視覚障害者がコロナになる前に備えておきたいこと
日常生活であれば不自由なくすごせる私たち視覚障害者もコロナに感染してしまったらいろいろとt困ることがでてくると想定される。
「コロナになったときに備えて何を準備しておけばいいでしょうか」
というご質問をいただいたので私なりに考えたことをお伝えできたらと思う。
まず、コロナかも?と思った段階で自分がどうやってPCR検査を受けるかどうか、もっと、具体的にいえばそこまでどうやって移動するか移動手段を考えたおきたい。コロナの疑いがある場合、基本的に公共交通機関やタクシーは利用できないことになっている。徒歩圏内にPCR検査ができる病院があるのか、別にPCRの検査キッドを事前購入しておき、使い方を誰かに読んでもらい、いざというときに実践できるようにしておくことが大切だ。
次に連絡先関係の事前登録も大切だ。管轄の保健所の電話番号はもちろんのこと、地域の保健所は平日の日中のみつながるので夜間や土日は別の連絡先となるため、そこもしっかり登録しておく。電話をしながらメモをとるのが大変になることが予想されるため、ここらへんはしっかりおさえておきたい。さらに、救急車を呼ぶときの管轄の消防署の電話番号も調べておこう。119番通報ではなく、地域の市外局番からはじまる番号、これをおさえておきたい。
枕元に準備しておく書類
緊急連絡先を最低2つ以上記載するのはもちろんのこと、加えて自分の障害の状態(どのぐらい見えるのか、見えないのか、必要な手伝いは何か)などを具体的に書いておくことが大切だ。例えば、何か処置をするときに書面へ署名を求められることがある。何も補助具がない状態で署名ができないようであれば、署名はできないので押印で代行させてほしいこと、印鑑も同じ場所に備えておくとよい。平常時であれば読める文字もコロナに感染し、症状がでているときには文字を読んだり書いたりできない可能性もある。そのような状況のときに、自分が何をしてもらう必要があるのか書き留めておこう。
食料・日用品のストックは多めにしておく。
コロナ陽性がでるとしばらく外出ができなくなる。ポカリスエットなどの水分やすぐに食べられるゼリーなどはストックしておき、必要なときにすぐに手がとどくようなところにおいておこう。
パルスオキシメーターは写真にとって送ること
コロナで注目されているのがパルスオキシメーターだ。病院にいくと人差し指にぱかっとつけて何かを計測されているということしか知らなかったこの機械こそがパルスオキシメーターと呼ばれるものだ。コロナ患者にはこのパルスオキシメーターが保健所から配布される。測定方法などわからない人はコロナになる前に病院などで現物をみせてもらい、仕組みを理解しておいたほうがよいだろう。コロナになった状態では、周囲の人からサポートをうけることはほぼできないので、そのときにやり方がわからなくてもどうしようもないのだ。無症状でない限り、症状がつらくなればなるほど、このパルスオキシメーターの値を正確に読み取れるかどうかわからない。なので、測定結果は写真にとり、記録に残すようにする。できれば、それをLINEで家族などに送り、症状が悪化していないかモニタリングしてもらい、数値が90をきるようであれば、保健所にかわりに電話してもらい、状況を伝えてもらうようにしよう。状態によって数値を見間違えてしまっては大変なのでここは第三者の協力体制を考えておくとよいだろう。
このパルスオキシメーターのモニタリングは自治体によってはアプリなどがありそれで保健所がモニタリングできるようになっているところもあるらしい。症状がでてからではこういったアプリの設定は難しいと思うので、コロナになる前にお住いの地自体でそのようなアプリがあるのか、あるのだとしたらどうやってインストールしてどうやって使うのか情報を得て練習しておくことを推奨する。
コロナになってしまうと、普段、きてもらっていたヘルパーさんにきてもらうこともできない。そのような状況で2週間程度、自宅の1室で生活に困らないようにするにはどうしたらよいか考えておくとよいだろう。
ゴミの扱い
ペットボトルなどのプラスティックについたコロナは72時間程度で死滅するといわれている。ゴミを捨てるときは72時間以上あけるか、あるいは、ゴミをゴミ袋で二重に包んで、万が一にもやぶれてもれでることがないようにして捨てるようにする。だから、大き目のゴミ袋と小さめのゴミ袋を多めにストックしておくとよいだろう。
ここに出したのはあくまでも一例でほかにも必要な備えがあるかもしれない。「自分の命は自分で守る」などということがいわれるようになってきているが、だとするならば、災害と同じように防災対策をしっかりして備えておきたいものだ。もちろん、感染しないことが第一であるが備えあれば憂いなしである。
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