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疲れているんだね、でも生きていけるよ
強くなったなぁと思う。
今までなら絶対に泣いていたようなことでも、家に帰るまでは泣くのを我慢できることが増えた。これまでなら感情に任せて言葉にしてしまっていたような場面で、グッと堪えて言わないという選択をできることが増えた。
なんとか家に帰るまではいろんな悲しくて黒いものを目や口から吐き出さないように持ち堪えて、自分のご機嫌を取るために甘いものを買ったりとかして、オフラインに保存しておいた好きなYouTubeのゲーム実況を見たりして、セルフよしよしする。
家に帰ったら泣いたりもするけど、荷物を置いて素っ裸になってお風呂を沸かして、バブを一個放り込んで、丁寧にメイクを落として、頭、身体、顔、綺麗に洗っていく。
お気に入りのお香を焚いて、お布団に潜り込んで、10歳から一緒のうさぎのぬいぐるみを抱いて、「よくがんばってるね」と私に言ってあげる、心の中で。
いまも出張帰りのヘトヘトの新幹線の中で、頭も身体もはちゃめちゃに疲れていて、ブチ切れそうなくらい疲れていて、ほんとだったら大の字に地面に寝っ転がって手足をバタバタさせて「あーやだ! もうやだ! 疲れた! みんなきらい! みんなむかつく!」とか大騒ぎしたい。それくらいしんどい。嫌なこともあった。
だけど大人しく新幹線の座席に座って自分の気持ちをじっと見つめている。
疲れているんだね、たくさん寝ようね、明日は好きなだけゲームしようね。
おうちまで、なんとか頑張ろう。私がやっと作り上げた私の城。最近どんどん好きになっている、私の一人暮らしの部屋。自分で全部選んで、自分のために自分で作った居場所。
これが大人になるってことなんだろうか。これが自立っていうことなんだろうか。
苦しい状況も何度も乗り越えて、悲しいことも何度も乗り越えて、そうすると乗り越え方というか、やり過ごし方がわかるようになってきて、痛みと共存しながら生きる術を、なんとか回復する術を、身につけてゆくのだろう。
お家に帰ったらメイクを落として眠ってしまおう。もこもこのパジャマに着替えて、大好きなゲーム実況をつけたまま寝落ちしよう。
明日の朝は、たくさんの洗濯物を回して、ゆっくり朝風呂に浸かろう。
よし、大丈夫だ。
しっかり生きていける。