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【L2開発】LA-MULANAをよく考えた

LA-MULANAがどんなゲームかと言われれば、考古学探検をメインとした探索ゲームだ。そして俺がこれに気づいたのはリメイク版販売後だ。 

自分としてはリメイク版はオリジナル版からMSX成分を無くして作り直したものだ。で、オリジナル版はというと面白いのにすぐ終わってしまった昔のゲームを容量気にせずたっぷり遊べるものにしたかったってのが一番の動機だ。考古学要素なんてこれっぽっちも考えてない。せいぜい世界観の元になる程度の考えだったわけだ。
LA-MULANA2を作るのに、これじゃあいかん。もう一度LA-MULANAというゲームの肝は何かをじっくり考えなければ。

遊んだ人に気づかされるの巻

この本来ならゲームを作る前に決めとかなきゃならないような重要事項を思いつくに至ったのは、数多くの実況動画である。人が遊んで感想を聞いて初めて意識できたわけだ。

一番印象的だったのが女神の塔にあった心の天秤である。あれはLA-MULANAの中でも遺跡全体から謎をかき集めなければならない大物謎解きだ。当然、それに答えるには最強の報酬を用意しておかなければならない。だから成果物は鉄球ムチにしていたわけだ。
しかし誰の実況だったか、この謎解きをクリアした直後に「やったぁ!……でも武器かぁ。」とのたまった。なんだ?何が不服か?鉄球ムチやぞ?ゴッグでもなければ受け止められないぞ?

ここで気づいたわけだ。「プレーヤーにとっては謎が解けることが最大の報酬らしい」と。もっといえば「先に進めるようになる」ことだな。なるほど、謎解きがメインとはいえ探索ゲームだ。先に進めるようになることが重要なのはもっともだ。じゃあこのぐらいの大型謎解きでアイテム報酬なしだとみんなどんな顔するだろう?から考えたのが2のブラフマーの試練だ。ブラフマーの試練については語りたいことがたくさんあるのでいずれ個別に書くことにしよう。

謎解きがメイン

だってさ。こんなゲームのキモになる部分を考えてなかったにもかかわらず評価を得られたのが不思議だ。そこはそれ、アクションゲームとしての出来であったり世界観やストーリーを感じさせられるだけのマップづくりができてたってことで納得しよう。当然これらは作れば勝手にLA-MULANA2にも盛り込まれるだろうからほっとく。

自分のゲームづくりの考え方として、「システムや遊びのキモを考えたのなら、ゲーム全体でそれらを駆使し尽くさなければならない」というのがある。よく例えに出すのがメタルギアソリッドだ。メニューがありつつもLボタンでも簡易タイプが呼び出しできるアイテムメニューだ。あれはあの時代でたくさんの武器をメニュー画面を開かずに切り替えられる発明なのだが、ストーリー終盤でプレイヤーが気づかないうちに勝手にアイテムを増やされることがある。捕まった直後の発信機やレーションを食われたりするアレだ。さらに形状記憶合金カードキーなんてものがあって熱したり冷やしたりで形状を変える重要アイテムがある。溶鉱炉のあるマップにしばらく滞在してアイテムの形状が変わるのを確認して鍵を開けに行ったりするのだ。しかしこれが実は敵側の罠だったりする。

こんな感じで、アイテムを見る・選ぶという基本の仕組みは当然として、警告もなく勝手に増えるという盲点を着く、アイテムを駆使すること自体がストーリー上の罠だとかさ。1つの要素に対してもこれだけ手を替え品を替え新しい驚きを提供しているのがすごい。
だからLA-MULANA2の謎解きにもこれぐらい深く練り込まれた驚きを入れたい。

仕掛けは組み合わせの要素から

ゲームを面白くするコツというか、LA-MULANAのように長く遊ぶゲームでプレーヤーを驚かせる、何度も心境に変化を与えるにはわかりやすい方法論がある。あるというか俺が勝手に思い込んでる。それは「複数の要素を組み合わせを変えながら段階的に増やして行く」ってことだ。
説明すると、最初のうちはオモリ台やスイッチなんかですぐ開く宝箱ばかりにする。その中に少しひねったもの、壁を壊すとスイッチがあるなどの要素を組み合わせたものも用意する。そこから先も直接操作できないスイッチ、複数のヒントから考えなければ解けない謎解き、それまで使っていないようなシステムを思いつかなければ解けない謎などという具合で謎解きに必要な要素をどんどん組み合わせていくわけだ。

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