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【L2開発】冥界

神話設定シリーズ最終回。長くかかったなぁ。マップごとの解説とか実際の制作作業の話になかなかたどり着かない。でもやりきったぞ。メキシコやケルトの神話も調べたけども、敵キャラの選別ぐらいにしか使ってないのでパス。

さて冥界ということですが、どの神話でも民族でも「死後の世界」という概念が出てきます。これは多分、人間が死という避けられない恐怖から少しでも楽な気分になるよう、死んでも世界や魂は続く、生き返る方法がある(エジプト)、死んだ後は楽園(北欧神話やイスラム)などなど、知恵を持った生き物として国や文化を問わず考えついちゃうことなんでしょう。

ムー別冊など読んでワクワクしていた小学生の頃に、世界の神話で共通する洪水伝承などに興味を持ったと同時に、この神話ごとの死後の世界に関する共通点にも興味を持ちまして。特にギリシャ神話の冥界下りと日本の冥界下りの類似性には疑問でいっぱい。冥界から帰る途中で振り向いたら奥さんの魂はパーになるとか、こんなところまで偶然で似ますかね?偶然でないとしたら一体どういうことなのか?LA-MULANAの設定の元になる子供時代からの疑問ですね。前作で文明ごとの共通点どころか、力技で「全部ルーツが一緒!」をやっちまっているので、続く今作ではもう一つの疑問である「神話に似たことがあるのもルーツが一緒!」をやっちまうしかない。そのためには各種族のエリアとは独立して「冥界」を作る必要があったのだ。

各神話から冥界の話をリストアップ

冥界の話をひとまとめにしようと思いついたのは、世界樹にヘルヘイムという場所があるから。そこに各時代の冥界神が集まっているということにすれば各神話の冥界ネタを総動員して謎解きだらけのフィールドにできるぞ。
何かしらのイベントで冥界にく目的を示され、様々な場所を巡って冥界にゆかりのある神様を訪ねて冥界にたどり着き、物語の真相が少しずつわかるように。実質謎解き面でのラストダンジョンになるといいなぁ。なんせ前作の謎解き総集編は産声の碑で、あれはとにかく使えるアイテムを全部使わせちゃれという力技だったからなぁ。今度はしっかりと、LA-MULANAといえば謎解きだと言わんばかりの、謎解き総決算のつもりで作ったものを見せたい!

と、意気込みがあるのは良い。しかし完成形になるまではものすごく時間がかかった記憶があるなぁ。LA-MULANAは謎解きがスゲースゲーと言われはするが、思いつきで作っていたオリジナル版に引きずられたままのリメイク版ではいうほど考え抜いて謎解きを考えていないんだなー。果たして本当に俺は「すべての謎が見事に結びつく謎解き総決算」なんて作れるのか?

たくさん集めた冥界逸話を絡めたいのを抑え、私が作っているのはゲーム。神話優先ではなくゲームとしての仕掛けとして考えるのが先。にしてもゼロからは何も思いつかん。何か1つ、芯になる逸話を1つ選ぼうか。

冥界逸話リスト

イナンナの冥界下り
シュメール神話から。理由は定かではないものの、何か用があって冥界の主の姉エレシュキガルを訪ねてみよう!というお話。しかし玉座にたどり着くには7つの門を通らなければならないそうな。門にはネティという門番がいて門を通るたびに身につけているものをひっぺがされるそうな。
すっぽんぽんにされて姉の元にたどり着くと、「生きたまま冥界に来るとは何事か!」と怒られて追い返されるというお話。
くぐらなければならない7つの門、身につけているものを取られる。これはなかなか使えそうなネタ。ネティを女にしたのは、主人公が女なので男がひっぺがすのはまずいかなと思って。

イザナギとイザナミ
死んだ妻のイザナミに会いたくてイザナギは黄泉の国に行きました。何かして奥さんの魂を連れて帰る権利をいただきました。ただし条件は「出口まで振り返ってはならない」というもの。並み居る邪魔をはねのけて出口付近まで来た時に気を抜いてしまい、「出口やで!」と振り返って奥さんを見ると腐ってました。奥さんは「おのぉ〜れぇ〜、見ぃたなぁあ〜」と追いかけてきたので怖くなって逃げました。えーい、汚らわしいと出口に蓋して水浴びしたらなんか新しい神様が生まれたりした。
冥界の中では仕掛けに使えなかったので天岩戸で採用。イザナミが謎解きに絡めなかったけど。

オルペウスの冥界下り
子供ながらに日本神話に似た話があって不思議だった逸話。
オルペウスさんは死んだ奥さんに会いたくて冥界に行きました。川守が「渡さねぇ。」とかいうもんで得意の竪琴をひいたら渡してくれました。見事ハデスから奥さんの魂を連れて帰って良い権利をもらいましたが、条件は「振り向くな振り向くな」。でもやっぱり振り返ってしまって奥さんは医師になりましたとさ。
石の奥さんですって。石といえば通せんぼだよな!ENGA MuSICAを使わせるというネタは、前作の地獄聖堂の「音を鳴らせ」という謎解きでENGA MuSICAを使う配信者がポツポツいたので、そりゃ面白い発想だということで私自ら使ってやろうと。

アヂスキタカヒコネ
これは冥界を調べたというより、バッカーの「謎解きを考えられる権利」がらみ。送られてきたアイディはドッペルゲンガーネタで、解法は回復妖精か武器妖精を連れていって先に相手の体力を削りきるというもの。解法内で必ずダメージを受けてしまうのが引っかかったのと、雷を溜め込んで使えるという2独特のギミックがあったので解法は変えちゃったけど。
ドッペルゲンガーをどこの神話にねじ込もうかなと調べていると、日本神話のアヂスキタカヒコネの話はドッペルゲンガーではないかという説を発見。だから採用。

アヌビスとオシリス
死ぬことに関しては右に出るもののいないエジプト神話。冥界真であるオシリスは身内に殺されてバラバラにされてナイル川に捨てられました。妹とかが頑張ってパーツ拾ってきて包帯でぐるぐる巻きにして元に戻しました。せっかくなのでオシリスは冥界神になりましたとさ。
前作でルームガーダーとして使ってしまったアヌビスはオシリスの部下だそうで。前作の敵をNPCとして出したいっていうバフォメットが浮いていたので、もう一人ぐらいそういう人が欲しいなということで問題提出係になってもらいました。3つの謎解きはduplexさんではなく俺。死者の書を元にした謎解きにしようということで調べたが、まーそれらしく使えそうなのがなくて。前作のトカゲの光みたいな雰囲気のあるものにしたかったんですがね。
見たことある部屋の作りは前作があることの醍醐味。

ハデスとかエレシュキガルとか
調べはしたけど特に謎解きに使えそうなネタを持っていない人たち。
しかしまぁ、エレシュキガルはイナンナと絡みがあるし、各世代の冥界神が全員いるってのは面白そう。マヤはアホのローカパーラだったのでこっちには配置しなかった。

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