気が付いたら〜903〜
ハク「苅里の夫にまたなれた…」
苅里「仕方がなくね。仕方がなく」
イト「2回も言わないでよ…」
須玖「また旅行したいな〜」
優「スグル、ずっとこんな感じなのか?」
スグル「ああ、そうだ。1人が抜け駆けしたら他の全員がそれと同じことをしろって要求するぞ」
優「やっぱり俺達2人だけが旦那で…」
ハク・イト・須玖「絶対にダメ!5人全員旦那なの!もう元夫なんて戻りたくない!」
優「ッチ。面倒だな」
苅里「3人とも暑い…。今夏だからくっつかないで…」
羽美「お母さん大変…」
優姫「私は父様と母様だけで暮らしてたからこんな光景は初めてかも。」
リョウ「これからはこんな光景良く見るようになるからね。日常的に。」
ルゥ「これだけ長くいてもハク父さん達母さんを離さないからね。もう死ぬつもりもないみたいだし。」
苅里「え〜こんなしつこいのが永遠といるの?ウザ」
イト「ウザい言わないで!俺離したくない〜!」
須玖「メンタル傷つくよ〜」
優「それより離れないと苅里がぶっ倒れるぞ。もう顔が真っ赤だ」
スグル「苅里大丈夫か?お前ら離れろ」
ハク「別に倒れたら介抱するから倒れていいよ。」
優「体調を悪化させてどうする!倒れさせようとするな!」
夫5人がギャンギャンと喧嘩して苅里はそっと抜けて来人におっかかる。
来人「姉さんまた大変な毎日になるね」
苅里「それよりも水頂戴ルト…」
来人「はい、どうぞ。熱中症にならないといいけど…」
ロキ「それにしても確かに今日は暑いな。なんであの5人はあんなに元気なんだ?」
ソル「馬鹿だからでしょ」
トキ「それしかないね。きっとバカは暑さを感じてないんだよ」
優「おいソル、トキ。俺とスグルをあのバカ3人と一緒にするな。俺達は苅里を心配してるだけだぞ。なのにあの3人は自分たち優先で」
ソル「はいはい分かったからもう言わなくていいよ。暑苦しいから。苅里もう顔色は良いね。苦しくない?」
苅里「もう大丈夫だよ。ルト水ありがとうね。ソル兄様も心配してくれてありがとう。バカな夫5人よりも2人の方がよっぽど出来た人だよ。喧嘩するなら他所でやってね。見てるだけで暑苦しい。後視界に映らないで。」
ロキ「5人が凹んだな。苅里は相変わらず遠慮なく言うな」
苅里「遠慮して収まると思う?あの喧嘩」
ロキ「無理か。」
ロキもそう言って水分を取る。
セツ「苅里、今度女子会しない?それでみんなで買い物をしたり遊んだりしましょうよ。男子は入って来ちゃダメよ?」
フキ「男子はそんなことしないしね。いつするの?」
ララ「来週にしましょうよ。アカリ達もいい?」
アカリ「OK!」
ルミ達も頷いてキラッと光る。
セツ「苅里、スカートとワンピース買いまくって着替えさせるから覚悟なさいね」
ララ「うふふ、いつもパンツばかりなんだもの。少しくらい足を出しなさいな」
有喜「ヒールも履いてね?」
苅里「私その時男性の方になって…」
セツ・ララ・ウキ「男性になったら私たちのエスコートをずっとしてもらうわよ。どっちにしても来てね」
苅里「行きたくない〜!」
優姫「母様の女の子らしい姿見たことない…着物以外」
羽美「パーティー以外見たことない。」
苅里「お洒落するつもりないからね。」
苅里がそう言えば子供も含めてもったいない!と言ってララ達とどうするか作戦会議をしていた。
アウ「こうやってみると姉さんて本当におしゃれ興味ないんだね。全く話についていく気0だし」
ウル「それよりも読書とか仕事とかだったしね」
リリ「苅里お姉ちゃん一緒にジュース飲む?」
苅里「リリありがとう。…うん、美味しい。私もう当日どうでもいいや。他の女子達に投げる」
セツ「苅里にピンク着せてみる?」
優姫「可愛いかも!」
苅里「ピンクは却下」
ララ「苅里今私たちに投げるって言ったじゃない。だったら苅里の意見は聞かないわよ」
苅里「……」
苅里はすんごい嫌そうな顔をしてジュースを飲んでもう諦めた。
イト「女子ってすごいよね。おしゃれになると目が燃えてるもん。」
須玖「苅里もあの迫力には勝てないみたいでもう放置してるし。女子って最強だと思う」
サツリ「一日丸ごと使っても足りないとか前ララは言ってたしね。」
苅里「買い物なんて1時間か2時間で終わるじゃん。別に着るものなんて固定されてるんだから。長居したくない。」
白「むしろあの中で苅里の行動ってかなり浮いてるよね。思考も全く違うし」
黒「そうだよね。なんか女子っぽくない。」
苅里「女子っぽくなくていいよ。面倒い」
藍里「せっかく綺麗な肌持ってるんだから興味持ってよ…」
苅里「え〜やだ。化粧なんて必要になったらそれ専門の人を呼べばいいじゃん。パーティーだってそうしてるんだから。自分でしなくていい事は他人に投げようよ」
愛羅「自分でメイクする楽しさは感じないの?」
苅里「全く感じない。」
キリ「もったいない…」
そんな話をして当日は苅里はセツ達に連れて行かれた。
有喜「ララ最初はどこにする?この人数だから3つに分かれてもいいわよね?」
ララ「そうね。お昼は決めた場所に来てね。予約はしてあるから」
セツ「苅里どこに行こうとしてるのかしら?あなたは私達3人とよ?」
苅里「…私リリと回って…」
リリ「私は優姫達とだから違うよ?」
苅里「よりによってなんでこの3人…」
有喜・ララ・セツ「苅里を着せ替え人形にするためよ」
自分の服は午後に見ると言って午前中は苅里はずっと言われた通り着せ替え人形となった。
有喜「苅里次はこれよ。…着ないとピンクに変えましょうか?」
苅里「今のを着ます…」
苅里はゲッソリとしながらもそれに従って行った。
リリ「苅里お姉ちゃんの服凄い買ったね。でもきっと可愛いんだろうな〜」
ララ「当たり前よ。私達が選んだのだから。でも全部影に入れたから帰ったら全部開封しないと。苅里タンスに入れっぱなしなんてダメよ。着てなかったらまた連れ回すわよ」
苅里「それはやだ!」
昼食を食べながらそう話してセツはニッコリと笑ってあの5人に密かに写真を送っていたのだ。
〜〜〜〜♪
須玖「あ、セツから来たみたい。…なにこの数」
イト「買いすぎじゃない?でも全部可愛い…」
スグル「よく苅里に気づかれずにこんなに撮れたな…顔はカットされているが」
優「今度旅行に行く時にこれを着させるか」
ハク「早く着た姿直に見たいな〜」
5人はそれぞれ言って一枚一枚足を見ていた。
リュア「俺でも多少は興味持つのにな。苅里本番はこれからだぞ」
苅里「マジですか…」
リュアが言った通り午後はさらに忙しくなっていき、夕飯に行くまで苅里はずっと帰りたい帰りたいと言っていた。
苅里「た、ただいま…」
優「戦闘よりも疲れた顔だな…。」
苅里「もう行きたくない!絶対必要ない服まで買わされた!」
スグル「セツ達燃えてたからな。まあ着るしかないだろ」
苅里「開封作業式に任せよう…。もう見たくない(泣)」
リュウ「リュアは何か買ったの?」
リュア「少しな。今度着て見せる」
リュウ「早く見たいな〜♪」
イト「あれくらい積極的に来て見せて欲しいけど苅里にはハードル高いか…」
苅里「積極的に見せるつもりないし。私もう寝る!」
ハル「お休み。よく休むといいよ」
苅里「うん、お父さんお休み」
苅里はそう言ってふらふらになって部屋に入って行った。
須玖「本当に疲れたんだね。もう少しで壁にぶつかりそうになってたし」
ガチャ、バタン。
苅里「はぁ…足が痛い。」
ランカ「足揉んであげよっか?」
苅里「要らない。なんで入ってるの?」
ランカ「え〜良いじゃん。はい、頼まれてたやつ。この世界消すの?」
苅里はその紙を受け取って結果を見る。
苅里「…それなりにクズな主だね。主だけ消えてもらおっか。こんなことしなければいいのに」
ランカ「そこはやっぱり人だから欲があるんだよ。裏に手を出したくなったんだよ、きっと。対価の血肉もらっていいよね?」
苅里「どうぞ。本当よく飽きないね」
ランカ「美味しいからね。」
ランカは嬉しそうに苅里の血肉を食べると満足そうにして帰って行った。
苅里「ランカがこういうの得意で良かったよ。キト、シトこの主食べたい?」
キト「興味あるね。いいの?」
苅里「ちゃんと処分してくれるなら良いよ。」
シト「もちろんだよ母さん。やりたい。いつでも良い?」
苅里「良いけど早めにね」
キト「じゃあ明日の夜にでも行ってくるよ。母さんありがとう。お休み」
シト「お休み母さん」
苅里「うん、2人ともお休み」
2人は領域に帰って苅里はシャワーを浴びてすぐに就寝した。
ボリッ、グシャ…
苅里「……」
ミリ「母さん終わったよ。美味しかった〜」
苅里「……」
ミリ「母さん?聞こえてる?」
苅里「眠い…」
ミリ「寝不足なら領域で休む?オークション会場も全部終わったから片付けもするよ?」
苅里「ならお願い…。今度200年くらい寝るかな。」
そう呟いて苅里は後片付けをミリとリカに任せて帰った。
ミリ「母様本当に眠そうだったね。今度はどこで休むかな?」
リカ「最下層じゃない?前は時間の狭間の奥底だったし」
ミリ「またスグル達が煩くなるね(笑)」
リカ「そうだね(笑)」
2人はクスクスと笑って後片付けをしていく。