【つわり】ならきちの泣き虫妊婦生活記③
私のつわりは、妊娠6週目から始まった。産婦人科に行った翌々日には、嘔吐が止まらなくなり、たちまちトイレと友達になった。
今回は私が苦しんでいる、「吐きつわり」「よだれつわり」「においつわり」の話をする。
吐きつわり
これは“吐きつわり”というもので、ドラマやアニメでも描写が多いため、ほとんどの人がつわりといえばこの症状だと思っているのではないだろうか。
私の吐きつわりは妊娠3~5か月がピークだった。毎日嘔吐し、布団とトイレを往復するだけの寝たきり生活が始まった。
この時期は、お腹もあまり大きくなく、胎動もないため、「赤ちゃんかわいい」と思う余裕がなかった。とにかくつらかった。
生きているだけで精一杯になり、体重も最終的には7キロ減ってしまったため、5日間入院することになる。(入院生活については下記に詳しく書きました!)
「赤ちゃんは私になんの恨みがあるんだ」とまで思ってしまう自分がいた。それほど追い詰められた。でも、この時点で私の赤ちゃんをお腹で育ててあげられるのは私しかいないし、つらいからといって旦那にバトンタッチできることでもない。ただ耐えるしかない。
(とはいえ、私は入院して人間らしさを取り戻すことができたので、痩せすぎてしまった妊婦さん、命の危険を感じた妊婦さんは、遠慮せずにすぐに病院に相談してくださいね)
そして、実はつわりにも種類があることを妊娠して初めて知った。私は吐きつわりのほかにも、“よだれつわり”と“においつわり”を併発した。
よだれつわり
よだれつわりは、唾液過多症とも呼ばれているもので、とにかくよだれがたくさん出る。自分のよだれが気持ち悪くて、飲み込むことができない。
5分もすれば口の中がよだれでいっぱいになってしまい、その都度、洗面所に吐き出しに行っていた。つわりで弱ってしまい立ち上がるのがつらい時期には、小さめのボウルにひたすらよだれを吐き出していた。
ネットで検索すると、よだれつわりは産むまで続く(場合が多い)という体験記を発見し、私は絶望した。さらに、よだれつわりがある人はつわりが長引く傾向にあるという記事まで見つけてしまった。私は再び絶望した。
人前でよだれを吐き出すのも嫌だし、かといって口内にためておける量には限界があるので、これでは吐きつわりが落ち着こうがなんだろうが、ろくに外出もできやしない。
やむを得ず外出する際は、小さな紙袋にビニール袋を入れて、そこにこまめによだれを吐き出すようにしている。
【2020/5/28 追記】いまさらになって追記すると、こんなビニール袋ではなくコーヒーなどが入っている中身が見えないタイプのボトルがおすすめ。
電車内では、人前でよだれを吐き出すのは気が引けたので、ストローで飲めるパックの飲み物を購入し、少しずつチューチュー吸うことで対処した。(飲食の最中はさすがによだれが落ち着く)
家の中でもよだれがたまっている間は黙っているので、旦那は「結婚前よりも静かになった…」と感じているのではなかろうか。
においつわり
においつわりは、においに極端に敏感になってしまい、今まで平気だったにおいもだめになるというものだった。
大好きなにんにくやトマトの匂い、ごはんが炊ける匂い。香水の匂いや、洗濯物の匂いも気持ち悪かった。お風呂の湯気やシャンプーなどのいい匂いも気持ち悪いので、2~3日に一度しか入浴しなかった。
しまいには旦那など家族の体臭まで。(※注:旦那は決して臭くない。これまではすごくいい匂いだと思っていた。ごめんよ…)
においを嗅いで気持ち悪くなり、そのままトイレに直行して吐いてしまうこともあった。
このにおいつわりは、比較的早め(妊娠6か月目頃)に気が付けばなくなっていたので、それからは料理や、長めの入浴ができるようになった。大好きなお風呂にゆっくり入れるようになったのは至福だった。
妊婦さんはみんな何かしら抱えている
このほかにも“食べつわり”になる人もいるそうだ。食べつわりの人は、常に何か食べていないと気持ち悪くなってしまうという恐ろしい症状が現れるらしい。
私の身近な先輩ママには、食べつわりだったという人が多かった。食べないと気持ち悪いのに、食べても気持ち悪い。食べて太りすぎると産婦人科の先生から注意されてしまうので、体重管理が大変だそうだ。
また、頭痛がひどかったという先輩ママもいた。私も妊娠4か月目頃に吐きながら頭も痛いという最悪の状況に陥り、氷枕をしいて冷えピタを貼って過ごしていた。
▼こんなん見たら妊娠するの怖くなるわと言われてしまいそうな私の妊婦生活基本スタイル(妊娠3~5か月目頃)
新婚早々、嫁が今まで見たこともない悲惨な状態になってしまったが、それでも旦那は「がんばってお腹で赤ちゃんを育ててくれてありがとう」と常に感謝してくれた。(無理やり言わせてる時もあった…かな?笑)
幸い実家にいたので、家事はすべて母に任せ、寝たきりで生活できた。家族の支えなくしてこの期間を乗り越えることはできなかっただろう。
また、吐くほどではなくても常に気持ち悪いという妊婦さんもいるそうだ。つらさが目に見えないので、周りからも元気な妊婦さんねと言われてしまってむしろつらい思いをしたのではないだろうか。
中には、まったくつわりがありませんでした!というハッピー妊婦さんもいるらしい。同じ妊婦なのになぜだ…。ネットで検索したところ、つわりのメカニズムは謎に包まれているらしい。人類よ、もう何年この営みを続けているというのだ。いまだに解明されていないとは何事だ…。
常に赤ちゃんを気にかけ、一つの(もしくはいくつかの)命を自分のお腹の中で育てていくというだけでも妊婦さんたちは重大な使命を背負っている。
つわりだけでなく、お腹が大きくなって張って苦しかったり、おっぱいが大きくなってきたり、腰が痛くなったり、ふくらはぎがつったり、便秘になったり、肌荒れしたり、髪の毛が抜けたり、情緒不安定になって突然泣いてしまったり…、妊婦ならではの体調の変化はたくさんある。(元モーニング娘。の辻ちゃんのブログにいつも共感する)
胎動が少なくなれば「赤ちゃん大丈夫かな…」と心配になり、エスカレーターに乗っていたら後ろの人からぶつかられたらどうしようと不安になり、いつも赤ちゃんのことを考えるようになる。
第一子を妊娠している今のうちから、「きょうだいも欲しいね」と親族に言われることがあるが、上の子の面倒を見ながらまたつわりを乗り越えるなんて可能なのだろうかと今から不安だ。上の子がいるのに私がまた入院することになったら…。考えるだけでもぞっとする。それでも我が子と対面したときにきっと、がんばってよかったと思えるのだろうと信じている。
私が言いたいこと
たしかにつわりは病気ではないが、元気な人間が急に7キロも痩せたり、お腹がみるみるうちに大きくなって腰が痛くなったり、精神的に不安定になって意味もなく泣き出したりはしないだろう。
身近に妊婦さんがいないと分からないことが多いだろうが、もし妊婦さんに遭遇したらできるだけ優しくしてあげてほしい。これまで意識していなかっただけで、町を見渡すと、妊婦さんは意外とたくさんいる。
経産婦さん(出産経験のある女性)も、自分のつわりと比較して「つわり程度で大げさだ」とか「私の時はちゃんと仕事とも両立させていた」とか、妊婦さんを追い詰めるようなことを言わないであげてほしい。つわりの症状はとにかく人それぞれだ。
元気だった経産婦の話しか聞いたことのない人は、「でも、〇〇の嫁さんは妊娠中もちゃんと家事もやってたらしいよ」なんて言って奥さんを苦しめてしまうかもしれない。
まずは、電車やバスで妊婦さんを見かけたら、席を譲ってあげてほしい。