どこに向かうかとか、なんやかんや
ふと特に最近思う事がある。
今自分が目指すべきところはどこのなんなのだろう?
2015年からありがたい事に、10シーズンお金をもらいながら自転車に乗ってレースを走り続けられている。
周知の事実かもしれないし言ってしまうが、日本で走っているほとんどの選手の競技での収入は決して同年代の方々にくらべて誇れるものではないが、自分もこうして周りに支えてもらいながらもなんとか自転車選手として食べていけている。
しかし、ワールドツアークラスやプロコンの選手ならまだしも、危険のリスクは他競技あるにせよ、他のプロとして成り立っているスポーツのスポーツ選手に比べて自分の今のレベルで競技するには収入の割にリスクが大きな事をしているとも最近になっては強く思うようになってきた。
トレーニング中、レース中、休みの日の回復走ですら死に近づく事をしている競技である。
特に子供ができてからは死ねないなってより一層思うようになった。
だけれども、毎年契約書にサインし、今の生活を選んでいるのは紛れもない自分自身である。
競技を本格的にはじめたのは高2に上がる頃で目標はただただ
「目の前のレースを勝つ」
「インターハイにでる」
だった。
大学に入る頃には
「学生チャンピオンになる」
学生チャンピオンになってからは
「プロになる」
チームユーラシアに入り
「海外でプロ選手に」
とベルギーに渡ったが見事にここで心折られ撃沈。
ブラーゼンに入ってからは
「Jプロで勝ちたい」
「UCIレースで勝ちたい」
チーム右京に入ってからも
「UCIレースで勝ちたい」
少しアジアツアーで感触を得てからは
「海外で通用するようになりたい」
であった。
振り返ると自分は自転車ロードレースの最高峰であるツールドフランスを目指したいと目標を口で語った事は一度もない。
夢見た事はある。
けれどそれは現実には程遠いことがわかったから夢にだけ、というか目標にできなかったのはだんだんと競技を知れば知るほど、強くなっていけば強くなって行ったほど、その遠さがわかっていったからなんだと思う。
だから強さも段階も何も整っていないで簡単に
ツールドフランスを目指してます!
と言う選手は単純に嫌いであった。
だが、最近はそれはその選手に対する嫉妬であったように感じるようになった。
自分には目に見える自転車の才能はなかった。
自信がなかったのだと思う。
夢や目標は声に出さないと更に遠ざかってしまうのではと最近思うことがある。
口にださないと現実にはできない。
しかし、なんやかんや言っても自分は現実主義者で、ツールドフランス出場します!なんて口が裂けても変わらず今も言えないけれど、小さくてもよいから決めた目標にむかって真っ直ぐ進みたいし、失敗してもなんでも良いから自分の決めた方角へを胸を張って進んでいきたい。
2019年怪我してから。
「勝つ」が目標であった。
めちゃくちゃざっくりした目標である。
レースに勝つことは第一だったけど、自転車をはじめたばかりの自分より走れなくなり弱くなってしまった折れそうな自分自身にも勝ちたかったし、怪我にも勝ちたかった。
今年は久々に勝つことができた。
怪我にもレースにも自分自身にも勝てたかな?
今の目標も変わらず勝つこと。
そして何より頼もしいチームがついてくれている。
自分自身、今年の半分以上のシーズンを棒に振ってしまっていて、残念だし申し訳ないけれども残り4レース、目の前の目標に真っ直ぐにチームで勝ちを狙いにいきます!
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