視覚障害者でも一人で高速道路のトイレって使いますか?

「そもそも、外出先で視覚障害者が単独でトイレを使うことはないのでは?」
そんな驚きの質問を受けたので今日はそちらに回答したいと思う。

結論からいうと、私は基本的に単独で利用することがほとんどだ。
そもそも、ヘルパーさんと一緒に高速道路を利用したことが今まで一度もない。

車を運転しないからといって、高速道路を使わないということもなく、むしろ、多いときは1週間に2~3回は高速道路を利用することがあった。

え?運転しないのに?と思うのかもしれない。

逆だ。

視覚障害のある私にとって主な移動手段は公共交通機関である。

公共交通機関の1つに高速バスがある。

私が名古屋からつくばへいくときには、夜行バスをよく利用していた。
息子を寝かしつけ、22時すぎに家をでて、そこから夜行バスに乗り込む。

24時の消灯前に必ずよるパーキングエリアでは必ずトイレにいっていた。

そして、翌朝5時ごろにパーキングエリアでトイレ休憩がある。このときもトイレによる。

もちろん、このときは一人だ。

どっちが女性用でどっちが男性用なのかわからないときは周囲にいる人に尋ねることができるし、自分の乗っていた高速バスがどれかわからなければこれまた周囲の人に尋ねる。

これから全国の高速道路のトイレが最新設備に生まれかわるにあたり、タブレット型の操作パネルになるという話題がある。

高速道路のトイレは公共性が高いものであるため、「誰もが使える」という視点にたった設計が大切と考えられる。タブレット型操作パネルの場合、便利に使える人もいる一方で私のような障害者や高齢者は使えなくなる可能性も秘めている。

駅の券売機であれば、駅員さんをはじめ誰かに手伝ってもらうことは可能だ。しかし、トイレという極めてプライベートな空間において誰かに何かを手伝ってもらうというのはしづらい。現に、トイレの流すボタンの位置がどうにもこうにもわからずに困り果てた経験は数知れず。苦笑
手当たり次第ボタンを押すと緊急呼び出し用ボタンだったりもするのでそうもいかない。

我慢してやりすごせることは我慢して解決という方法もあるが、トイレは我慢するわけにもいかない。弱視の人の中には、外出先でトイレを見つけることができないという理由から朝と帰宅後にしかトイレをしないように調整している人もいる。

トイレに限らず、今、多くのものがタブレット化、無人化によりコストダウンしようとしている。悪いことばかりではないと思う。くら寿司はタブレット端末だけではなく手持ちのスマートフォンでも注文をすることができるようになった。今まではメニューを読み上げてもらわないと注文できなかった私が、自分のスマートフォンで自分のすきなときに好きなものを注文することができるようになった。これは技術革新の恩恵を受けている事例だ。

さて、高速道路のトイレはどうしたものか、セントレア(中部国際空港)は当事者参加によりユニバーサルデザインな空港を実現したことで有名だ。成功事例に学び、世界に誇れる日本のパーキングエリアの誕生を望まずにはいられない。


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