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#24_28歳の誕生日、あと10年で死のうと思った。

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「時が経つのってめちゃくちゃ早くない?」

こんなありきたりなセリフを飲みながら言うようになるなんてね、と10年前の話が容易に出来るようになったことに私自身が一番驚きながらも
その長い付き合いのある事実が嬉しくて顔がほころぶ。

ここ最近の私は、10年来の友人がいて幸せだと思えるほどには、心が穏やかになっているように思う。

「なんか今日は語りたい気分でさ!」
いつもじゃん、と美月に突っ込まれながらも

いかに女の友情が素晴らしいか、仕事をする上での気の持ちようだとか世間体とか
時々出会う不思議な人間たちの謎の究明、男女のあれこれなど

昔話から人生観の変化まで、久しぶりに飲むワインがよく回ると同時に
酒が弱くなった自分の年齢を実感するまで、思い出話に花を咲かせた。

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元々自分の中で恋愛の優先順位が低く
神経質で敏感すぎる性格と、若い頃に我を忘れるほどの恋愛をしたことがないことから

今まで友人とも呼べない周りの女たちがしてきたような
感情のコントロールが効かない恋愛には縁がないと思っていたし、ましてや誰かと結婚するなんて奇跡だ。

他人と寝食を共にする生活が全く想像できなかった私は
このまま好きなことを好きにして、一生独身でもいいと思っていた。

恋愛経験が少ないことは想像で補えることも少なく、自分がどうなるか分からないという恐怖も伴う。

わが子ほど、いやそれ以上に甥っ子への愛情も感じていたし
可愛い甥っ子がいるからこそ自分の子どもを産み育てる自信は無くなってしまっていた。

日本の結婚制度に特にメリットもなく心が充実している今、向いていない結婚を焦ってする必要もないし
謎に“できる”“できない”と結婚に才能を問われるフィールドにわざわざ上がることも馬鹿馬鹿しいと思っていたところに

「雪乃、この人と相性良さそう。」

最近、あるSNSで知り合ったその私のフォロワー欄を見ていた美月が何気なく放ったこの一言で

私の運命がまたひとつ、変わることになった。

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