【開発秘話】オリジナル版開発秘話２１

月光聖殿　～足元がお留守ですよ～

自分で言うのもなんですが地味なフィールドですね。これといった特徴がありません。キモはフィールド中央にあるリバースピラミッドのみか。あとは置かれているアイテムにあわせた画面内で解決する仕掛けが点在するぐらいか。
初期段階で「針だらけのフィールド！」程度にしか考えてなかったんだから当然と言えば当然の結果。太陽神殿が各フィールドに移動する拠点のような位置になってしまったのでこちらもポジション的に裏フィールドの中心地みたいになってたんですよ。おそらくは銅鏡を取って最初に来る裏フィールドだと思ったので。その割に開発後半で仕掛けのない部屋をつぶしていこうといろんなネタを仕掛けたもんだから繋がるフィールドの数が多いくせに結局仕掛けを解かないと一定の場所にしか行けない、裏フィールドに挑戦する際のスタート地点に成り下がってしまったのが残念なところです。

周りが強烈すぎるんだよ。チラリとのぞく女神の塔、後半戦のキーになる滅びの塔、つるつる滑る特注品の巨人墓場、作った人の怨念立ちこめる迷いの門。強敵ぞろいです。まるでヤムチャのようなポジションです。なんか背景から狼牙風風拳みたいな手が伸びてますしな。
そんな中でもなんとか健闘しているのがやっぱりリバースピラミッド。月のレリーフも印象的だし、なにより太陽神殿のピラミッド以上に中に入りたくても入れない感が強いし、入っても何をしていいかわからない感がぷんぷんしてていい感じです。
ちなみにリバースピラミッド内全体に武器はじきと天罰を置いたのは思いつきです。子宮内で武器振っちゃいかんだろ！ってことで。この仕掛けを置いた時はそのおもしろ効果にニヤニヤしてました。最初はコウモリも飛んでたんだよね。そこで得られるアイテムもポーズして眠ると言うメイン操作キーから外れた謎解きで出現する、４賢者と話す事ができると言う超重要アイテムのオカリナ。隣の画面におそらく一番最初に話す事になる賢者もいるし。ピラミッド内だけ豪華です。
これは太陽神殿との絡みを増やすために次々イベントを仕込んでいった結果です。その反面、それ以外の仕掛けが淡白です。斧を出すのにどうして岩を転がさなければならないのか。無理矢理作った３人の女顔像は先攻公開版で致命的な欠陥が発覚し、完成版ではあまり意味のない仕掛けに成り下がる。あんたら通路を塞いでなんぼでしょうが。

どこをみても小粒な単品仕掛けですね。通路代わりのフィールドなもんで大掛かりな仕掛けができなかったんです。でも作業的にこなれてきた分、既存の仕掛けの組み合わせでちょこざいな事やってますよね。落とし方間違えると上に登れなくなる仕掛けとか、床の隙間に爆弾投げるとか、針が交互に飛び出すとか。
あ、氷のマントが置いてあるんだね、このフィールド。その下の躯置き場は企画初期からやりたかった事。うん、こういう細かい思いつきが集中したフィールドなんだな。壁を消すと中から敵がうじゃうじゃ出てくるってのもこのフィールド作ってて思いついたはず。

死者の書は無駄アイテムでしたなぁ。アイテムは初期段階では３０個の予定だったんですが、きっと足りなくなるだろうと思って４０個に増量してもらってたんです。強化系のアイテムは数に限度がありますから、残りは鍵のような通行場所を増やすキーアイテム、残りは敵攻撃無効系になるわけです。十字架なんかは無効にするソウルが至る所にいるし、うっとおしい動きをするのでほぼ必須アイテムですが、死者の書はなくてもクリア出来ますね。アヌビスが出てくる場所が限られてるから。死者の書を取るためにアヌビスがいるところを通らなきゃならないし、入手してもあとはブレスレット売ってる画面ぐらいにしかいないじゃないか。こりゃ失敗。
なんだよ、こうやってフィールドごとに思い返してみるとちぐはぐ失敗仕掛けの宝庫じゃないの。だめじゃん、このゲーム。

うーん。もうこれといって書く事がないぞ。本当に印象の薄いフィールドですこと。あ、でも敵はうっとおしいのが結構いますね。サイドビューアクションのくせに背景を這い回ると言う掟破りのヨーウィー。あれ、うっとおしいよねぇ。あれ、でもそのぐらいか。でっかい芋虫なんて無視すれば怖くないし、岩野郎もほっとけば怖くないしねぇ。
やれやれ。誰かこのフィールド作り直してください。