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[GENIC 7月号]に写真が載りました/赤い壁の撮影記

初めましての方も、そうでない方もこんにちは。高橋直哉と申します。主に東京近郊の街中で写真を撮っている者です。

SNSではお知らせしておりましたが、GENIC7月号(2022年6月7日発売号)に写真を掲載して頂きました。GENIC WEBからご予約頂いた方は既にお手元に届いていると思いますが、今現在はAmazonでも書店でも見つける事ができるはずです。普段は声に出すことの無い、撮影におけるあれこれが書かれてますので、お時間ある時にでも是非お手に取って頂ければ嬉しいです。

GENIC Vol.63


はじめに

本誌では「ストリートフォト」を舞台に多種多様な感性を取り上げており、その中で自分は「光と影」というテーマを担当しているのですが(転じて「色」の話も出てきます)担当さんとやり取りを重ねて行く過程で、自分でもおぼろげだった部分が除々に浮き彫りになった感じもあり、終始楽しい時間を過ごさせて貰いました。

肝心の内容についてはもちろん誌面で見て頂くとして、ここでは、掲載された一部の写真と、それが撮影された時の流れを紹介してみようかと思います。

どの一枚にも予測と期待をはらんだ流れがある

この写真は、私のパートのメインカットとして掲載頂いたものです。誌面にも記載されている通り大阪で撮ったものなのですが、これを撮影するまでには「ある種の偶然や、予測と期待をはらんだ流れ」があります。


当日のプランとコンディション

2021年の話になりますが、私としては珍しく大阪に行く機会があり、しかも街で写真を撮るようになってから初めての大阪なので、これは絶好のタイミングという事で撮影の計画を練っていました。
ところが、この時期の大阪の天気はとにかく微妙で、雨なら雨の撮り方もあるでしょうが、雨?曇り?という絶妙に撮りにくい状況が続いていて、自分の引きの悪さをちょっと恨んでいた時ようやく復調の兆しが見えたのが、丁度この日でした。

因みに、当日の撮影予定地はこんな感じです(…と言ってもおおよそのエリアですが)線で繋いであるのは徒歩移動です。その地ならではの撮影スポットも良いけど、今回は中心街をひたすら歩いて歩いて撮る、というスタイルで臨んでみることに。

土地勘の無い「梅田・難波」エリアを歩く

帰りの移動時間もあるので、タイムリミットは17時前だったと思います。

未知との遭遇

先程の写真の場所に辿り着いたのは、撮影を始めてわりと直ぐでした。何ともアイコニックで、都内でもこの雰囲気を持った場所はそうありません(少なくとも私は知らない)というわけで余所者感丸出しで「これは撮るでしょ」と最初に撮影したのがこの一枚です。

X-Pro3 XF56mm

曇天という条件ではあったものの、少ない光の指向性をうまく掴んだ一枚になったかなと思っています。撮った段階から即お気に入りになるのが分かった瞬間でもありました。

そして、これを撮ったあと私はこう考えます。

  • もう少しここで撮るべきか?

  • しかし時間に制限がある(梅田・難波の移動もそこそこ時間を要する)

  • 人の往来が激しく構図をコントロールするにも限度がある。

  • 天候条件が読めず、ここに欲をかいても今以上の可能性が見出しにくい。

これらを理由にここで粘る事を辞め、他の場所に可能性を託す事にします。

フォトグラファーにとって、可能性を感じた場所で撮り続けるか見限るかは本当に難しい選択です。なかなか行けない場所では尚更。でも私はここでは一度見限りました。

そう「一度」は。

予感を信じて再訪

その後もぐるぐると周辺を撮影したり、休憩を挟んだりとしているうちに、難波への移動時間が迫ってきました。

空模様もわずかに雲が抜ける部分が見えるようになり、撮影にもほのかに期待が高まるのですが、そこで頭をよぎるのは「これまで撮った中で、光が変わると別の写真が撮れそうな場所」です。

脳内にはこれまでの場所が走馬灯のように駆け巡るのですが、今回は時間も無いということで「現在地から難波に移動する過程から外れない範囲限定」と決断して、先程の場所を通り抜ける形で再訪する事にします。

そこで撮れたのがこの一枚です。光という条件で言えば狙いはバッチリでした。光線状況が大きく変わり、新たなパターンの瞬間を撮る事ができました。

大阪にお住まいの方は、もしかすると似たような写真が撮れるかもしれませんが、少なくとも私の場合はそうではないですし、これを撮った直後にみるみる曇っていったという事もあり、なかなか思い入れのあるものになりました。

GR IIIx

前段の撮影があったにせよ、条件が変わるとどういう光になるかは余所者の私には想像し得ませんし、結果として私にとってはどちらの瞬間も特別なものになったことには変わりありません。

「ストリートフォトは一瞬たりとも同じシーンはやってこない瞬間の物語。」というは、GENIC編集長の言葉を拝借させて頂いたものですが、今回の撮影の流れはまさにこの言葉に通ずる部分があるなぁと思い、紹介してみました。

薄雲は晴れなかった


というわけで、ざっと勢いで書いてみましたがいかがでしょうか。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

この記事やGENIC本誌を見てくださった感想などありましたら是非お聞かせ頂ければ嬉しいです。コメントやSNSのDM等でお待ちしてます。

ではでは、今回はこの辺で。

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高橋直哉/NAOYA TAKAHASHI
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