7、スキャルピングを勧めない理由
ここまでご覧いただいた方は、マイルールの設定やプロスペクト理論が大変重要だということに気づいていただけたと思う。
手法は1年間ほどの全ロウソク足の過去検証をし期待値がプラスのものであればなんでも良いと書いたが、実はこれだけはお勧めしないという手法が存在する。
それがスキャルピングだ。
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スキャルピングの定義や概要はyoutubeなどで検索してもらえればたくさん出てくるし、今巷で盛り上がっているため、ライブ配信を行う人もたくさんいる。
そんなスキャルピング、一見すると短期間で証拠金を倍々に増やしていけて、とても効率的に見えるが、実際は一般人の素人が出を出すと、ほぼ確実に損小利大で最終的には大きなマイナスで終わることが多々ある。
その理由を下記の通り3つの理由に分けて説明していく。
一つ目の理由は、スキャルピングはレートの変化に瞬発的に対応していかないといけないため、チャート画面を常に見ている必要があり、かなりの体力を消耗する。
同時に、全てのエントリーチャンスに対応する必要があるため、平日の営業日に時間が確保できる人でないと行うのは難しい。
2つ目の理由は、保有時間は数秒から数分とかなり短く、知らず知らずのうちに感覚でトレードをしてしまうという悪循環に陥りやすくなる。
意気込んで始める初期は損切も計画通り行うと思うが、総じて利益も伸ばせず、薄利で終わることがほとんどで、最終的にはチキン利確、ナンピン塩漬けロスカットという結果になるだろう。
ただでさえデイトレードではプロスペクト理論がかなり効いてしまうのに、このスキャルピング手法では猶更となる。
3つ目の理由としては、マイルールの崩壊が簡単に起こりえるからである。
マイルールの設定、そしてそれに則って淡々と投資を行うというのはトレーダーにとって必須のルーティーンだ。ではそのいとも簡単に崩壊してしまうというのはどういうことか、説明していこう。
恐らく金曜までトレードをして中々成果が上がらず、またマイルールが確立していない中トレードをしている人は、土日を使って、再度短期的に、お手軽に儲かる聖杯探しを行うことだろう。
そしてXやyou tubeなどを使って検索していくとたどり着くスキャルピング。何やらとても効率的でストレスが最小限で抑えられとてもよさそうに見える。
そして、MT4やトレーディングビューなどを広げて過去検を行い、何となく適当に生み出された手法を使って次週の月曜朝からスキャルピングを血眼になって始める。
だが、やってみると実際にはスプレッドが広がったり、瞬発力が遅れたりし、思った位置でエントリーできなかったり、利確が早まり損切が遅れ、最終的には二分の一で勝てるのだからと、適当なエントリーやギャンブルトレード、ロットを増しまくってのエントリーなど、ますます雑なトレードを繰り返してしまうことだろう。
これは、スキャルピングの特徴であるランダム性が大いに働いてしまい、最終的には自分のマイルールを破ってしまうという結果にいとも簡単に陥ってしまうのだ。
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これ以外にも恐らく様々な要因でスキャルピングがうまくいかない場合が多々あるだろう。
そのため、マイルール設定には是非デイトレードからスイングトレードぐらいの長い期間で検討することをお勧めする。
なお