十三段
いるもいないも同じさ、僕は
のらりくらりの常日頃
隠されてきたジョーカーのように
この喉に手をかける現実の
その手首を切り落とせ
鮮やかなる血飛沫の空白をしゃなりと歩く
時計の針に従って
板チョコに添えたブランデー
マグカップを持つ赤い爪
ねえ
ほら
君も
甘やかなる現実逃避、そのひび割れを喫する三時
ひとりふたりも同じさ、ほら
うだる暑さの不明瞭
切り札は盤面を覆す
顔を歪める現実の
不細工な首ごと切り落とせ
雁首を揃え置こう 十三段まであとひとつ
死刑執行はアンドロイド
金のツインテールを揺らし
細めた碧眼、赤い頬
ここまでおいで
ねえ
ほら
こっち
咎人の罪は現実殺し、十三段まで片道切符
美味しいお酒でも飲みます。