
東大寺さんの修正会を体験して感じた「一日」の重さ
今年は奈良の行事をなるべく体験しようと、あちこち出かけています。
先日東大寺さんで修正会という法要があり、参列していきました。
修正会は正月に修める法会のこと。
正月とは三が日だけでなく、一月のことを正月と言います。
大仏さんに近い須弥壇の上にお坊様がのぼり、今年一年の国家の安泰や万民の幸福を祈られるのが修正会です。
90分ほどかけて祈りの言葉やお経を唱える声明が続き、時には錫杖が打ち鳴らされる音が響きます。
大仏殿は広いので、法要に参列といっても、普通にお参りしている人たちとともに、ただ大仏殿に立っているだけですが、こころなしかいつもの法要よりゆっくりとお経が唱えられている気がしました。
法要のいいところは、その時間の間ずっと同じ所にとどまり続けているので、ふだんなかなか目を凝らすことのできない場所を見つめられることです。
今回あらためて大仏殿の広さ。
天井の高さ。
奥行きの豊かさに感動しました。
大仏殿や大仏さんが大きいのも、目が慣れてしまって、最初ほど驚かないのですがやはりすごいです。
これだけ巨大な空間を維持していることに驚愕を覚えます。
よくよく見ると大仏殿の壁の板と板の間に隙間があったり、須弥壇に積まれている石と石の間に補修材の痕が見えたり。
当然この建造物を維持するために色んな措置がなされてきていて、それがあらためてよくわかりました。
東大寺大仏殿は、約300年前、江戸時代の再建の建物です。
言葉で「300年前の建物」と書くことで歴史は伝わりますが、本当に300年という日数の重さを知っているのか?と問われたら、自信がない気がします。
その頃は徳川幕府の時代で、その頃の自分のご先祖さまはどこに住んで何をしていたのか分からず。
さらにまだ将軍が時代を重ねていって、明治時代が来て、世の中ががらっと変わって…
日露戦争や、大正デモクラシーや、昭和大恐慌を越えてまだ時代は続いて、自分が意識できるおじいちゃんが生まれて、人生をまっとうして、まだその先に今日がある。
長い長い人の人生を何世代も織継いで2025年1月の修正会がある。
そう考えると、自分はすごいところに立っているのだとあらためて分かります。
300年の重さを作るのは今日という一日です。
300年が尊いなら今日という一日だって尊い。
東大寺さんの修正会は、そういう当たり前のことにも思い至らせてくれる素晴らしい法要でした。
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