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気が付いたら〜830〜

苅里「スグル責められてなかった?」
レグ「大丈夫だ、何も起きていない。」
苅里「良かった…」
苅里はホッとして夢の中でレグと2人きりで話す。
苅里「最近自然の動き、どう思う?」
レグ「俺は特に何も感じていない。あくまで時間だけの話であれば」
苅里「こっちも何もないよ。でも前の水の件が起きてからぱったりと何も起きなくなってる」
レグ「何も起きていないならいい事だと思うが…」
苅里「人の本性はそんなに引き際が良いとは思えない。いつかは分からないけど多分また起きる」
レグ「苅里が言うならそうなんだろう。メグ達にも一応話はしておくぞ」
苅里「ありがとう。水達にはもうさっき話したから。夢で会ってくれてありがとう、またね」
苅里はそう言って去って行く。
コツ…
メグ「苅里もスグルが心配なんだね」
レグ「あんな事があった後だ。心配するに決まっている」
メグ「こっちには戻らないって苅里言ってるけど完全に断つのは難しいんだね。ルイ達は苅里を殺そうとして近づくし苅里はラウガとかの事もあるから顔を合わせないといけない。戻らないけも関係が切れないのはなんか人って変な事をするよね」
レグ「そうだな。それに俺達は興味を持つんだろうな」
2人も話すと夢から出て行った。

数百年後、苅里が言っていたようにそれが起きた。
苅里「切るのが一瞬遅かった…」
闇「水と雷と風だね。どうやる?」
苅里「もちろん助ける。他の4人はなんともない?」
闇・光「何もないよ」
炎「俺もない」
土「俺もないよ。でも3つはため込んでないのに…いきなりなったの?」
苅里「多分人の本性が気付かれないように溜めてたんだと思う。今回はレグ達のよりも規模が大きすぎる。一時的に共鳴者にしてくれる?」
闇・光・炎・風「もちろん」
4つと契約をして前回同様守結を展開して領域から血の海を出してそれを死なせて行く。
苅里「キト達は周囲のラウガ達を相手して。4つは人の本性の本体が出て来たら思い切り攻撃してほしい」
キト「ラウガは任せて」
炎「苅里、3つを出したらこっちに渡してくれ。すぐに光が浄化する」
苅里「分かった。じゃあ行って来る」
苅里は全開状態でそこに入っていって3つを見つける。
水「かい、り…」
苦しそうに水が言ってまず自ら出して結界の中に入れる。
苅里「2つも出して来るから先に光、お願い」
光「分かった」
苅里はまた飛び込んで次に風を出して最後に雷を出そうとしたら人の本性が苅里を思い切り攻撃する。
ドガァァァァン!
レグ「おい苅里!大丈夫か?」
苅里「ゴホッゴホッ…大丈夫。レグ達はそっちを守りなよ。巻き込まれたら私でも対処できないから」
メグ「…分かった」
苅里はレグ達の貼った結界を破ってハク達のいる場所に飛ばされたのだ。
ガシッ
窓を人の本性が掴んで入って来る。
苅里「っつ…本当に面倒過ぎる」
その場で立って両手に刀を持って切って行く。
スグル「ここにいても邪魔になるだけだ。レグ、移動できるか?」
レグ「悪いがここより広い場所がないから全員一緒には動けない。3つくらいに分かれたら危険すぎる」
リリ「…それを相手にするなら出て行って。私たちには関係ない」
リリが冷ややかに言って苅里が一瞬リリを見るがそれには答えられない。
苅里「それが、出来たら、とうにやってる!」
苦しそうに苅里は話して加減なしで蹴れば窓にぶつかる人の本性。もう少しで出せると思えば真下からもう一つ来てそれに体を掴まれてそのまま…
グチャ!
苅里の体を握り潰して上半身と下半身が別れる。
ゴトッ!
苅里の上半身は壁にぶつかってそのまま倒れる。
欲「あ…苅里…」
苅里「……」
苅里はそのまま応答がなくて顔が髪で見えない。
メグ「今、回復、しないと…」
メグがフラフラと出て行こうとすればイルキが止める。
イルキ「俺達の知った事?」
メグ「そんな…」
メグは目の前の光景に涙を流して見つめる。
メグ「苅里、お願いだから目を開けて…」
スグル「……メグ」
メグはスグルを見る。
スグル「もう限界だ。俺は苅里のところに行く。結界から俺を出してくれ」
レグ達4人「!!」
須玖「スグル正気!?あんなの放っておけば良いじゃないか!」
カイル「関わるべきじゃない。」
スグル「お前達、変わったな…。苅里は自分を醜いと言っていたが俺からすればお前達の方が余程醜い。メグ、出してくれ」
メグは頷いてスグルだけ出して苅里を抱き抱えて下半身の方に持って行く。
スグル「苅里、今回復するから目を開けろ。」
ピクッ…
苅里「…スグ、ル…。なんで…」
スグル「苅里を助ける。今くっつけるから他にできる事あるか?」
苅里「仲間、外れに、されるよ…」
スグル「それくらい気にするな。もうあそこには疲れたんだ…。苅里のそばに居させて欲しい」
藍里「お父さん戻って来てよ!」
リュオ「化け物なんかに回復なんて必要ない!」
スグルは子供の言葉を全て無視して回復をする。
大分くっついても全身の怪我が酷いのか時折呻いていた。
スグル「水、もう動けるか?」
水は結界から出て来て頷く。
水「もうなんともないから動けるよ。苅里を助けてくれるの?」
スグル「ああ、助ける。俺にも手伝わせてくれ」
水「…良いよ、そうしたら俺達と一時的に共鳴者になって。そうすれば魔力は使わずに使えるから」
雷以外の6つが出て来てスグルと共鳴者の契約をする。
スグル「感謝する。苅里、動けるか?」
苅里「スグルは大馬鹿だよ…」
そう言って苅里は立ち上がって先に人の本性を止めに行った。
メイ「スグル、俺達の敵になるの?」
スグル「敵になるかどうかはお前達が決めれば良い。俺は苅里と生きれれば子供も、家族も、側近も、仲間も置いていく。冥界の主をやめても一向に構わない。もとよりそこに執着はない。3人でいい主でも見つければいい」
そう言ってスグルも出て行った。
ビワハ「俺達を裏切るんだな、スグル」
ビワハはその後ろ姿を見て呟いた。
スグル「風、あそこに穴を作る事はできるのか?」
風「少しの間ならね。あそこに飛び込むつもり?」
苅里「スグル、今から戻りなよ」
スグルがにっと笑う。
スグル「無理だ。俺はこっちにいたいんだ」
苅里は一瞬目を見開いて下を向く。
苅里「風は穴を作って。中には私が行く。スグルは人の本性を自然達を使って少しずつでいいからダメージを与えて。魔力はできるだけ温存して」
スグル「分かった。」
風「少ししか持たないからね!」
風がそう言って人1人作れるくらいの道を作って苅里は勢いよく突っ込む。人の本性はスグル達にかかりきりのようなので急いで雷を出して結界に入れる。
苅里「光、雷を出せたから浄化をお願い。スグルありがとう。後は本体を潰せばいいから」
スグル「分かった。炎、力を借りるぞ」
炎「ああ、思い切り使え」
そう言って苅里は身体能力で加減なしで攻撃してスグルは炎で指先を焼いて行く。
狂気「雷ももう大丈夫そうだな」
欲「後はあれだけだね。」
そう話して狂気と欲は愛羅を見る。
愛羅「お父さん、帰って来るよね…?だっていつも帰って来て…」
愛羅が頭の整理が出来なくなって藍里が抱き締めていた。
狼「さっき言ったもう疲れたって何のことだ…。苅里を敵として見るのが疲れたとでも言うのか…?」
エン「そうも考えられるな。具体的な事は本人に聞かないと分からない」
そう話してみんな外を見る事はしなかった。
苅里「大分小さくなった。これならもう飲める」
水「スグル攻撃をやめて!苅里が飲むから」
スグル「よくあれ飲もうと思えるな…」
雷「それ、俺達も思ってるから…」
浄化された雷も出て来て感想を言う。
苅里は龍の姿になって口に放り込む。
ゴクンッ!
苅里は人の姿に戻って腹の中で結界で囲んで消滅させる。
苅里「よし、消滅させたから終わり!後はこの惨状を何とかしないと…」
フラ…
スグル「それは自然達に任せろ。やってくれると言ってくれている」
風「一時的に契約しただけだけどね、スグルとは。でも使い心地は良かったよ」
炎「また機会があればこちらから申し出よう」
水「苅里とスグルはキト達と休む!俺達はまだまだ動けるんだからね!」
苅里「…じゃあ、そうする。スグル、来て」
スグルの手を引けば逆に引かれて抱っこをされる。
スグル「無理しすぎだ。キト達を呼んで領域を開け。苅里全身が痛いんだろう?」
苅里「う…」
スグル「呼ばないとここで腰を撫でるぞ」
苅里はそれは嫌だ!と言って4人を呼んで領域を開いて帰って行った。