[温泉]不老泉(大分県別府市)
ども、ならなすおです。
ひっさびさの「寄り道メモ」です。
今回は、「温泉施設の集会場でビジネス系のセミナーをやってしまおう」という大分県ならではの試みに参加するため、別府市の「不老泉」という施設に行ってきました。
仕掛け人は、九州では有名な起業支援家の中原健さん(Gx Partners)と、私の尊敬する経営コンサルタント 宮井智史さん(Alliance Social Share Office Beppu)。
[Gx Partners]
[Alliance Social Share Office Beppu]
何と、温泉入浴無料券付きの無料セミナー!
こんなのは、大分県にしかないと思います。
多分宮井さんにしか企画できないやつかな、と思いきや、IT界隈では、「別府で会議して、夜飲んで、温泉に入る」的なイベントが前から結構ありました。
別府は、数年前から、「都市圏から仕事をもらっている」というフリーランスさんの移住が盛んになってきています。
おんなじ仕事をするんなら、のんびりとした雰囲気、きれいな景色、美味しい食べ物、そして温泉などのリラクゼーションが付いてくる場所の方が、満足度は高いのではないでしょうか。
今回は、そんな「Natural Born Rich」な温泉都市、別府に寄り道します。
本編、スタートです!
(1)10分ちょいの列車の旅
私のオフィスは、JR大分駅から徒歩5分。
その日は日曜でしたが、オフィスに寄って少し仕事をし、その後列車で別府に向かいました。
JR大分駅は、鉄道における大分県の玄関口。
福岡の小倉方面からの電車に県外からのお客さんが多く乗ってこられます。
大分駅前にはなぜかニワトリがいて(理由はマジで不明)、改札近くのトイレには暖簾がかけられています。
今回訪問する別府だけでなく、湯布院温泉、長湯温泉などの著名温泉地を抱え、「おんせん県」を名乗っている大分県。
入った瞬間から大分県を感じていただきたいという配慮の暖簾でしょうね。
大分市と別府市は隣り合っていて、鈍行列車で10分ちょっとです。
大分 → 西大分 → 東別府 → 別府の順で停車します。
道すがら、別府湾の美しい景色を楽しんでいると、あっという間に別府に到着です。
別府駅を出ると、まず「手湯」というのがあります。
のっけから温泉です。
別府湾に抜けるメインストリートを少し下ると、「駅前高等温泉」という有名な温泉施設があり、他にも町のいたるところに「温泉」「源泉かけ流し」などの文字。
今回の目的地である「不老泉」は、市営の温泉施設。
駅からものの5分で到着しました。
施設内に「キャバレー」がある旨をアピールしてくるユニークな外観の不老泉。
すごく余談ですが、踊ったりする余興中心の「キャバレー」と、落ち着いて接客する「クラブ」を組み合わせて安価なサービスに仕立てたのが「キャバクラ」らしいですね。
「キャバクラ」は1985年の流行語大賞候補。
若い人は、知らないかな。
では、早速温泉を楽しませていただきます。
(2)入浴
入浴のパートは、申し訳ないですが、撮影禁止なので、画像がないです。
さて、「不老泉」の施設に入り、まずはセミナーのスタッフさんに入浴無料券をもらって温泉へ。
ちなみに不老泉、ちゃんとお金を払って入浴するときの料金は、250円です。
コロナ以降、温浴施設は、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ等を共用するところが減り、受付で購入する方式に変わりました。
私の大分市での行きつけの温泉(スーパー銭湯ですが、お湯は温泉)は「アサヒ温泉」というんですが、そこもそういう方式に変わったので、家族で行くとき、人数分の洗面器、シャンプー、コンディショナー、石鹸と各自のフェイスウォッシュを持参するようにしています。
不老泉もその方式だったのですが、列車の旅という事もあり、大荷物になるのが嫌だったので、今回は、リンスインシャンプーとボディソープを受付で購入することにしました。
ご近所の小さな温泉には、スーパー銭湯とは勝手が違う「ローカルルール」が多く存在します。
あらかじめ、色んなルールに適応する心の準備をしておかなければなりません。
さて、浴室へGO。
まず、ないものを発見。
シャワー。
むむむ。
ここには、お湯の出る洗い場、シャワーがないようです。
サイドに蛇口はあるのですが、「水道水」と書いていました。
何のことはない。
浴槽のお湯を洗面器で汲んで、それで体や髪を洗う、という方式のようです。
なるほど。
合理的。
温泉には、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれている分、それを通す管がすぐに劣化してしまいます。
温泉施設の管メンテナンスコストは、かなりの額に及びます。
それを、「管を減らす」という最も合理的な方法で避けている。
だからこその250円。
多分。
お湯は、「源泉かけ流し」特有の「柔らかさ」を備えていました。
皮膚が弱い私は、塩素などの消毒が入っている水は、「痛い」というか「とげとげしている」感覚を覚えます。
源泉かけ流しの温泉には、消毒が入っていないので、そのとげとげしさがなく、当たりが柔らかいのだと思います。
この「柔らかさ」が、私が温泉を大好きな理由です。
いつまででも入っていられる快適さがあります。
ただ、不老泉、「あつ湯」(湯温の高いエリア)と「ぬる湯」(湯温の低いエリア)があったんですが、熱いのが苦手な私には、「ぬる湯」でも十分熱かったです。
のぼせないように注意が必要ですね。
泉室は「単純温泉」。
とても潔いです。
効能って、温泉施設の生命線なので、みなさん盛って書かれる事が多いですが、「単純温泉」は「単純温泉」なんでしょうね。
でもここ、盛って書いている施設の温泉より効能はありそうです。
入浴されてる他のお客さんは、高齢な方が多かったですが、皆さん血色がよく、「不老」を得ていらっしゃるのかな、という印象を受けました。
毎日温泉に入れる贅沢というのは、中々得られるもんじゃないです。
心身の健康に、とてもプラスなのでしょう。
別府では、温泉施設が近くて安いばかりでなく、自宅に温泉が引けるそう。
別格ですね。
(3)休憩・セミナー・交流会
温泉を出て、小一時間このブログを書いたりしていると、セミナーが始まりました。
今回のセミナーでは、VC(Venture Capital:業歴の短い企業に投資する投資家)である中原さんが、大分の起業家、学生向けに、「VCはこんな企業に投資します。」というお話をしてくれました。
中原さんは、もともと日本政策金融公庫の国民生活事業(昔は「こっきん」と言っていました)出身の方。
起業家向けの融資制度の運営からキャリアを初め、起業家への応援の仕組みをどんどん作ってやっているうちにVCになっちゃった、という、生粋の起業支援家です。
宮井さんとウマが合うのも、よくわかります。
投資と融資の違い、投資時の企業価値算定(バリューエーション)の仕組みなど、初めて聞く方にもわかりやすいように説明されていました。
私はですね、個人的には、温泉でくつろぎ過ぎたので、少し眠かったかなー💦
やはり順番としては、
セミナー → 温泉 → 交流会 の方が嬉しい。
それか、温泉入った後、仮眠が取れる工夫があったら、最高です。
欲張り過ぎ、、、
1時間半のセミナーが終わり、宮井さん企画の定番である「交流会」へ。
近所の居酒屋でワイワイやりながら、参加者が互いを知る時間です。
「ロータリークラブ」や「中小企業家同友会」のような割とかっちりした企業の交流も大事ですが、これから名前を売っていこうとする起業家さんは、宮井さんのような地域のキーマンが主催するセミナーのちょっとした交流会から、いろんな人と知り合っていくのがいいですね。
今日の参加者は、主に若い経営者と、大学生。
私は多分最年長だったかも(49歳)。
別府には、立命館大学が留学生を多く受け入れているサテライト「APU:Asia Pacific University」があり、この手のセミナーにAPUの学生さんがちょいちょい参加されます。
何人かは、宮井さんの支援を受けて起業します。
全国から集まるユニークなフリーランスさんや、起業マインド溢れるAPUの学生さんが、古い温泉施設をこれから盛り上げてくれそうな期待感が満載の別府です。
交流会の画像がなく、申し訳ありません。
話に夢中になり過ぎて、ブログの素材を撮るのを忘れてしまいました。
(4)おわりに
高度経済成長期、別府には、「社員旅行」の大型バスが溢れていました。
コンパニオンさんを入れるような大宴会をし、その後歓楽街に流れ(まさに流川通り、という名のストリートがそれでした)、朝温泉に入る、という楽しみ方が定番。
その観光形態が現在ではほぼなくなり、ご夫婦、グループといった小さな単位の旅行や、海外からのお客さんが増えてきています。
新しい客層に、新しいサービスを売っていかなければならない別府。
ただ、別府の売りが「温泉」や「美しいオーシャンビュー」「豊富な海産物」「竹細工に代表されるアート」であることは、昔から変わりません。
提案できる楽しみ方は、無数にある。
それを宮井さん周辺の起業家たちが、次々に形にしているようです。
隣町で素敵な取組をしている方々とお話しして、大いに刺激を受けた週末でした。
そして不老泉で15分ぐらい若返りました。
毎日入りたい!
今回も、ご覧いただき、ありがとうございました。