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「ナポリタン」とは何か(24.10.20)

ついに、私のニックネームにもなっている「ナポリタン」とは一体どんな意味があるのかをお話しする時が来ました。

今年も今年とて初めましての方とご挨拶することが多く。
村の方々から「ナポリタン」「ナポ」「ナポちゃん」と呼ばれるのを見たり、自己申告で仕方なくナポリタンですと名乗ると、大体のパッセンジャーが隣山から来た魔女を見るような目でこちらを見てきます。

そして彼らは決まって「なんでナポリタンなの?」と尋ねてくれますし、「パスタが好きなの?」「イタリアと何か関係があるの?」と続けてくれる方もいらっしゃいます。

私は私で、ご期待に添えるようなものではなくて毎度申し訳なく思います。

これまで適当にはぐらかしてきましたが、さすがに今週だけで4回意味を尋ねられたので、「ナポリタン」についてきちんとお話ししようと思います。


まずは、そもそもナポリタンパスタは日本発祥ですね。
1927年に横浜のホテルニューグランドで提供されたのが起源とされており、当初はトマトソースが使われていましたが、戦後に米兵の影響でケチャップを用いたスタイルが普及しました。気になる名前の由来は、フランス料理でトマトソースを使った料理に「ナポリ風」と名付けられたことから来ています。

日本発祥であるのと同時に、ナポリタンパスタは生まれて100年ちょっと。数ある食べ物の中でも若輩者の部類に入りますね。そして喫茶店で味わえるナポリタンは昭和レトロの概念代表と言っても過言ではありません。懐かしきあの味、といえばナポリタンですね。

日本に生まれ、若くフレッシュ。しかし圧倒的な存在感と安定感でテーブルの上を彩り豊かにしてくれているわけです。


そして次は、惜しいところをついている「イタリアと何か関係があるの?」という質問ですね。
先ほどもご説明した通り、「ナポリタン」の「ナポリ」はあのナポリです。南イタリアの。ポンペイのあるあのナポリです。まあただ、ナポリ自体にナポリタンパスタは存在しないのですが。

ポンペイという街はすごく魅力的で、火山灰で埋もれた街なので当時そのままの状態で時が止まっています。好きになったきっかけは小学生の頃にイタリアに1ヶ月行ったこと、そして中学生の頃に近隣の美術館でポンペイ展が開催されているのに足を運んだことです。大学生の頃に小学生ぶりに再度イタリアへ赴きポンペイの街並みだけでなく、ナポリそのものの暮らしをこの目で見てきました。
窓越しに洗濯物を干しながら近況報告をし合っているお姉様方、とれたての魚を近くの猫にお裾分けをしてやるおじさま、観光客がいようがいまいがお構いなしに遊ぶ子犬と少年。

また、さすがヴェスヴィオ山のお足元ナポリ。肥沃な大地と、強い日差し、地中海の潮風を肌で感じました。硫黄の匂いが少し気になりましたが、それは大地が動いている立派な証拠です。

自由、重厚な歴史、そして大地と人との愛が、ナポリにはありました。

宇多田ヒカルもきっとそんなところに魅力を感じていたのではないでしょうか。知らんけど。

私は永遠というものにとても憧れがあります。永遠の自由、永遠に続く歴史、永遠の愛。ナポリはそんな場所なのです。この美しく見えるものがこれまでずっとあって、これからもあり続けるように感じる。そんな街でした。


さて、これまで私は「ナポリタン」という言葉に関連する意味を書き連ねてきましたね。
もうお察しの通り、私が自分のニックネームにそのようなたいそうな願いを込めるわけがありませんね。

はい、私の「ナポリタン」はただ高校デビュー時「なんかみちょぱみたいな、いい感じのオシャレなニックネーム欲しい」と5歳年上の兄に話したところ「サリナポリタンとかでいんじゃね」と言われたことから決まりました。所要時間8秒です。

若気のいたりですね。イタリアなだけにつってね。はい。以上。

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