNAL(スタンダード ジャーナル)第三弾レポート!ようやく待望の「スタンダード」なアイテムが出た!?
セレクトショップ・ジャーナルスタンダードが、25周年を前に今年からスタートさせた新プロジェクト、その名も「STANDARD JOURNAL(スタンダードジャーナル)」。
ドメスティックブランドと呼ばれる国内デザイナーズブランドのデザイナーやクリエイターが30名以上参加し、毎月与えられた「お題」を下にジャーナルスタンダードとアイテムを共作していく…という壮大なプロジェクト。
2021年のファッションにおける要注目のトピックの1つでしょう。
You Tubeも連動し、多くの人を巻き込んでの盛り上がりも期待されたところだとは思うのですが、まあちょっと「内輪ノリ」な感じもあって、なかなか大きな波にはなっていないですね。
決して華やかな画ではないので…。
あとはスタンダードジャーナルは基本的にジャーナルスタンダードの東京・表参道店、京都店、福岡店、そしてオンラインのベイクルーズストアという限られた展開であったので、それも良くなかったかな…。
せっかく、ドメスティックブランドのデザイナーがデザインしたアイテムをセレクトショップオリジナルの価格帯で買える、という企画にも関わらず、なんかどうも「自分にはあまり関係がないな…」と捉えられてしまっていると思うんですよね。
ただ今回は取り扱い店舗が拡充。
従来の東京・表参道、京都、福岡に加え、札幌・仙台・名古屋・広島がスタンダードジャーナル・ポップアップストアを展開することにより一気に全国的な取り扱いとなりました。
やっぱりこうでないとね…。
ジャーナルスタンダードを再定義する企画なわけですから。
ジャーナルスタンダードに行けば買える!というふうになってほしいものです。
かつてユニクロがクリストフ・ルメールとコラボした「ユニクロルメール」で普段ユニクロには行かない人々を店舗に呼び込んだように…
と言うと大袈裟ですが、単に従来の服好きだけにアプローチする企画になってしまうと豪華デザイナー陣がもったいないですから。
今回第三弾の参加デザイナーは
・川瀬正輝氏 product almost black(プロダクトオールモストブラック)
・渡部宏一氏 RAINMAKER(レインメーカー)
・森山直樹氏 77circa(ナナナナサーカ)
今回デザイナーに与えられた「お題」は
・ミリタリージャケット
・スラックス
・バスクシャツ
です。
今回は当初参加予定で、私も大好きなブランドであるKAPTAIN SUNSHINE(キャプテンサンシャイン)の児島晋輔氏が参加を断念ということで(その過程も動画には収められています)、それはそれはとても残念だったのですが…
今回、実物を見てみると、かなり良いんじゃない!?という回になっていますね。
早速見ていきましょう!
今回イチオシは…イージースラックス!
今回イチオシは、やっぱり何と言ってもスラックスですねぇ…。
私のファッション提案の軸に、まずは下半身を整えよう、そのためにスラックスを穿いてみよう!ということがあって。
どうしてもメンズのカジュアルシーンでのパンツの提案って、デニム・ジーンズであったりチノパンツであったりといったものが多かったのです。
ただ、ここ5年くらいでしょうか?カジュアルシーンでもスラックスを穿く、というのがだいぶ一般化してきた気がします。
それもいわゆる「ジャケパンスタイル」的な限られたスタイルのものとしてではなくね。
NEAT(ニート)という人気のスラックス専業ブランドが出てきたり。
個人的にはMARKAWARE(マーカウェア)がとても脚を綺麗に見せてくれるスラックスを出してくれたり、スティーブンアランが手頃な価格でこれに代わるものを出してくれたりと、スラックスを推しやすい環境になってくれました。
やっぱりセンタークリースのあるスラックスを穿くと、一気に下半身が整って、ファッションがラクに、楽しくなってくるものなんです。
太さやシルエットによりますが、センタークリースのあるスラックスって、形に悩みが多い日本人の脚をカバーして綺麗に見せてくれるので。
もちろん、俺はデニムが好きなんだよ!という場合は別にしても、どうもカジュアルなファッションが上手くいかない…という悩みを抱えている方には是非オススメしたいアイテムですね、スラックス。
カジュアルだからデニムを穿かなくちゃいけないんだ…みたいな強迫観念はね、一度捨てましょう。
実は履き心地も、ゴワゴワ感とか無くてラクですし。
スラックスも選択肢として取り入れて、再度デニムを見てみると、また良さが再発見出来たりしますしね。
ちょうど黒スキニーパンツがかなりマスに浸透してしまって、廃れるわけではないけれど、ファッション上位層がそこから逃げ出し始めたタイミングでもあったので、良いタイミングで「次のパンツトレンド」として提案出来たというのもありましたね。
ただ、まだまだ「カジュアルでスラックスなんて穿いてられるか!」みたいな感覚って根強いと思うんですよ。
やっぱり、色々な意味で気軽さが無いと言うか…。
ちょっと「かしこまった」感がある、というのはそのとおりで。
そこで、もっと気軽に穿けるスラックスは無いか…というのは、ずっと探し続けているテーマでもあるのですが、今回ジャーナルスタンダードから一つの答えが出てくれたな…!と。
ちょっとスラックスというアイテムへの思い入れから、入りが長くなりましたね…。
そろそろ紹介していきたいのですが、1つめが、RAINMAKERの渡部宏一氏デザインの「by WATANABE Slacks」。
【STANDARD JOURNAL / スタンダード ジャーナル】by WATANABE Slacks (レディース Mサイズ販売ページ)
【STANDARD JOURNAL / スタンダード ジャーナル】by WATANABE Slacks
(メンズ M/Lサイズ販売ページ)
※今回販売ページがいくつかに別れてしまっているので注意してください、上記2つのページは、同一の商品ですが、男女兼用(ユニセックス)での提案のためメンズ・レディースで異なる販売ページになってしまっています。片方に在庫が無くてももう片方にはある、なんてことがあります。
スタンダードジャーナルは、企画の趣旨もあり、デザイナー名を押し出した商品名になっています。
RAINMARKERで定番となっている「DOUGI PANTS(道着パンツ)」をスタンダードジャーナルのコンセプトに合わせて再構成したアイテム。
ベルトレスに穿ける、ベルトループのない完全イージー仕様のイージーパンツになります。
ウエストはヒモでキュッと絞って穿くタイプ。
このアイテムを一言で表すと、「ちゃんとスラックス、それでいてイージーパンツ」。
この手のイージーパンツって、いかにもイージーパンツ、というリラックス素材(ジャージー素材やポリエステル)で作ってしまうものです。
これはしっかりウールスラックスに見える生地で作られていて、なおかつイージーパンツの取り回しの良さも兼ね備えている、というアイテムなのです。
シルエットは腰回りゆったり、そしてスソに向かって細くなっていく…という、いわゆるワイドテーパードシルエット。
太さ的には今の基準で行くと細過ぎず、太過ぎずの中庸的なものになりますが、生地に落ち感があり、テーパードが効いているので太さの割にはスッキリとシャープに見せることの出来るタイプですね。
脚の形は拾わず、パンツが非常にキレイなシルエットを作ってくれます。
かなり生地感が良くて、トロピカルウールでサラッとはしているものの、ドライなザラッとした感じはなく、ウールの潤い感も感じられる方向性での涼感…というですね、
いやー、かなり気持ちの良い生地になっています。
そこはポリエステルと言えど帝人フロンティアのSOLOTEXを使用ということで、従来のポリエステルとは違った心地よさがありますね。
私がいつもポリ感と呼んでいる、ポリエステル特有の歪なツヤ感もないですし、見た目的にも肌触り的にもウール100%の生地とほとんど差はないです。
シワもつきにくいし。
センタークリースはアイロンプレスではなく、「縫い」で表現しているので、洗っても取れません。
これはメリットでもあり、好みの別れるところでもあり…。
やっぱり縫いだと、かなり細やかなものだとしてもステッチが見えてしまいますし、独特のセンタークリースになって、どうしても「縫いだ」と分かってしまうもので。
まさか「うわこいつのセンタークリース、縫いだわ、自分でアイロンも出来ないのか?」とバカにしてくる人はいないので、結局自分のこだわり具合でしかないのですが。
最近だと先日紹介したPUBLIC TOKYO(パブリックトーキョー)の「極 エバークリース ストレートスラックス」のように、センタークリースの裏側から樹脂で固めて表面上は全く分からずに永久クリースを実現する、という手法もあるのですが、そういった手法はまだまだ少数ですね。
ただこの家で洗っても(このアイテムは表記上は手洗い可能です)、センタークリースが消えない…というのは大きなメリットでもありますよね。
この消えてしまったセンタークリースを自分でアイロンして復元する…というのはアイロン作業に慣れている人であってもなかなか難しいものなので…。
自分でセンタークリースを再現出来れば最高ですが、失敗して二重線になってしまったりすると不格好ですし。
最近だとYou Tubeに色々ハウツー動画が上がっていますが、多分それらを見たとしても難しいと思いますよ…。
シームを合わせるとか色々コツはありますが、これに関してもカジュアルスラックスは洗いで歪みが出てしまっていたりするのでね…。
何回も何回も失敗して、ようやく上手くなっていくのですが、おそらくその前に挫折してしまう人がほとんどだと思うので。
スラックスをオススメする上で、一番の難点がこのセンタークリースの維持なので、こういった永久クリース仕様のものは最終的なこだわりの面で若干抵抗があったとしても、それ以上にメリットもあったりするんですよね。
あとはこれはRAINMARKERのDOUGI PANTSから受け継いだ腰回りのギャザーが好み分かれそうかなと。
トップスを着てしまえば分からないんですけどね。
ディテール面でちょっとしたケチを付けてしまいましたが、バックポケットは素晴らしい。
イージーパンツなのですが、バックポケットはしっかりとスラックス仕様になっていて、そこのバランスが良いですね。
イージーパンツだからといってここがいきなりカジュアル仕様になってしまうと最後の最後でうーん…となってしまうのですが、そこはしっかりと抑えられています。
いやこういうの本当に「高い物を買う」上では精査してしまうものなのですよ…。
後でしっかり動画を見ていたら、仕掛け人の金子氏もそこに言及していましたね。
個人的にはこのグレーの色味がかなり良いと思っていて。
グレーのスラックスって本当塩梅が難しいんですよね…。
こういったキレイな、いかにもなウール生地の場合、濃いグレーだと制服とかスーツ感が出てしまったり、地味なだけだったり…
かといってライトグレーで黒から離れ過ぎててしまっても使いづらいし…で。
このグレーは濃過ぎず、淡過ぎずで絶妙な塩梅なんですよね。
この生地のおかげか、すごくクリアな色味に出てくれています。
もちろん黒も良いのですが、グレーのスラックスって良いものは貴重だったりするので、グレー、オススメですよ。
こちらのスラックスはイージー仕様とは言え普通のスラックスに近いので、裾上げはもちろん可能。
クッションが出ないようにしっかり裾上げしてシルエットをさらに綺麗に出しても良いし、クッションをつけてちょっとルーズに穿いても、それはそれで良いと思います。
イージースラックスとして、あくまでも堅すぎない使い方をしてもらう感じで。
多少クッションが付いても、すぐに裾上げせずに様子を見てもらっても良いんじゃないかな?と思います。
脚が長い人には関係無い話ですけどね笑
サイズ感としてはMサイズでもかなりウエストに余裕があって、ドローコードでキューッと絞ってもらってもギャザーのおかげでキレイな腰回りになるので、相当融通が効くと思います。
スタンダードジャーナルは、男女兼用(ユニセックス)で、一応Mサイズがレディース・メンズ共通で、Lサイズがメンズ対象ということになっています。
どんな人にでも合うようなサイズ感、というのをプロジェクト全体で共有しているのですが、その分大雑把と言うか「小さいか、大きいか」、ひどいときは「大きいか、もっと大きいか」という選択肢しか無かったりするので。
Mサイズでも、うわーちょっと緩すぎるな…という場合は諦めるしか無いのです…。
取り扱い地域だけでなくて、サイズの問題でも締め出されてしまう人が出るのがスタンダードジャーナルのちょっと残念なところかな…。
しっかりとキレイなシルエットの下半身を作れるし、色々な意味で取り回しもしやすいし、これからの季節、秋まで長らく主力のパンツになってくれるのではないでしょうか。
ハーフパンツ、短パンが苦手…という人にもオススメですよ。
RAINMARKERのスラックスって良いのだけれど、3万円台後半~4万円と高額でして…。
スタンダードジャーナルのこのアイテムはRAINMARKERそのものではないけれど、ブランドが培った要素を上手くセレクトショップオリジナルレベルに落とし込んでいるので。
税込み22000円も、おそらくギリギリの価格設定だと思うのですが、この価格帯で買えるスラックスとしては最上位の、かなり良い出来になっていると思いますよ。
セレクトショップオリジナル、いわゆるセレオリのアイテムは、色々な意味で中途半端な立ち位置にあるアイテムで、すぐセールになってしまうこともあり、
「セールでなら…」とか、セール価格になってからオススメするケースが多いのですが、コレは定価でも十分オススメ出来る出来ですね。
上半期はスティーブンアランのコレ(ブラックのみオススメ)と並んで、2万円前後でオススメしたいスラックス3傑に入りますね。
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