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インボイス豆知識「少額特例」

ども、ならなすおです。

今回は、中小企業さん、事業者さん向けの記事です。
めんどくさい、「インボイス」(消費税の納税関連の決まり事)の豆知識「少額特例」を雑記します。

既に何度か言いましたが、私は税理士でも税務署職員でもなく、しがない一介の中小企業診断士ですので、税制に関する解説をする立場にありません
ゆえに本記事は、「いち中小企業経営者のひとりごと」という扱いでご覧ください。
「薬屋のひとりごと」ではないので皆さん興味ないかも知れませんが、お付き合いいただければ幸いです。
税制の詳しい話は、税理士さんとか公認会計士さんに聞いてください

「少額特例」に関する国税庁の公式サイトは下記です。

ところで最近、中小企業さん向けの投稿がご無沙汰になっていたので、「ならなすお、コンサルやめるってよ」という噂が、渚までかけ巡っているのではないかと危惧しています。

私、プロフィールに書いている「中小企業さんのお役に立つ仕事がしたいです」っての、多分死ぬまで変わらないので、しばらく投稿なくても、受注が少なくても、やめないです。
中小企業の経営者さん、マネジメントさんで、本フィードをご覧になっている方がもしいらっしゃったら、引き続きご覧いただけると嬉しいです。

最近導入に字数を使いすぎて申し訳ない限りです。
ジョルノ・ジョバァーナに怒られそうなやつです。

ってことで、さっさと本編、スタートです。

(1)インボイス制度のおさらい

①こんな制度

インボイス制度とは、10%とか8%とかいろいろあって面倒くさい、取引に係る消費税額をわかりやすく請求書に記載し、国に納める税額を明確にする制度です。

私たちが普段買物とか食事をして払っている消費税は、そのお店が、私たちに代わって、消費税法という法律に則って国に納めています。

お店(事業者)では、消費税を、預かったり、払ったりします。

A. 事業者が何かを売る時
消費税込みで支払を受けるので、「消費税を預かって」います。
この時預かった消費税を「売上税額」と言います。

B. 事業者が何かを買う時
支払額に消費税が含まれるので、「消費税を払って」います。
この時支払った消費税を「仕入税額」と言います。

すごくざっくり言うと、事業者さんは、確定申告をする時に、一年分の売上税額と仕入税額を計算して、その差額を納税しています。

[消費税の納税額の計算]
納税額 = 売上税額 - 仕入税額

んで、仕入税額を計算する際に、「適格請求書」(インボイス)というカチッとした請求書をもらっときましょう、というのが、「インボイス制度」です。

②こんな波紋を呼んでいる

消費税法では、「前々年の課税売上高(消費税がかかっている売上の税抜額)が1,000万円以下の事業者は、消費税を納税しなくていい」となっています。
この、消費税納税を免除された事業者を「免税事業者」といいます。

しかし、インボイス制度が始まると、免税事業者に困った事態が起こりました。

免税事業者は、「適格請求書」を発行できません。

で、買ってくれてた事業者からすると、「免税事業者から仕入れると、仕入税額にカウントできないじゃーん」となり、「じゃ、仕入先変えよっと」ということになりかねません。
免税事業者からすると、まずい事態です。

ところで、事業者は、売上が少なくても、自主的に届出をすれば、「課税事業者」(消費税を納める事業者)になることができます。
この届出を出して、「適格請求書」を発行できるようになれば、取引先との関係は保てます。
でも、これまで免除されていた消費税を納めないといけなくなり、経営的にかなり痛いです。

これが、インボイス制度が波紋を読んでいる主要論点の一つです。
波紋」とか言われると、ジョースター家(「ジョジョの奇妙な冒険」参照)の話をしたくてたまらなくなってきますが、ぐっとこらえ、少額特例の説明に入ります。

関係ないけどバイシクルシュート
(AIにて生成)

(2)少額特例とは?

インボイス制度が、免税事業者にとって、「うっそーん」とか「やっべ」という制度であることを説明してきましたが、その激変を緩和するためにいくつかの特例措置があります。
その一つが、今回お話しする「少額特例」です。

①こんな制度

「少額特例制度」は、前々年の課税売上高が1億円以下だったりする比較的規模の小さい事業者が、税込1万円未満の少額の仕入(買物とか接待とかも含む)をする場合に、「適格請求書じゃなくても、相手方とか、日付とか、内容とかが書いていれば、仕入税額にカウントしていいですよ」という制度です。

ちなみに、私の会社は、売上が300万円くらいです。
1億円/年 売り上げるようになるのは、多分かなり先です。
そういう会社が、免税事業者(同じく規模の小さい事業者さん)から1万円未満の買い物(レシートとか領収書をもらうような買い物)をした金額が、仕入税額にカウントできるわけです。

今までお世話になっていた近所の業者さんからの買い物を、彼らが免税事業者だったとしても、引き続き行えるわけです。
「インボイス発行できます?」とか堅いことを言わずに。

割とありがたい特例です。

この特例、令和11年9月30日まで適用されるそうです。

②こんな事業者が使えます

この特例が使えるのは、下記の事業者です。
・前々年の課税売上高が1億円以下
・前年の最初の半年の課税売上高が5,000万円以下

買物(仕入)をする側の事業者が使う特例で、免税事業者向けの優遇措置ではないので注意が必要です。

「なじみの事業者から少額の買物をする際に、インボイス云々の話をしなくていい」という、現在の商売をちょっとだけ円滑にできるような制度です。


関係ないけど試合中によそ見をすると危ない
(AIにて生成)

(3)少額特例があんまり関係ないケース

以下の事業者さんは、「少額特例」を使ったり気にしたりする必要がないです。

①売上がでかい

課税売上高が1億円を超えているような事業者さんは対象外です。


②「2割特例」を使っている

「少額特例」とは別に、インボイス制度の開始を受けて、免税事業者から課税事業者に変わった事業者さん向けに、「消費税の納税額を、一律で売上税額の2割にします」という特例(2割特例)があります。
これを使う事業者さんは、そもそも仕入税額の計算を厳密にする必要がないので、少額特例を気にする必要がありません。

[2割特例特設サイト(国税庁)]


③「簡易課税制度」を使っている

前々年の課税売上高が5,000万円以下の事業者については、売上税額に「みなし仕入率」(業種によって率が異なります)というのをかけて納税消費税額を簡易に計算する「簡易課税制度」というのが使えます。
これを使っている事業者さんも、仕入税額を厳密に計算しなくていいので、少額特例を気にする必要がないです。

[簡易課税制度の説明サイト(国税庁)]


(4)終わりのことば

税って、難しいっすね。

ちなみに弊社は消費税課税事業者で、インボイス発行事業者です。
クライアントのほとんどがインボイスを求める業種ですので。
一件当たりの額も比較的大きいですし。

んで、2割特例も簡易課税制度も使わない(税理士さんに呆れられた)ので、少額特例を使えるレシートはガシガシ集めてます。

個人的な見解ですが、税制改正については特に私から申し上げることはなく、国や地方公共団体のフトコロ事情に応じてやっていただければいいと思いますが、「制度が難しいから起業しない」という人が増えるのだけは避けてほしいな、と思います。

「手続や制度が難しいからチャレンジしたくなくなる」
って、おかしいし、残念なことだと思いません?

「いやいや、起業するんだったらそのぐらい勉強しないと、、、」

「いやいや、起業家の強みって、煩雑な手続を覚える能力じゃないし、、、」

これ以上は言わないですし、論争する気もないです。
コメントも不要です。

ただ、「チャレンジしやすい国だといいな」とは思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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