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[補助金申請虎の巻06]業務分析(ロカベン)

ども、ならなすおです。
 
このシリーズは、2025年の年明け以降に出てくる、経済産業省系の各種補助金へのエントリーを目指す中小企業さん向けに書いています。
 
今回は、補助金申請作業の前にやっておいた方がいい簡易経営診断「ローカルベンチマーク」の解説第2回「業務分析」です。
 
今回を含めて計3回、ローカルベンチマークの解説をしていますが、それらをまとめて、弊社「合同会社それがし」が「経営健康診断」というサービスを実施していますので、是非ご活用ください。

 
[合同会社それがし]


[経営健康診断サービス記事]


さて、「業務分析」。
今まで、いろいろな中小企業さんに「経営診断」という形で入らせていただいて、この業務分析という作業を喜んでやる企業さんは、あまりなかったです。
 
なぜかというと、「自社の話だし、十分知っているから」。
「そんなことに社員を巻き込んで時間を使うのはもったいない」。
という事なんじゃないかと思います。
 
一部おっしゃる通りで、ローカルベンチマークの作業というのは、「自社の状況を見える化する」という作業で、御社が既にご存じの内容が当然たくさん含まれているんです。
 
何故再度、そんな「見える化」なんていう作業をしないといけないのか?
 
目的は2つ。
・自社の課題を整理し、チャレンジの方向性を見定める
・チャレンジを支える関係者に、自社の状況を知らせる
 
今回の「業務分析」は、中小企業さんが一番やりたがらないテーマですが、やってみると「目からウロコ」な気づきがあるテーマでもあります。
 
是非本稿を参考にしていただき、やってみてください。
 
なお、本稿で示している様式は、経済産業省が示しているローカルベンチマーク用様式「ロカベンシート」の「2022年度版/最新」からの抜粋です。
読者の皆さん、無料でダウンロードできますので、是非見てみてください。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html

それでは、本編、スタートです。



(1)業務フロー

自社の、営業から納品までの業務の流れを「業務フロー図」として整理していきます。
下のような様式です。

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


製造業さんを例にとると、以下のような業務の流れが想定されます。
 
A.提案・受注

B.試作
 ↓
C.仕入
 ↓
D.製造
 ↓
E.検品・納品
 
それぞれに、特徴的な実施内容や、差別化のポイントを記載していきます。
 
例えば営業・提案
ルート営業から関連商品のニーズを見つけるのがうまいんでしょうか?
飛び込みで新規を取ってくるスキルに長けた営業マンさんがいるんでしょうか?
インターネット経由の受注がありますか?
 
例えば試作
差別化ポイントは、仕事の速さですか?
試作価格の安さですか?
デザインですか?
 
例えば製造
差別化ポイントは、他社にない設備ですか?
低い不良率ですか?
小ロット製造への対応ですか?
 
私の想定している中小企業さんは従業員50人未満ですが、例えば40人ぐらいの会社だと、部署もきっちり分かれていて、それぞれの仕事が忙しいので、業務フロー作成に協力することが難しくなってきたりします。
 
「何でそんな当たり前の事答えなくちゃなんないの?」
「時間、もったいないし」
となります。
 
だから、企業さんでこれに取り組むときは、「補助金を取る準備だから、しっかりやらないといけないの!」など、「動機付け」が必要になる訳ですね。
 
この作業は、やったら、絶対に気づきがあります。
「時間のムダだったー」とは、ならないです。
 
そして、
どこを伸ばせばいいか?
どこを改善すればいいか?
どこに投資すればいいか?
のヒントに溢れた資料が出来上がります。


(2)商流

業務フロー図が内部業務の分析だったのに対して、商流は、仕入、販売などの取引業者さんとの関係を明らかにしていきます。

①仕入関連

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


どこから何を仕入れているのか?
なぜその業者さんを選定したのか?
その取引先の競争力はどうなのか?
 
といった事を整理・記入していきます。
 
部品の仕入先さんの技術がすごくて、そこが弊社の強みになるのであれば、戦略の柱になり得るでしょう。
昔からの付き合いで契約を解除できない仕入先さんの納品量が要求より少ないのであれば、それは御社経営にとってボトルネック(停滞せざるを得ないポイント)になってしまっているかも知れません。


②販売関連

経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベン)シート(2022年度版/最新のもの)」より抜粋


・どの得意先に販売しているのか?
・いくらぐらいの手数料を取られているのか?
・エンドユーザーにはいくらで売られているのか?
・梱包、広報等はどこが主導しているのか?
 
といった情報を記載していきます。
 
得意先経由で販売する商品の場合、売れ行きの鍵を握っているのは得意先だと思うので、自社で販売促進戦略をたててもあまり意味がないでしょう。
得意先が「足りないからバンバン作って」と言ってきている場合には、その製品が売れ続けている期間に設備投資額を回収できるのなら、投資のチャンスなのかも知れません。


(3)おわりに

業務分析、少しでも「経営に役立ちそうだな」と思っていただけたなら幸いです。
 
ロカベンシートは、3種のシートで1セットなので、すべての情報を組み慌て経営判断していきます。
 
次回の「環境分析」で、ビジネスチャンスが来ているからと言って、業務分析上のボトルネックが解消しづらい場合は、そこを先に解決しないといけません。
 
「やるべき!」が「やれる!」に変わるのかどうか?
全てのシートが、判断材料になります。
 
次回は「環境分析」と、まとめです。
 
今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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