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視覚障害者でも飲食店で働けますか?
皆さん、こんにちは。奈良里紗@楽しく、カジュアルに、障害科学に関する情報発信をしている弱視難聴の研究者です。
大学生になった視覚障害学生からこの時期多く寄せられる質問の1つに、
「視覚障害があっても飲食店でアルバイトできますか?」
というものがあります。
目が見えない、見えにくいと自分ではできないと、自分自身に無意識にブロックをかけてしまうことがあります。私もかつてはそうでした。いや、今でもそういうときがあるように思います。
私も大学生のとき、おしゃれなカフェでバイトしたーい!という気持ちがありました。聴覚障害のある友人は、おしゃれなパンやさんでバイトしていて、いいなーとうらやましく思っていました。
障害のない友人たちは、塾講師、居酒屋バイト、ショップ店員など、いろいろなアルバイトをする姿を横目に、自分は無理だろうなぁと思っていました。
心の中ではあきらめつつも、人に会うたびに、
「視覚障害者でもアルバイトできるところってないですか?」
と聞きまくっていたところ、先輩から視覚障害者も家庭教師として雇っている家庭教師会社を紹介してもらいました。
この会社を通じて出会ったお子さんの一人は今でもつながりがあり、目が見えにくくても家庭教師ができるんだという1つの自信を私に与えてくれました。
大学3年生のときに、友人からカフェをオープンする人がいてアルバイトを募集しているみたいだから面接にいってみない?と聞かれ、即返事。
面接は緊張しましたが、素直にできること、できないことを伝え、即採用。これには私もびっくり!
実際に私ができたこととしては、
・お客様を席までご案内
・おひやの準備と提供
・オーダーをとる
・食事や飲み物を配膳
・飲食後のテーブルの片付け
・テーブルセッティング
・開店準備
・お皿洗い
・ケーキなどの盛り付け
・ガムシロップの計量
・コーヒー用のミルクを容器にいれる
・調理の補佐
これに加えて、店長はお客さんとのコミュニケーションスキルがとてもよかった!と退職後にいわれたことがあります。
私がお店ではできないのでやらなかったことは
・お会計
・オーダーを伝票に書く作業
でした。
オーダーは記憶して、厨房で伝えながらほかのスタッフに伝票に代筆してもらうサポートをしてもらっていました。
これはあくまで私の経験なので、視覚障害のある人すべてが私と同じことができて、同じことができないわけではありません。
履歴書をみて、「盲学校卒業」と書いてあるだけで不採用にするなどといったことがあるようなのですが、それは非常にもったいない!ことです。
もしかしたら、目の見えるほかのアルバイトのだれよりも戦力になる可能性もあります。障害の有無だけで、飲食店は無理を決めつけてしまうのはもったいないですよ。
ちなみに、下記のNHKふくちっちの動画では、弱視の方が飲食店で働く様子がうつっています。ご興味のある方はご覧ください。
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最後に、記事を購入していただいた方向けのおまけです。
アルバイトや面接を受けるときに、視覚障害をどう伝えるのか、そのポイントをご紹介します。
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