便利のその先に
今の時代はめちゃくちゃ便利です。
スマホがあれば大体の問題はGoogle先生が解決してくれます。調子が悪くなったら、病院に行けば不調の原因を教えてくれるでしょう。24時間開いているコンビニのおかげで、食べることに困ることもないです。
日本はとても豊かで便利な国になりつつあります。
「不便は思いやりの心を育む」
ある飲み会の席。ある先輩がこんな言葉を口にされました。
その先輩のご自宅は今もなお、火を起こし、薪で炊いた火でお風呂の湯を作っておられます。
現代の技術があれば、お風呂のお湯なんてボタンひとつで湯が沸きます。温度の調整だってメモリを回すと水から熱湯に自由自在に操れます。お湯だって基本的に使い放題。
きっと、当たり前のようなことです。
それに引き換え薪のお風呂は時間も労力もかかります。
お湯を沸かす火には薪が必須です。その薪がなくなれば、誰かが木を割らなければなりません。
お風呂の時間の前には、誰かが火を起こし、お風呂の時間も入っている人のために、熱すぎず冷たすぎない絶妙な温度を保たなければなりません。
また、お風呂に入る際も、自分の好きなようにお湯を使っていると次に入る人の分のお湯がなくなってしまいます。
スイッチひとつでお湯が沸く現代のお風呂からすると、とっても不便です。とっても不自由です。
でも、その不便さ不自由さが、人のためを思う思いやりの心を育むのです。
おそらく不便な世界では思いやる心がないと生活が成り立たなかったのだと思います。そんな不便がどんどん減っています。
何もかもが進歩し、どんどんと便利豊かになる国に住む私たち。
きっと、その恩恵は人の心から、人を思いやる心を失くしつつあるのだと思います。
この話を聞いた時、今の時代は便利でありがたいなぁと思うことはできます。思いやりって大切だなと思うこともできます。
しかし、思いやりの心というものは、普段の生活の中で育まれるものであり、本や話を聞いただけでは育めないものだと思います。
たくさんの技術が集まってできたスマホ
スマホがあれば、いつでも誰とでも連絡を取れるようになりました。
しかし、そのスマホが人の心を傷つけ命まで奪う時代です。
技術の進歩し、便利はさらなる便利を追い求めます。
それはもちろん、素晴らしいことです。
そんな素晴らしい技術に人を思いやる心を奪われないよう、心がけてください。
そして今日のお風呂は、薪で入るお風呂を想像しながら入ってみてください。
きっといつもと違う入浴になることでしょう。
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