白杖を持っていていいことあるんですか?
白杖を持っていると狙われるのではないのか?差別されるのではないのか?心ない言葉を投げかけられるのではないのかと心配している視覚障害者はわりと多い。
ネットでもよく取り上げられるのはネガティブなニュースがもっぱら。だから、白杖を持つことに恐怖を感じる人は少なくない。
私の経験とこれらのネット上のニュースとはだいぶギャップがある。私はこれまで白杖を持っていたことで怖い思いをした事は今のところ1度もない。もちろん、それなりに気をつけて歩いているからと言うこともある。
ただ、それ以上に白杖を持っていることで親切にしてもらった事の方が多い。例えば、デパートの洋菓子売り場で菓子折を探していたときのこと。
その日はヨックモックのお菓子を買おうと思っていたので、ヨックモックの場所をまず近くの店員さんに尋ねる。白杖に気づいた店員さんは、言葉で丁寧に場所を教えてくれる。人によっては持ち場を離れて案内してくれることもある。だから、目的のお店を探すのに困る事は無い。
次に、お店に到着すると
「ここはヨックモックですか?」
と確認のため尋ねる。するとこの人は看板が見えていないのだなと言うことが自然と伝わる。そこからはとても丁寧に案内してもらえる。
35個位お菓子が入ったものありませんか?と尋ねれば、何個入りのつかないようなお菓子がありそれぞれ値段まで教えてくれる。
また、季節限定の商品を確認するのも大好きなので季節限定商品についても教えてもらう。店員さんと色々と相談しながら決める時間はとても楽しい。お会計の時には、支払い金額をしっかりと読み上げてくれるし、さらに、デパートのポイントがどのくらいたまっているのか、何月何日に何ポイント失効するから早く使ったほうがいいですよなどといったことまで丁寧に教えてくれる。
もし、私が白杖を使っていなかったらこのような情報まで丁寧に教えてくれる事はないだろう。相手も私が白杖を持っていることでどのようにサポートしたら良いのか見当がつき、接しやすくなっているように思う。
専門家から白杖を持ちなさいと言われてなかなか持てないでいる人も多いかもしれない。無理に持つ必要はないと思うが、ちょっと困ったなと言うタイミングで白杖を出してみて周囲からどのようなサポートを受けられるのか体感してみると良いかもしれない。周囲の人が自然とサポートをしてくれる経験を積み重ねると、やみつきになること間違いなし!