見出し画像

[補助金申請虎の巻02]検討する順番

ども、ならなすおです。
 
このシリーズは、2025年の年明け以降に出てくる、経済産業省系の各種補助金へのエントリーを目指す中小企業さん向けに書いています。
 
補助金を使った事のない中小企業さんは、「検討を何から始めればいいのか?」から分からないと思います。
 
昨日まで補助金の存在すら知らなかったのに、いきなり「順序良く準備を進めて申請する」って、できないと思うんですよね?
 
結果的に、コンサルに丸投げしてしまう・・・
シリーズ2回目ですが、はっきり言っときましょう。
コンサルに申請を丸投げしようという企業さんは、補助金活用には向いてないです。
 
理由を説明します。
 
補助金を活用して何かをするというタイミングで、その企業さんは「変革」を求めているはずです。
大括りに「経営革新」と呼びましょう。
 
その経営革新は、企業さんのリスクで、企業さんの未来を前向きに変えていくチャレンジです。
そこに補助金を使う事もあるし、必要に応じて支援人材を使う事もあります。
しかしそのチャレンジの成否は、企業さんに返ってくるものです。
 
一番大事な「意思決定」だけは、誰かに丸投げしようとするのはやめましょう。
 
そこだけは、絶対普遍的に、社長の仕事です。
顧客に満足や便利をもたらし、社員にいい暮らしをさせ、世界を未来に進める。
御社のビジョンを語れるのは、饒舌なコンサルではなく、社長です。
 
綺麗な文章でなくてもいいので、ビジョンを語ってください。
そこから全てが始まります。
 
今回は、「ここまで考えたうえで、第三者に相談するといいですよ」という「申請準備前段階の検討」という所に触れておきます。
 
難しい事は、書かないつもりです。
 
本編、よろしくお付き合いください。

強い決意で意思決定する社長
(AIで生成)


(1)御社はどう変わりたい?

まず、社長として会社を見て、何が問題なのかを考えてみてください。
 
問題は、売れない事ですか?
なぜ、売れないのでしょう?
製造設備が古いからですか?
デザインが古いからですか?
価格が高いからですか?
知られていないからですか?
市場の競争が厳しいからですか?
・・・・・
 
問題は、人手が足りない事ですか?
なぜ人手が足りないのでしょう?
求人に応募がないからですか?
賃金が安すぎるせいですか?
そもそも人を雇うお金がありませんか?
ITツールを入れていないからですか?
・・・・・
 
問題は、忙し過ぎる事ですか?
なぜ忙し過ぎるのですか?
人手が足りないからですか?
効率化のシステムを入れていないからですか?
設備の効率が悪いからですか?
仕事の流れが悪いからですか?
・・・・・
 
問題は、、、
 
その後、それを解決する策を考えます。
 
「明らかにこうすれば解決する」という策がパッと浮かべば、それをメモしておきましょう。
 
例えば、「設備を更新すれば時間当たり生産量が15%増えるから、増産できるし残業も減る」
例えば、「人が雇えないのでロボットに配膳させれば、スタッフの過重労働を軽減でき、人件費負担も減る」
 
こういうのはNGです。
「売上が少ないから、ホームページを作れば、売上が上がるはず」
 
なぜNGなのでしょう?
そう。
ホームページを作ったからと言って、確実に売上が上がるとは限りません。
 
こういうのもNG。
「人手不足で困っているので、優秀な人材を雇えば、業務が回るようになる」
 
これはなぜNG?
優秀な人材を雇える方策、思いついてないですよね?
 
「明らかな解決策」が浮かぶまで、考えを巡らせてみましょう。
 
その次に、「それが補助金で何とかできる解決策か?」を検討します。


古い備品に辟易する社長
(AIで生成)


(2)そのために必要な投資とは?

前章の検討の結果、御社で行うべき投資のイメージが見えてきたのではないかと思います。
 
そのイメージは、「解」ではないですが、解を導くための重要なヒントです。
 
「設備を更新して増産し、残業を減らす」
そもそも、受注、ありますか?(ありそうですか?)
どのくらい増産すれば、時間内の生産で対応できますか?
今いる従業員に扱える設備ですか?
 
「ロボットを購入して配膳させる」
WiFi環境など、周辺の環境整備は必要ですか?
安全性が確保できる動線ですか?
ロボットの初期設定は、誰がやりますか?
 
「業務効率化のシステムを入れる」
社内のパソコン等のインフラで導入可能ですか?
今いる従業員に理解させられますか?
従業員はそのシステムを受け入れてくれるでしょうか?
 
こういったイメージを膨らませておくことで、投資案件の規模や課題を事前に把握しておきます。
 
うまくいくかわからない投資に補助金を使っても、未来が明るくなるかわからないですよね?

最新設備の導入を検討する社長
(AIで生成)


(3)成果はどう出そう?

割と大きな企業さんでも、特にITとかDXみたいな投資をする時に見誤ってしまうのが、「費用対効果」です。
 
最近の補助金は、投資がもたらした付加価値の増などを聞いてくるケースがほとんどなので、「費用対効果を数字で出せるか?」という点がとても大事になってきます。
 
つまり
「ロボットを入れるとめっちゃ楽になる」はNG
「ロボットを入れると残業が200時間減る」はOK
という感じですね。
 
また、投資の規模にも大体の当たりを付けておきます。
 
その設備を買うと、生産量が15%上がるとします。
その全てを売ることが可能だとします。
増産分の売上が、年間1,500万円だとします。
その設備が、2億円だとします。
 
買います?
多分買わないですよね?
 
買う設備やシステムが高過ぎたら、売上増や残業減でその投資を回収できません。
 
補助金では、投資した額を何年で回収できるのか、といった事も問われ始めています。
 
投資資金の望ましい回収期間は企業や業種によって様々ですが、「割のいい投資か?」について事前にイメージを持っておくのは大事なことです。
 
補助金がもらえるからといって無茶な投資をすると、後でほぼ間違いなく後悔します。

費用対効果を試算する社長
(AIで試算)

(4)おわりに

今回は、「経営革新のために投資が必要」という前提で、ざっくりとしたイメージを持つ方法と順番をお示ししました。
 
今の時点では、皆さん「どんな補助金に申請するか?」が決まっていないので、ぼんやりしたイメージをメモしておく程度でいいです。
 
「こんな投資ができたら、我が社の問題が解決しそうだな」
 
という思いを胸に、今後、補助金活用のための具体的な準備の記事をご覧ください。
 
皆さんが出会う補助金が、真に御社を前に進め、政策目的にも合致するものであることを、ご祈念申し上げます。
 
次回は「付き合いを大切に」というテーマで、補助金に申請する際の金融機関との関係、公的な支援機関との関係の大切さについて解説していきます。
 
ご覧いただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!