恐怖。開放骨折からの細菌感染
落車事故から8日後、緊急搬送された病院から家が遠いと言う事もあり、自分の住む地域の1番大きな病院に転院する事となった。
そして転院2日後の8月30日に左脚の手術をする事も決まった。
提携先の病院のようで、全て繋がっているので何かと話はスムーズに進んだ。
転院し、手術前日に一悶着、めちゃくちゃ苦しむ事が起こったのですが、それは別記事で書こうと思います^^;
手術内容は感染症を発症する可能性のある開放骨折部の洗浄が主だった。あとはぐちゃぐちゃになった靭帯などを整えたり…
手術はうまくいったが、麻酔が切れてくると兎に角めちゃくちゃ痛い…
痛み止めもあまり効かず、睡眠導入剤を飲んでも眠れない日が2日続いたが、3日目の朝、急に痛みがスッと引いた。
しかし、着替えや包帯を変える時は耐え難い激痛が襲ってきた。
9月5日には、右脚の骨折部の手術を行う予定となった。
右脚手術前日の9月4日、前回の手術で膝部の組織を採取し、検査した結果を主治医の先生から知らされた。
左脚の細菌感染
を告げられる…
細菌は
セラチア菌
とよばれるもので、お風呂なんかによくでるピンクの菌と同じものです。
細菌感染した原因の一つとして、落車現場は崖の下、雨で泥だらけにぬかるんだ汚い所に落ちました。たぶん、それも関係していたと思われます。
レースで雨の中で牧場通ったりするコースだと、跳ね上げた汚い泥水が口に入り、細菌感染したと聞いた事があるのを何か思い出しました…
正直、上がってきていた気持ちが一気に下の方に落っこちていった。
僕はこのまま最悪の状況に向かって進んでいくのかな…
前に進む事ができない。大きな壁にぶち当たってしまった。
と、正直辛かった。
家族にLINEで
『つらい』
と打ちそうになったが踏みとどまった。
いや、何言うてんねん俺。そもそもそんなん言うキャラちゃうわ。何を折れそうになってんねん。
気持ちで負けるんだけは絶対あかんわ。
皆んなの為にもここで終わってったらダメやんか。
と。
9月5日は予定変更で左脚のオペとなり、
汚染組織の除去、洗浄。
細菌を倒す為に左脚の感染源と思われる付近の骨に2箇所、直接骨髄注射
をして、抗生剤を流す事になった。
割と新しい術式のようで、少し怖いが、主治医の先生を信じた。
頼むから良い方向に向かってくれ!
と祈るしかなかった。
9月13日、延期された右脚のオペ。
これは何事もなく無事に終了。左足が気がかりで仕方がない。笑
右脚も股関節脱臼骨折と十分大怪我なのだが、、、
9月21日に再度、左脚の手術が決まった。
19日に細菌感染の検査があり、細菌無くなり、良くなってくれ。頼む!とただただ祈り続けた。
9月20日。怪我からまる一月。
朝から主治医の先生が話があるようで病室にやってきた。
・明日、予定通り手術するが、明らかに膝の部分の腫れがおかしい。
•それは膿が傷の下からでてきているから。
•そして検査の結果からも細菌は死んでいなかった。
旨の話を先生から受けた。
この一ヶ月の間、僕は毎日38度の熱が出続けていました。
そもそも熱すら下がっていない。
薄々、身体の異常は感じていたが、良い方に行って欲しかったのでネガティブな事を極力考えないようにしていただけだった。
急に神様に見放されたような気持ちになった。
治療が間違ってたとかでは確実にありません。
それほど開放骨折の細菌感染は厄介なんだと身をもって感じました。
そして21日に怪我から5回目の手術を受ける事になりました。
そして、最終的にはこの治療で細菌は鎮静化する事になりました。
“局所陰圧閉鎖療法”
これに救われる事になりました。
5回目の手術では開放骨折部の創部を再度洗浄、開放創(本当、傷口をそのまま開いたままに(-_-;))として、局所陰圧閉鎖療法を行いました。
局所陰圧閉鎖療法はスポンジ材を開放創部にあて、そこにチューブを入れて、外部から陰圧をかけて滲出液を吸引する方法です。吸引する事により、細菌量も減少し、肉芽組織をあげていく効果が期待できます。
傷口ぱっくりと開いたままの膝…
何故これを先にしなかったか?
を説明します。
この術式を行う期間。
それが一ヶ月程です。
一ヶ月の間、傷を開いたままにしなくてはいけません。
そうすると皮膚が引っ張れなくなり、縫い合わせて傷を閉じる事が、膝のこの部分、できなくなるようです。
そうすると、植皮、皮弁術を行う必要がでてきてしまいます。
なので、もし、すぐに細菌が鎮静化していれば、別にする必要もない手術だったので、段階的に治療を行った結果でした。
いわばこの細菌との戦いの最終奥義とまではいかないものの、苦戦を強いられていたと言える状況であった結果と言えます。
後に病院関係者が、『粘り勝ちだ』と言っていました。
ただ、この時点ではまだ左脚切断の可能性もまだゼロではなく、全くもって、もう大丈夫だ。という確証のないまましばらく時間が流れる事になります。
長文になりすぎるのもあれなので、ここで一旦区切ります。
次はこの先の治療について話していこうと思います。