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LA-MULANA2音楽詳細

この記事は無料記事「LA-MULANA2の音楽について」の続き記事です。

では1曲ごとの解説をやっていこうかな。有料か無料か迷ったが曲名やフィールド名などもネタバレみたいなもんだし、こういう内容は大体クリア後に読むものだろうということで有料側にしておきました。

長いけど全曲分1記事に収めようと思うんで前振り短めにして、早速順に解説していきますが、サントラの曲順ではありません。製作時のあれこれを交えて書くのでおおよその作曲順で解説していきます。おおよそというのは正確には記録してないからです。後日大幅修正なんてパターンもあるからね。データが残っていれば初期バージョンなども載せていきます。SoundCloudの埋め込みなんかもあるのですごく長い記事になります。

Live in the Moment(エンディング)

制作自体はだいぶ後だけども、前作を作っている時から頭の中で完成していた曲。ただ間奏部分はデモ演出に合わせて長くした。なんとなく歌物っぽいメロディと構成。曲調というかアレンジはほぼ前作のエンディングと似た構成。
いいんだよ、エンディング曲なんて1回しか聴かれないんだから。

Beginning of the End ~ In Yggdrasil(世界樹の根)

データ制作が最も早い最初のフィールドの曲なので真っ先に作らなければならない。ということは「LA-MULANA2の音楽はこうだ!」という答えが定まっていないときに作らなければならない。だもんで結構苦戦している。いくつもバージョン違いがある。

初期バージョン
これより前のバージョンもあるがサビが思いつかずに制作ストップしている。Aメロ前のイントロがいかにもゲームくさい。あとバックのブラスがちっともイメージ通りに出来てない。特に何がダメというほどではないんだけども、何か盛り上がりに欠けるというか、何か足りない。
NIGOROのSoundCloudにはこれのもう少し後のバージョンもアップしてある。こっちはリズムに凝りすぎて流れが悪い。逆にBメロは初期の頃から全く変わっていない。しっくりこないのはAメロだった。
しっくりこないけど新しく作り直すという判断には至らず、最終的にはコード進行をできるだけアガって行くように、メロディやバックに小細工的な複雑フレーズを足したりで完成としている。
初回限定の大イントロ曲に当たるBeginning of the Endは大学時代に歌モノとして作った曲の間奏部分を流用。こっちは1発完成。

ちなみに苦戦したくせにサミエルさんに依頼して作ってもらうという判断はしていない。というのも「前作のイメージは意識しない」の発展形で、「前作の担当とは真逆にする」というのがあって。前作最初のフィールド導きの門の曲はサミエルさんがやったので、今回の出だしのフィールドは俺が作る。これだけで出鼻から「今回は前回とは曲調が違うぞ」と印象付けられるんじゃねーかなーと。

あと、どうしてもこの曲のイントロだけは必ずコレを使うと制限を課したのも苦戦した理由かな。このイントロをオープニングと救出で使うってことだけは先に頭にあってね。固執したのだ。

Giant's Monument(霜の巨人殿)

なんとびっくり中学時代の曲の再利用。と言ってもAメロとサビ部分のメロディしか思いついてないもの。コードや伴奏、Bメロやイントロは今回新しく作ったもの。
中学の頃の曲といっても作曲と言える代物ではない。頭に浮かんだフレーズがずーーーーーーーっと消えなかっただけ。だからAメロとサビがほとんど同じフレーズ。サビがLA-MULANAの曲としては異様に短い。こう、特に名曲というわけでもなく、ただ頭から消えてくれないというフレーズは曲として仕上げて供養してやれば頭から去ってくれるのだ。Bメロ部分を上手く作れたことで曲としてよく出来たレベルにまで到達できたと思ってる。

アレンジ参考は自分の大好きなThe ALFEEのNervous Breakdownという曲。リズムの主体がアコギのジャカジャカとタッタカタッタカいってる打楽器。
あまり雪とか氷とかイメージしてない。前作の巨人墓場とは違うアプローチにしたいという程度で。一応、第2の子文明の1つアンデス文明系の曲というかフレーズは気にかけた。

Shake the Prophecy(妖精界)

初期バージョン
SoundCloudに最初期のバージョンがアップしてあるが、すでにほぼ完成形。メンバー内でも「これが今回の、LA-MULANA2の音だと思う」と評価を受けたので、以後この曲をすべての基準とする。
「ギターのフレーズは曲ごとに変えちゃうぞ!」の意気込みが高い頃の、ハードロックぽいギターリフに妖精界のモチーフイメージである東南アジアを表すためのケチャを融合している。この目論見がビシっと決まってしまったのでメロディはもう、自然に思い浮かんで完成に至る。

Dragon of Embraces(ファフニール)

できる出来ないと別として、イベント出展やアルファ版を公開するには最初のフィールドとガーディアンの曲は必要。ということでサササッと作った曲。このころで大体2016年末あたりか。
最初のガーディアンの曲というのはLA-MULANAではとっても重要で。この曲で作られたイントロ部分が全ガーディアン曲のイントロにアレンジされるからだ。いや、別に決まりってわけじゃないが前作がそうだったし。そのぐらいはお約束要素として引き継いでもよかろう。でもね、前作で中盤からガーディアン戦イントロアレンジは困りまくったのだ。不気味な響きにするための半音ずらしメロディだったからアレンジパターンが早々に尽きたのだ。今回もここで凝りすぎると後で泣きを見る。だからイントロはコード中心のシンプルなものに。
左右に振られたリードギターのフレーズを合成(高いパートをメインとする)するとメロディになるという個人の趣味に走っているのでメロディが目立たない。結局2ループ目には補助メロディをつけるという何がしたかったのかわからなくなるパターン。
でも終盤の大サビが大変メロディアスに仕上がったので前作の最初のガーディアン戦とは違う印象の曲にはなったのではないでしょうかな。

Ratatoskr(ラタトスク)

しかしここでちょっと待ったコールだ。仕上がったファフニール戦のテーマが「ガーディアン戦ぽくないのでは?」と言われた。サミエルさんが作ると言ってこの曲を出してきたんですが、今度は俺の方で「ファフニールぽくない」と言いだす。この「ぽくない」てのは個人基準なのでなんとも言えない。
しかし俺の中でファフニールのイントロをヴリトラなどですでに使って作業開始していたのでラタトスクの曲として使用することに決めた。
渡された曲はもうちょっとテンポが速くてロック調だったけども、全曲ギターのフレーズ変えるぜ計画に沿って粘っこい単音フレーズ使って、怪しさを増すためにテンポも落とした。

Sword of Asgard(神族の城)

ここらでサミエルさんに依頼してあった曲が1つ上がってくる。それがこの曲。依頼自体はメロディとベース、リズムが入っていれば充分と言ってあった。LA-MULANAの曲はリメイクの頃から俺の方で思いっきりアレンジを入れてしまうので、せめて違う人が作るメロディさえあればバリエーションが広がると考えていたのだ。
ところがここで「全曲民族音楽ぽく」って部分でつまづく。北欧神話の民族音楽ってなんだ。ケルト音楽?エンヤしか知らんぞ。元曲はハイハットがチッチキチッチキの静かながらもハイテンポな曲だ。結局は民族音楽など何処吹く風、「全曲ギターフレーズ変えるぞ」計画の方が強く出てベンチャーズ的なテケテケギターで行くことに。でもそれだけじゃダメだ。んー。
そうだ、北欧神話だから剣で戦うイメージ入れよう(?)ということで剣のSEを打楽器として使ってみることに。Bメロも少し変更。

初期バージョン
実は初期段階では今のバージョンよりも曲が短い。本人はそれが気になっていたらしく、開発中盤にロングバージョンを用意してきた。それには新たに勇ましいイントロがついていたが、すでに仕上がっていたアレンジの静かなパートから始まる感じが他の曲にはない特徴だったのでそこはあえてそのまま。

Dance of Midgard(不滅戦場)

初期作曲群の中では結構なお気に入り。フィールドのモチーフは戦死者の館と同じインド系ですが、曲まで同じ調子じゃ変化がない。そしてこの不滅戦場は広い。癖の強い曲や陰鬱な曲を長く聞き続けるのは苦痛じゃないか。そこで陽気気味な、ギターやリズムはスカビートで、サビになったらサンバのリズムで行くことに。
ところが「ちょっと陽気過ぎないか」との意見が。自分としてはローカパーラ族のバカさ加減が出てこんな感じかと思ってたんですがね。
初期バージョン
最終バージョンと比べるとコード進行が違います。陽気です。ここからあれこれ試行錯誤して陽気な展開はそのままに、所々不穏な響きが混ざるように。ついでにコード進行を少し上がり気味にして曲自体のテンションを高めて。
さらっと書いてますが完成までにいくつかコード違いバージョンがあるし、陽気バージョンで完成と思っていたので、陰気さアップバージョンが完成してもしばらくは違和感が拭えませんでした。なんか音間違えてんじゃねーか、みたいな。

Obstacle(ヴリトラ)

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