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「今」に結ぶ、パーソナルな写真 -2019ふり返り①
まだ、11月だけど、2019年のちょっとした振り返りを。
今年は、「人の死」「命」「祈り」こういったものに直接的に触れさせてもらえるような写真の現場がいくつかあった。
撮り終わったあとは、深いところからゆっくり地上(日常)に出てくるような感覚で、また、とてつもなく眠い。眠る。
きっと被写体の方も、そうであったのではなかろうか。
撮影した写真たちは、当然HPにのることも、どこかに露出されることもなく、本人の手元でひっそりと。
ご本人たちも、日常的にそれを眺めることは少ないのかもしれない。
「自身の尊い瞬間を、写真に残せた。」
「過去は(大切な人は)消えない。」
そんな想いに安堵して、未来へと向かわれるのではないか。
あるいは、そうだといいなという、私の願い。
色々な写真があるけど、とっっってもパーソナルな写真。
たまにそれは、全裸であったり、意識不明であったり、家の中であったり。
文字にするとそうなるけど、写真にすると
「今を生きてる」
という一点で結ばれる。
その昔、私も、「自分の写真」を撮ってもらうことで、
「今を生きてる私」にピントが合い、病を克服したという経験がある。
そんな私だから、撮影を任せてくれる人がいて、撮れる写真があるのかな、と。
「今」に、自分自身を結びつけて、安心して未来へすすんでいけるような写真。
そこをますます受け取っていこうと思う。2020年。
5年前の11月に乳がんが見つかり、12月1日に、自分の遺影写真を撮ってもらった。けど、当面死ぬこともなさそうで、ピンピンしているので、遺影は更新中なんだけど。(5年前と今とでは、全然違う)
乳がんの経験は、私の中で大切な過去になったので、ふだんはあれこれ考えたり振り返ったりすることもないのだけど、
同じように手術を控えている被写体さんに「5年たったら、傷もほとんど目立たなくなりますよ。」
そう、自信をもって伝えられることが、とても嬉しかったりする。
家族でも、友人でも、お医者でもない、赤の他人の、写真家のわたしだから、抱きとめられることがあるのではないかしら。
打ち合わせのお時間の、とりとめのないお喋りのお時間が、撮影と同じくらい重要なのではないかしら。
被写体さんにとっても、私にとっても、なのです。
私が人生の中で出会い、写真を撮らせていただける人は限られている。
でも、写真の素晴らしさを、より多くの方に届けたい。
そう思って、写真ワークショップや、オンラインフォトセッション(こちらは、リリース準備中ですが)を開催しているけど、
私の命が向き合うことで、喜んでくださる方のお写真は、やはり大切に撮りたいと思う。
写真を撮る尊さや、撮らせてもらえる感謝は、今日、今この時のように、度々心の真ん中で、きちんと思い返したいことです。
しんみり。
秋の夜長よのぅ。
寝る準備でもしようかのぅ。