見出し画像

[補助金申請虎の巻07]環境分析(ロカベン)

ども、ならなすおです。
 
このシリーズは、2025年の年明け以降に出てくる、経済産業省系の各種補助金へのエントリーを目指す中小企業さん向けに書いています。
 
今回は、環境分析。
本稿(私)は、環境分析と呼んでいますが、ロカベンでは、「4つの視点」という用語を使っています。
 
企業の経営全般を俯瞰するために、4つの視点で情報を整理していく、という作業です。
 
補助金申請との絡みでは、今回の情報整理はめっちゃ使うやつです。
この手の整理は、中小企業さんがあまりやっていない分野かな、と思いますので、支援機関や銀行、コンサルの出番なのかも知れません。
 
3回にわたり、ローカルベンチマークの解説をしてきましたが、それらをまとめて、弊社「合同会社それがし」が「経営健康診断」というサービスを実施していますので、是非ご活用ください。

 
[合同会社それがし]


[経営健康診断サービス記事]


今回は、最終回なので、lまとめの作業(これもロカベンシートにあります)についても触れます。
 
なお、本稿で示している様式は、経済産業省が示しているローカルベンチマーク用様式「ロカベンシート」の「2022年度版/最新」からの抜粋です。
読者の皆さん、無料でダウンロードできますので、是非見てみてください。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html


それでは、本編、スタートです。



(1)経営者の視点

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


まず、社長の目線で、会社を見て、記載していただきます。
会社の進みたい方向を決めるのは、社長ですよね。
そして、後継者さんいる場合、その人に交代したら経営方針が真逆に変わる、といった状態だと社員さんは困ってしまうでしょう。
 
会社の背骨である経営方針を、しっかり記載しましょう。



(2)事業の視点

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


次に、「事業の視点」ですが、強み、弱み分析や、生産性分析など、このパートについては、「様式の割にやる事がたくさんある」と思ってください。
 
良くコンサルが使う分析フォームに「SWOT分析というのがありますが、ロカベンシートでは、このパートと次のパートで、
S(Strength:強み)
W(Weakness:弱み)
O(Opportunity:機会)
T(Threat:脅威)
に触れます。
 
フォームが変わっても、分析する事項って、大体同じなんですよね。
 
と、言う事で、IT活用や生産性も含め、しっかり分析し、記入していきます。


(3)「企業を取り巻く環境・関係者」の視点

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


このフォームもやる事満載です。
顧客リピート率、新規開拓率やなんかは、本来なら顧客名簿を拝見したいぐらい、重要な事項です。
 
前章の「事業の視点」と本章を合わせた2つのパーツの分析をいかに精緻にやるかが、ロカベンの重要ポイントの一つですね、間違いなく。
 
あ、それと、フォームですけど、記載スペースが限られると思いますが、作ってる最中はそんなこと全く気にしないでください。
「スペースが小さいので必要事項を漏らす」なんて、ナンセンス極まりないです。
 
「経営健康診断」では、コンパクトにまとめたロカベンシート以外に、必要事項を網羅した「調査レポート」を付けますので、ご安心ください。


(4)「内部管理体制」の視点

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


私がメインターゲットとしている中小企業さん(従業員50人以下)では、このパートは「あんまりやってない、、、」という所が多いかも知れません。
 
やってない部分については、正直に「やっていない」と書きます。
 
ただ、この作業が思いっきり「事業計画」ですし、補助金申請準備で「セキュリティ・アクション」をやったり、賃上げについて検討したり、といった項目を記載できるようなります。
 
補助金申請前から、経営にプラスの影響は、得られるんですよね。


(5)まとめ

今回やった「環境分析」の情報のみならず、「財務分析」「業務分析」の情報も合わせ、「現状認識」「将来目標」を書いていきます。
 
この段階では、ぼんやりとしたイメージではなく、具体的な認識と目標が書けるようになっているはずです。
 
そして最後に、御社の「課題」と「対応策」を記載します。
 
「将来目標」に到達するために超えなければならない障壁と、その乗り超え方の記載を持って、ロカベンの作業は終了です。
 
「対応策」に「設備投資」などが入ってくるのであれば、年明けの補助金公募に、具体的な目標を持ってチャレンジできます。


(6)おわりに

3回にわたり解説してきた「ロカベン」。
取り組めば、相当経営課題をクリアにできそうだと感じていただけたなら、嬉しいです。
 
弊社「合同会社それがし」は「経営健康診断」で、全力で御社のロカベン作成をサポートします。
 
 
その結果できる「ロカベンシート」は、できれば補助金申請前に、銀行さんに見せておくといいかも知れません
 
以前の「虎の巻」で触れたように、補助金活用ではほぼ100%銀行さんのお世話になります。
御社の「将来目標」「課題」「対応策」が具体的に検討されたシートを見れば、きっと銀行さんは、御社のチャレンジを前向きに応援してくれるのではないかと思います。
 
ロカベンシリーズ、お付き合いいただき、ありがとうございました。
 
最後になりましたが、繰り返しになりますが、これだけはご承知おきください。
コンサルは、調査や分析、整理はいくらでもお助けできます。
しかし、会社をどう良くしていきたいか、という根幹部分の「意志決定」については、与えられた情報を元に、つまりロカベンを元に、社長が行わなければならない仕事です。
 
そこをはき違え、会社の命運をコンサルに丸投げするのは、絶対にやめましょう
 
次回の虎の巻は、補助金申請の際に指標として使われる「付加価値」という考え方について、触れていきたいと思います。
 
ご覧いただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!