#13_ジャニオタという遺伝子を持って生まれた女
十五祭は、最終公演から約1ヶ月半という異例の速さで映像化された。
この映像化も、話し合われていた退所の予定に合わせて
もともと予定されていた日程なんだろう。
りょんが脱退を発表した9月5日の17時には
ファンクラブサイト内でメンバーが改めて5人体制になることを報告し、
そして、同2019年11月から
2007年に行った47都道府県ツアーをもう一度行うことが発表された。
ファンの気持ちが不安定な中、もう一度狭い会場で、近い距離でコンサートがしたいと思ってくれたのも本当だと思う。
少しは、5人になって開催するコンサートに各地どれくらいの応募が来るのかを計られたようにも思うけれど。
初日はまた、大阪松竹座からのスタート。
5人体制での関ジャニ∞を観る覚悟が持てていないのが伝わってしまったのか
応募した大阪、奈良、和歌山、兵庫は全て外れてしまった。
松竹座で行われた6人の前夜祭を観たから、と
まだ5人になった関ジャニ∞を観る覚悟のない私は、外れて観に行けないことに少し安堵にも似た感情を抱いた。
ヤスの体調はどうなのか、精神的にも、もう全員無理だけはしないでほしい。
そう思いながらも、東京でのレギュラー番組出演を含む過密なスケジュールの中でこなしている47ツアーを
無事に走り切ってほしいと思っていた。
年を跨ぎ、2020年。
新体制の関ジャニ∞にも、容赦なく襲い掛かった新型コロナウィルス。
動揺しているファンのため、
気持ちを新たに進んでいく関ジャニ∞のため、
いろんな思いを乗せて始まった47ツアーは2020年3月から公演中止を余儀なくされた。
その後も、畳み掛けるように忠義が体調不良になり
5人体制で語られると思っていた「関ジャニ∞のオールナイトニッポン」も
7月に行われたジャニーズWESTも含む関西ジャニーズによる合同無観客ライブイベント「Johnny’s DREAM IsLAND」も
生放送の音楽番組までも、忠義の欠席が続いた。
今年の、忠義が突発性難聴で活動休止になる前兆が
もしかしたらこのときから身体に出ていたのかな。
2020年8月に44枚目のシングル「Re: LIVE」を発表し
これはファンクラブ内でファンに歌詞の募り作られた楽曲となった。
詞を書いて採用されてほしいなんて重いものではなく、
公式へのメッセージとして私も書けるだけの文字数に思いを込めて送った。
9月に、とうとう忠義が新型コロナウィルスに感染。
この月末に行われたテレ東音楽祭には、濃厚接触者となった丸を除く3人で出演した。
誰も悪くない。
感染したことも何の罪もないし
元気に戻ってきてくれるならゆっくり休んで治してほしい。
それでも、本当の弱い本音を漏らすと
何度も“人数が減る関ジャニ∞”を見ていることが少し辛かった。
5人体制での初シングル「友よ」の特典DVDでBBQをしながら語ってくれていた通り
まだまだ諦めない、と言ってくれた5人の気持ちは嫌と言うほど伝わった。
2021年以降は公式SNSをいくつも開設し、今まで以上に腹を割って
もう嘘のない全員を見せようとしてくれている。
それがこれまで以上に、本人たちのストレスにならないようにと願わずにはいられない。
毎年ツアーなんてしなくていい。
毎回ファンのためにと無理して笑顔でいなくていい。
“関ジャニ∞”というグループを残し、続けていくと決めてくれたなら
そのやり方で
5人全員が楽しく生きてくれたらそれでいい。
自身のアップデートを掲げ始まった「Re:8EST Project(リ・エイテスト・プロジェクト)」は、関ジャニ∞が過去にリリースした楽曲を新たに5人で録り直し
現時点で8人、7人、6人体制で発売されたシングル表題曲は全て再レコーディングが完了している。
「Re: LIVE」のカップリングでも、「オモイダマ」と「前向きスクリーム!」が再録されていた。
正直、無理に昔の曲を歌い直さなくていいよと思った。
昔そのパートを歌っていたのはりょんだったなって
この「Re: LIVE」もすうがいたら、歌割りはどうなってたかなって
「感謝=∞」のDREAMIN' BLOODですら、内くんの声を思い出してしまうのに。
聴いても苦しいし、歌い直されても苦しい。
今までの過去の曲たちは、もうそのままの思い出にしてしまっておきたいと思った。
でも、2021年2月10日。
45枚目のシングル「キミトミタイセカイ」が発売された。
このシングルを、私は5人体制の関ジャニ∞のデビューシングルだと言って欲しいと思う。
忠義が主演したドラマ「知ってるワイフ」の主題歌で
このシングルについての情報を一切頭に入れていない状況で、たまたまドラマの第一話の放送をリアルタイムで見ていた。
韓国ドラマっぽいな~と普通に見終わりかけた頃、エンディングでかかったこの曲の最初の歌い出しで一瞬
「誰の曲?」
と思って検索した。
5人の関ジャニ∞が歌っていた。
この瞬間、関ジャニ∞は5人でもやっていけるのかもなと思った。
そしてCD発売前、そのレコーディングや制作の様子、ボイストレーニングに通ったことが「関ジャム」で特集された。
全員がボイストレーニングに通い、約1年という時間をかけて作られたこの楽曲は
すうやりょんがいたらこんなラブバラードにはなっていない。
今の5人だからこそ、作り上げられた新しい関ジャニ∞の曲になっていて
いい意味でどこを誰が歌ってるか分からない、
声だけで「まだまだ関ジャニ∞を諦めない」と言った5人の気持ちの強さを再確認させられ、
心が震えた。
2021年の11月から開催が決定した「KANJANI'S Re:LIVE 8BEAT」は
コロナの影響で中止になった47ツアーから約2年ぶりの単独ツアー。
このコロナで空いた時間が、私にとっては少し薬になった。
5人をきちんと観たいと応募した神戸ワールド記念ホール。
私が当たったその公演の日は、年を跨いで2022年1月16日だった。
狭いホールの、スタンド3列目。
「Re: LIVE」から始まり、笑いが絶えない“関ジャニ∞らしい”コンサートだった。
すうが居なくなって4年、りょんが居なくなって3年。
会場を出るとき、
「もうエイトを見ていても泣かない」と
そう思えた。
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