#14_ジャニオタという遺伝子を持って生まれた女
2018年7月8日の「関ジャム」で最後のテレビ出演を終えたあと
こんなにもすぐに、渋谷すばるがソロとして活動を始めると思っていなかった。
2019年の2月という、ジャニーズ事務所を退所してからで言えば“わずか2か月”で公式サイトを開設し
4月には公式ファンクラブと共に自主レーベルでソロ活動を行うことも発表された。
9月には、デビューアルバム「二歳」より順に「ワレワレハニンゲンダ」「アナグラ生活」「ぼくのうた」を先行配信し
「ぼくのうた」のコードマイクとギター一本で歌うMVがYouTubeで公開されたとき、あ~~すうだな~~~と思った。
ある意味で“関ジャニ∞の渋谷すばる”と変わらなさ過ぎて、涙が止まらなかった。
その曲は『ぼくのうた』
なんでこのタイミングで辞めたの、
そうまでして何がしたかったの、
関ジャニ∞のままじゃ何がダメだったの、
活動開始を聞いてもそんなことが頭ではずっとグルグル巡ってたはずなのに
マイクを握るその姿を見れば一瞬でそんなことを考える隙を与えないくらい、
“アーティスト 渋谷すばる”には
やっぱりものすごくエネルギーとパワーがある。
この声とこの表現力を武器に立たれたら、何も言えないよ。
すべて自分の責任の下、音楽の道を極めたいと言った彼の決意は
ここから始まるんだと確信に変わった。
その年の2019年12月25日、インテックス大阪で開催された音楽ライブイベント「FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2019」通称レディクレ内の
トリビュート企画「THE YELLOW MONKEYトリビュートLIVE」にサプライズ出演し、THE YELLOW MONKEYの「バラ色の日々」を歌唱した。
2018年6月まで放送されていたNACK5でのラジオ番組「関ジャニ∞ 渋谷すばるのスバラジ」が
2019年10月に、公式YouTubeラジオ「渋谷すばるのスバラじ」と名前を変えて再スタートしてくれていた。
その中で、このレディクレに出演したときのことを
シークレットで出演したため暗転からの登場でも「聞いたことあるぞ、このクセの強い声」と自分に気付いた人もいたかもしれないと話し始め
大好きなイエモンのトリビュート企画に参加できた喜びと共に
「うわ、なんやねんジャニーズかよ」って思った人も居たっておかしくない、と話した。
そして自分で言ったその言葉を遮るように
「なにがあかんねん、元ジャニーズ舐めんなよ」と。
力強く「関ジャニ∞っていうアイドルグループやってます!」って叫んだ2017年のメトロックから
この人は今も変わらず関ジャニ∞を、関ジャニ∞でアイドルだった自分を愛してるままなんだなと思えた。
そのあと続けて「音楽1曲、3分4分の間に死んでもいいと思いながらやってる」
仕事とか学校とか、やりたいことがないと悩む人に「情熱持って、命かけて取り組んだら人間いくらでも何回でも変えれるから」と言葉を並べ
熱くなる瞬間も、伝えてくれるメッセージも変わらない。
いつだって関ジャニ∞を一番前で引っ張っていてくれた“渋谷すばる”そのままだった。
このレディクレを語る前の回では、「別に言ってもいいと思うけど」と前振りしつつ
「久々にヨコとメシ行ったで。こないだ(笑)」と、きみくんと1年ぶりにご飯に行った話もしてくれて
きみくんは丸も誘ったのに当日になって体調悪いと断られた、アイツたぶん緊張して断ったと笑ってたという。
その場できみくんがヤスに電話し、急に代わったのに「うわぁ、しぶやんや!!」と驚かれ
俺とメシ行くなんて言ってへんのに、「(声で)すぐ分かるもんやねんな」「おもろかったな、何も変わってへんかった」と嬉しそうに
メンバーの名前を普通に出すすうも変わってなくて、
今もエイトと繋がってることを話してくれるだけで何より気持ちが救われた。
ニヤニヤあの顔で笑っているのが容易に想像できるくらいに焼き付いているすうの顔を思い浮かべて聴けるラジオは
2020年11月の14回目以降更新されていなくて、そんなところすら渋谷すばるらしいと笑える。
このとき、きみくんとすうはりょんの話をしたのかな…。
今も誰かは、りょんとも連絡が取り合えていてほしいと思わずにはいられない。
2020年に入り、デビューアルバム「二歳」を引っ提げての始まったツアーは
初の海外公演が新型コロナウィルスの感染拡大防止のため中止となり
ワーナーミュージックと提携し、バックに大手がいるが故の厳しいソロ活動のスタートになってしまった。
その後も、特設会場で行う予定だった野外公演「二歳と364日」やFM802の音楽ライブイベントも中止を余儀なくされ
ジャニーズ事務所退所後、私が初めて彼の姿を見たのは
大阪万博記念公園で行われた「大阪文化芸術フェスpresents OSAKA GENKi PARK」だった。
関ジャニ∞のときから彼だけを好きだった姉の友人と一緒に行こうと申し込み、
整理券順に入った彼の出演ステージ。
コロナ対策でレジャーシートごとに区切って場所を取るよう指示があり、
陣取れた場所はセンターマイク前の3列目くらいだった。
パフォーマンス前、ステージに出てきた彼は目の前でバンドメンバーと堂々と音響チェックをし
かつての黄色い歓声なんてもう要らないとでも言いたげなその姿は、知らない人のようにも思えた。
自己紹介とバンドメンバーの紹介以外、
飲みすぎた昨日の話もしない。ふざけたりもしない。下ネタも言わない。
初めて目にした“正真正銘のアーティスト 渋谷すばる”の歌声で
寂しさなのか懐かしさなのか恋しさなのか
自分でも分からない感情が全部涙になって溢れてくる。
関ジャニ∞としてのすうが好きだった。
メンバー全員の首の後ろ、同じ位置にホクロがあることを「やっぱ兄弟やねんって!」と喜んで
信五に身を任せて思いっきり甘えた下ネタを言う。
きみくんとの旅行でほとんど沈黙で話さないことをネタにされても「無言が苦じゃないんです」と笑いにして、
丸とじゃれ合って訳の分からないギャグを生み出し
りょんと二人は気まずいねん、と照れるすうが大好きだった。
それを今、全部見ていられるのが、嫁と子どもなのか、と思う。
2020年9月22日に39歳の誕生日を迎え、11月に「二歳」以来約1年ぶりとなるニューアルバム「NEED」を発表し
2021年4月からツアーも予定していたがこれもコロナの影響で中止に。
「OSAKA GENKi PARK」以来、その他のイベントやライブも多く中止になってしまった。
そんな中、2021年5月8日。
その翌年の今年の5月には第一子の誕生を報告。
いやさ、分かるよ?
噂されてるお相手さんの年齢やら身体のこと考えるとさ。
付き合い始めたと言われてる2015年あたりから
荒れてたすうが確かにおだやかになったよねとは思うけどさ。
「人生は楽しい」「人生は素晴らしい」とか言うなら、
もういつから付き合っててプロポーズはなんて言ったのかまで話してほしい。
子どもの性別も明かさずその部分だけはアイドルの姿勢を貫くくせに、
やりたいことと認めて欲しいことはいっちょ前にアーティスト。
ジャニーズ音楽育ちの私からすると、それだけじゃ付いていけない。
もうエイトと絡む渋谷すばるじゃなくなってるのに。
どちらが正しいんだろう。
どうしても彼の音楽を通してやりたいことに女の影が付いて回ってしまう私は
彼が求めるファンではない、必要ないんだろうな。
“音楽の道を極めたい”という前に
プライベートも含め自分らしく生きて、それを認められる人だけが応援してくれたらそれでいいんだろう。
だったら個人的にも、もう音楽だけ聴けたらいいや、と思ってしまう。
結局去年の結婚発表から揺らいだまま、私は今もファンクラブの更新を継続できないままでいる。
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