完璧な環境があるからこその盲学校@イギリス
楽しく、カジュアルに、弱視難聴の日々を発信しています奈良里紗です。
私は現在、イギリスのバーミンガム大学にて、視覚障害教育について研究をしています。
今週はイギリスでは2校目となる盲学校を訪問。
学びがあふれすぎているので、じっくりシェアしていこうと思います。
まずは、こちら!
写真は盲学校の体育館です。
写真だけでは伝わりきらない感動がそこに!
まず、この体育館、一切、反響音がしません!!
体育館といえば、反響音が高いものですよね。
反響音があると私の耳は極端に音がひろえなくなるので、苦手な環境の1つです。
ところが、この体育館、視覚障害スポーツの多くが音を頼りにして行うことから、反響音が極力おさえられるような特殊な設計になっています。
私もこの体育館でなら、スポーツしたい!と意欲がわいてきました。
視覚障害のある生徒がやる気がないのではなく、その環境がやる気をひきおこさせないことをこの素晴らしい設備は物語っています。
加えて、照明も特殊な使用になっています。
弱視(ロービジョン)の子供たちの中には、まぶしさを感じることもなど、明るさに配慮が必要な生徒もいるからなんです。
こうした特殊な環境を作ることには非常にお金がかかります。
視覚障害のこどもは、自閉症などほかの障害に比べて極めて低い発生率です。0ではないけれど、予算というものはマジョリティのために使われがちです。
そこを、ファンドレイジングの専門家がきちんと営業を行い資金を集め、マーケティングの専門家が持続可能な経営プランをたてて、この素晴らしい施設を実現したのです。
日本だと、どうしても盲学校という選択肢が消極的になりがちです。イギリスでもそれは同じようなところがあるのですが、視覚障害のある生徒が思う存分学ぶことができる環境がそこにあることから、ここで学びたい!と感じて入学する生徒も多いようです。
何より、この学校では生徒の75%程度が何らかのスポーツを楽しんでいるのだそう。アメリカの盲学校を訪問したときにも、スポーツ教育に力を入れていました。なぜかわかりますか?
私もそうですが、眼が見えない・見えにくいと運動する機会が見える人に比べて少ないから、積極的に体を動かす機会を作らないと、中学生ぐらいでメタボになってしまうこともあるんです。これは欧米だけではなく、日本でも深刻な問題です。
ということで、今日のレポートはここまで。
次回もお楽しみに~