水沢うどんと伊香保温泉(青春18きっぷの旅)
水沢うどんが食べたい。
数年前友人と伊香保温泉の"はとバスツアー"に参加した。旅館で懐石ランチを満喫したあとにお土産処に連れて行かれたのだが、ここで試食用の水沢うどんを出された。たらふくランチを食べた後のうどん。私には無理だった。一口だけ頂いたが、胃から逆流しそう。このとき、旅行会社のバスツアーは食事で満足させるために、おなかいっぱいになるような仕組みになっているのだと悟った。私には向いていない。そもそも自分のペースで食事ができないと強いストレスを感じるタイプだし。おいしいのは分かるけど、おなかga
はちきれそうで、胸やけもして、気持ちが悪かった。
せっかくのおいしい水沢うどんを楽しめなかったこの思い出を払拭するため、「水沢うどんと伊香保温泉」の旅を青春18きっぷで行くことに決めたのだ。
ちなみに、水沢うどんは、群馬県渋川市伊香保町の水沢地区で提供される特産品。秋田の稲庭、香川の讃岐とならび日本三大うどんの一つと言われる。始まりは、水澤寺が飛鳥時代に創建された当初、高麗からやってきたお坊さんがうどんの作り方を伝えたと言われる。天正4年(1576年)頃になると、温泉に来る人やお寺にお参りする人に、地元で作られた小麦と水沢のきれいな水を使って作ったうどんを振る舞うようになり、現在も地域住民や観光客に愛され続けている。
参考:https://www.ikaho-kankou.com/eat/udon/
最寄り駅から水沢までは、およそ4時間半の旅。最初は大宮を目指し、大宮からは高崎線に乗り換えて高崎へ。さらに吾妻線に乗り換えて渋川へ。ここまでがJR。渋川からはバスを利用して水沢へ。乗車時間は20分の予定だったが、この日(8/12)は祝日とあって道が混んでいて30分ほどかかった。
「水沢」バス停を下りて斜め向かいに、水沢うどんの「大澤屋」(第二店舗)がある。
三連休の最終日、お店は満席だった。外も人であふれていた。入口のところにある順番待ちの紙に名前を書いて待つことおよそ10分。すぐに案内されたのはうれしかった。回転が速いらしい。ひとりなのにもかかわらず、大きな4人掛けのテーブルに案内された。お水を運んできた店員さんは「暑かったでしょ~でも今日はまだ昨日よりいいほうよ」と声をかけてくださった。フレンドリーで心がほぐれた。すぐに注文を済まし、さらに待つこと10分。お待ちかねの水沢うどんダ!
マイタケの天ぷら2個付きで1485円。天ぷらのアップを撮っておけばよかった。これが結構大きくて、顎がはずれそうなくらい口を開けないと噛めない。味は結構しっかりして、パワーを感じた。うどんは評判通りつるつる。讃岐うどんよりはコシがないので、のどで食べている感じ。大げさに言えば、飲んでいる感じ?うどんは好きなのでよく食べるのだが、いつもはかけうどんを頂く。ざるうどんは何十年ぶりだろう。あまりない経験だったので、よく味わって食べた。つけ汁はお出汁の香りが上品だった。最近、チェーン店ばかり行っていたので忘れかけていたが、昔ながらのうどん屋さんやそば屋さんからただよってくるお出汁の香りそのものだった。個人的にはもう少し濃くても良かったが、濃かったらうどんの味がしなくなるのだろう。
お客さんは続々と入ってきており、ひとりの私が4人テーブルをいつまでも独占するのは申し訳ないと感じ、食後はそそくさと席を立った。ちなみに、お会計は現金以外にもカードやQRコード決済などができ、現代的だ。
次に向かう伊香保温泉行のバスはおよそ30分後。せっかくだから、水澤寺でお参りしていこう。境内に入ってお参りして、バス停まで30分で戻って来れるか。。。ドキドキしながら早足で向かった。本堂までは10分くらいだっただろうか。気持ち焦りながら、お祈り。この旅を無事に終えられますように。
本堂の隣には、六角堂がある。
地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間界、天人界の六道を守る地蔵尊が祀られおり、廻転してお参りするようになっている。左回りと書いてあって取手を押して廻すのだか、そこに蝶が飛んできてとまった。私が取手を掴んでも逃げようとしない。もしかして神様?廻している間もずっと寄り添っていてくれた。なんだかうれしい。写真を撮りたかったが、撮ってはいけないような気がした。廻し終えて心の中でじゃあねと呟いた。名残り惜しかったが私にはあまり時間がない。また早足でバス停に向かった。
バスは、予定の時間より10分ほど遅れてやってきた。次に目指すのは伊香保。途中の停留所でぞくぞくとお客さんが乗り込んできて、あっという間に座席が人で埋まった。なんとなく、伊香保は車でやってくる人が多いと勝手に思い込んでいたが、そうでもないらしい。私のように公共交通機関を使う人もそれなりにいるようだ。
私は、伊香保ロープーウェイ近くのバス停で下車して、次に目指す伊香保露天風呂へ歩いて移動した。Googleマップによると15分ほどで着くらしい。
途中、伊香保神社に立ち寄りお詣り。少し行列ができていて、自分の順番を待った。前にはマイルドヤンキーなお兄さんがいて、パンパンと派手に柏手をうった。そして本殿に向かって大きな声で「おねがいしまーす」と叫んでいた。大雑把だw何をお願いしますなんだろう?「神様、言わなくてもわかるっしょ?色々お願いしますぉ」かな。
自分のお詣りを済ませて山道を登っていくと、温泉の飲み場があった。
飲んでみた。。。鉄っぽい!お腹、壊さないかな?!反射的に隣の水も口に含んだ。温泉の味見を終えて再び露天風呂へ。
まだかなまだかなと思いながら、ぶらぶら歩くと向こうから、首からタオルを下げた親子っぽい観光客とすれ違う。たぶん露天風呂に行った観光客だろう。私も風呂上がりに首から手縫いを下げよう!(←すぐマネしたがり)
到着!
自然に囲まれた露天風呂は、源泉地がすぐそばにあるのだ。洗い場がなく、かけ湯をしてお湯につかるだけのスタイルだ。脱衣所のロッカーは20個くらいしかなく、大人三人くらいしか入れない空間。急いで服を脱いで、湯船に向かう。といっても五歩くらいの距離。湯船は熱い湯とぬるい湯があった。泉質は硫酸塩泉でもともとは無色透明らしいのだが鉄分が含まれるため空気に触れると茶褐色になる。お湯の感触は柔らかくとろみがあった。このときの先客は熱い湯に一人だけ。私は、ぬるい湯にひとりで入った。野趣に富むお風呂ダ!解放的!なんか癒される〜!!!
しばらく独り占め状態だったけど途中から親子が二組入ってきて、さらにマダムが二人やってきた。ちょうどよい頃合いだと思ったので私はここで上がった。20分くらい浸かっていたと思う。うっすらと体から鉄っぽい匂いがした。濡れた体を手ぬぐいと拭うと手ぬぐいがうっすらと茶色くなった。そして、予定通り手ぬぐいを首から下げて温泉街をぶらぶらと歩いた。いや~体がほぐれた。体のむくみがとれたような気がする。
こうして、水沢うどんと伊香保温泉の旅は終了。
最後の石段街からの景色は、the夏空でした。
ところで、昨今の日本はオーバーツーリズムが問題なっているが、今回の水沢うどんと伊香保温泉の旅では外国人をほとんど見かけなかった。たまたまかな?水沢うどんは、是非外国の方々にも食べていただきたい。