おばあちゃんが教えてくれた「信心」
神社仏閣に行ったら、おみくじを引く方多いですね。
最近では可愛い七福神の中に入っているおみくじとか、水にひたして文字が出てくるものとか、色々ありますけど、私の中で一番「信心している」のは東大寺 二月堂さんのおみくじです。
昔友達のおばあちゃまが、すごく二月堂信者で、もう足が悪くなってひとりでは階段を登れなくなっているのに、毎月の月参りを欠かさない…という話を聞いたことがあるんです。
いつも私の友達が車で連れて行って上げていたのですけど、その時に二月堂はもう目の前まで車で登ってこれることを初めて知りました。
二月堂さんは高台にあるのですけど、そこまで登っていくのがなかなか大変です。
若いうちはいいですけど、年をとるととても大変なので、階段の下に石の輪を転がすものが設置されていて、これを回せばお参りしたのと同じ御利益がある、と言われています。
たぶんそれは江戸時代とか、最近になって設置されたのだと思うのですけど、それだけ二月堂の信仰がひろがって、登りたくても登れない人が続出していた時代を反映しているのかなと思います。
そしてきわめつきがおみくじです。
友達のおばあちゃまいわく「二月堂さんのおみくじは、気安く引いてはいけない。ここぞという時、人生の岐路に立った時、どうしても観音さまに聞きたい時だけ聞くんや」というのです。
で、二月堂さんのおみくじは凶がすんごく多い。
おみくじの授与所のそばに、不要なみくじを「刺す」場所があります。
ここではどこかにくくるのでなくて、設置してある竹串に「刺す」のです。
なので何人かが刺した「不要みくじ」が重なっているのですけど、お祭りのときとかはわりと沢山刺さっています。
それをちらりと見ると、だいたい「凶」
やはり…と思って下を見ると、それも凶。
その下も凶。
その下も凶。
その下も…(以下略)
怖くて引けません!!
凶をどういう風に捉えるのか、はその人次第だと思うのですけど、おみくじにも真摯に向き合うおばあちゃまがいらしたことは、私の二月堂さんの向き合い方にも、すごく影響されているなと思います。
ほな あとはあんじょう頼みます。