見出し画像

【9⽉28⽇@⻲の瀬地すべり歴史資料室とトンネル⾒学】ファンクラブ会員ブルーディア・ゴールドディアイベントのご報告

みなさまこんにちは。⽇頃より奈良クラブの応援ありがとうございます。
今回は9⽉28⽇(⽊)に開催しましたファンクラブ会員ブルーディア・ゴールドディアイベントの⻲の瀬地すべり歴史資料室とトンネル⾒学についてのレポートをお届けします。
参加者は奈良クラブのサポーターが19名、奈良クラブの選⼿3名(可児・⽚岡・嫁阪)でした。


亀の瀬って?

⻲の瀬は⼤阪府と奈良県の府県境付近にあり、⼤和川が奈良盆地から⼤阪平野に抜けている場所で、両側から⼭が迫っている場所です。この狭い場所に国道25号とJR⼤和路線が⾛っています。古代より⼤阪と奈良を結ぶ⿓⽥古道も通っており、古くからの交通の要衝となっています。
JR⼤和路線や国道25号線を通る際に、県境あたりの⼤和川の北側に⽊の少ない広い斜⾯が⾒えてきます。あれは何だろうと不思議に思われている⽅も多いかと思いますが、そこが今回⾒学した⻲の瀬と呼ばれる場所です。
また、ナラディーアから⾒て信貴⼭の反対側に位置しています。

国道25号線から大和川を挟んで向こう側の亀の瀬を見たところ


(大和川河川事務所ホームページより)

亀の瀬地すべり歴史資料室

まず⻲の瀬地すべり歴史資料室にて⻲の瀬の地すべりの歴史と地すべりのメカニズムについて伺いました。
いわゆる⼟砂災害には「崖崩れ」「⼟⽯流」「地すべり」の3種類があり、その中でも「地すべり」は⼀番ゆっくりと斜⾯の⼟が下に移動していく現象とのことでした。
⻲の瀬では昔からこの「地すべり」が発⽣しており、すべり落ちた⼟が⼤和川の川床をせり上げたり、川を埋めたりする事態が発⽣していました。近年では明治36年(1903年)や昭和6年(1931年)ごろの地すべりで⼤和川が氾濫し、近くを通る鉄道のトンネルが崩壊しました。また昭和42年(1967年)には国道25号線が隆起し、通⾏⽌めの被害が出たということでした。
現在はその対策⼯事の⼀つとして、地すべりの原因となる地中の⽔を集めるために⻲の瀬の斜⾯の中にトンネルと排管が張り巡らされています。そしてもう⼀つは地すべりを⽌めるために⼤きな杭が地中に打ち込まれているということでした。

資料室での説明の様子

排水トンネル

⽔を集める排⽔トンネルに実際に⼊らせていただきました。⼈が⼗分歩けるぐらいの⾼さのトンネルの真ん中に⽔が流れる溝があります。トンネルの天井には⽅々から集められた⽔を排出する管が出ており、そこから⽔が落ちてきていました。意外と⼟の中には⼤量の⽔が含まれているのだということがよくわかりました。

排水溝を覗き込む
各方面に差し込まれた排水管から水が落ちてきているところ
地下水ですが鉄分が多くて飲み水には適していないとのこと

旧国鉄(現JR)の亀の瀬トンネル

昭和6年(1931年)ごろの地すべりで崩壊したと思われていた旧国鉄(現JR)の⻲の瀬トンネルが、約80年後の地すべり対策⼯事の際に偶然発⾒されました。
中に⼊ると綺麗な煉⽡積みがそのまま残っています。天井には機関⾞が排出した煤煙が残っています。突き当たりには地すべりによって流されてトンネルを潰した⼟砂がそのまま残っており、トンネルの形は跡形もなく⾃然の脅威を感じ取ることができました。

綺麗な煉瓦積みと黒煙の跡が見られます
トンネルの突き当たりは流れてきた土砂で埋もれています。
おそらくこの先は地すべりでトンネルは崩壊しているものと思われます。
トンネル入り口にて

まとめ

参加された⼤⼈の⽅にはとっては電⾞や⾞から⾒えるあの斜⾯が何かよく分かったという声を頂戴しました。お⼦様にとってはちょっとした冒険のようだったかもしれません。ご説明いただいた⽅には⼩さいお⼦様にもとてもわかりやすくお話しくださいました。また嬉しいハプニングもあり参加者全員がとても楽しめました。関係者の皆さまには御礼申し上げます。
9⽉は防災⽉間でもありました。⾝近にあった災害を知ることで改めて⾃然の脅威と備えについて各⾃で思いを巡らせていただければと思います。

以上