ブラタモリ『正倉院』回 すごくよかった! ~すべてが宝物~
NHK『ブラタモリ』正倉院の回、ご覧になりました?
奈良が舞台、しかも正倉院ということで、とても楽しみにしておりまして、もうすごくよかったですね。
タモリさんが正倉院の中へ入る!という予告どおり、空とはいえまさかの封印を切っての入場でした。
もううらやましいったらないですね!
正倉院の中に入ることは無理でも、あの床下に行ってみたい…
正倉院の巨大さを体感してみたいです。
今回は最初から最後まで、正倉院の話題だけで番組を作ってらして、さすがというか、正倉院の凄さや大切さをもれなく伝える内容でした。
テーマは1300年正倉院の宝ものがなぜ守られたのか、ということに終始してまして、建物が堅牢な校倉造であること、木材を最大に利用していることで、その材がすでに湿度温度を一定管理してくれるパッケージになっていること。そして一番うれしかったのが、宝物をいれる「杉の箱」というものが存在していて、二重に宝物を守っているという話題が出たことでした。
いつも正倉院展で、きらびやかな宝物ばかりが注目されて、螺鈿の少ない年などは「今年はいまいちだった」などという声が散見されるにつけ、こういう「きらびやかでないけれどすごいもの」が、もっと注目されてもよくないか?と常々と思っていたのです。
きらびやかでない、といえば、正倉院の中にたまっていた塵や芥といったものも丁寧に分類して保管するシーンも放送されていました。
一見ゴミかホコリにしかみえない繊維や布の一部や金属片も決して捨てず、その中から懸けていた宝物が昔の姿を取り戻したという例もあるそうです。
正倉院の中にあるものはすべてが宝、という言葉が何度もタモリさんの口から出ていて、その宝を守る人たち。守ってきた先人たちが絶え間なくいたこと。守る意思をもって守られてきたこともまた宝物なのだと。宝物そのものだけでなく、「人」への敬意と愛情一杯の内容でとても良い放送でした。