新卒一括採用を覆す革命

新卒一括採用を覆す"革命"は起こるのか?

「社会とは、暗黙の内に作り上げられた決め事の集合である」

「近代政治哲学」國分功一郎 からの一節


2018年9月3日 多くの社会人、大学生、メディアを震わせた

「就活ルール廃止」へと向かう動き。

この日が、どんな意味を持つのだろうか。


目次
①いつから新卒採用が始まったのか? 【新卒一括採用の歴史】
②なぜ制度は継続されるのか? 【制度に関わる"感情"について】
③どうすれば、"革命"は起こるのか。


①いつから新卒一括採用が始まったのか? 【新卒一括採用の歴史】

まずは、新卒一括採用ができた歴史から。


新卒一括採用の歴史を振り返る時に、

「買い手市場」か「売り手市場」か

というフィルターで見ると、理解しやすい。


こちらの記事を参考に、図解してみると、、


"就職協定"の歴史

新卒採用のフライングには90年の歴史がある

ルールを決めても、結局企業の利益のために、ルールが破られるのは、決して今だけの問題ではない。


新卒一括採用は、

第一次世界大戦後の好景気時に、人手不足を解消するために大学側と企業側がタッグを組んで作り上げたシステムである。


それから現在まで、景気の変動や企業によって、

不景気であれば、内定取り消し、新卒無職など、

好景気・バブル期であれば、大量採用、就職貴族など、

が様々な現象が起こってきた。


これからは、新卒一括採用はどうなるのか?


何が変わらない部分で、何がこれまでと違うのだろうか。


・景気変動による、買い手市場、売り手市場

・AIによる、仕事がなくなる説

・インターネットの普及により、流通する情報量の変化

・副業解禁

・SNSによって、個人の発信力の増加


これらの出来事が掛け算されることもあり、

ここ数年で社会は加速度的に変化してきている。


新卒一括採用で、他で言われていることについては、

ここでは書かずに、第3章で、僕なりの意見を書きます。


②なぜ制度は変わりにくいのか? 【制度に関わる"感情"について】


そもそも今の資本主義も国家も紙幣も学校も、

社会は様々な制度によって成り立っている。

新卒一括採用も、就職するという制度も、そのうちの1つである。


そもそも制度は、何によって成り立っているのか。


制度が生まれる背景にある"感情"について


制度は、"感情"によって成立している。


例えば、「人を殺してはいけない」「人のものを盗んではいけない」

というのも、そうされるのが、"嫌"だからという感情からできている。



ご存知の方もいるかもしれません、キングダムのこのシーンでも、

「"法"とは願い!国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」

と李斯が言っている。


つまり、制度は誰かの感情によって作られているので、

万人にとって正しいかどうかは別問題である。


では、そういった制度が継続している理由は何なのか。

そこをみる面白い概念があります。


過去が、現在を固定化させる「経路依存性」という概念

経路依存性(Path dependence)とは、「あらゆる状況において、人や組織がとる決断は、(過去の状況と現在の状況は現段階では全く無関係であったとしても)過去のにその人や組織が選択した決断によって制約を受ける」という理論です。


制度や仕組みが過去の経緯や偶然によって決定され、その状態にロックされてしまう傾向のこと。


合理的に考えればもっといいシステムがあるにもかかわらず、過去の成り行きによってシステムが決定され、ロックされてしまう。


この概念をもとに考えると、いくつか思い当たる節もあるのではないか。


それまでの制度が覆される瞬間が、革命である。


制度を成り立たせている"感情"

過去の制度を継続させている"経路依存性"


その制度が変わる瞬間こそが、"革命"である。


新卒一括採用においての革命は起こるのだろうか。

それについての考えを次の章で書きます。


③どうすれば、"革命" が起こるのか。


もし、新卒一括採用に革命が起こり、制度が変わるとしたら、

その革命を起こす主体は間違いなく"就活生側”である。


新卒一括採用は、企業と大学が主体となって作られたものである。


「新卒一括採用廃止へ」後のニュースでも、

就活生の声が紹介されることはあるが、基本的には、経団連、大学、政府での声が大きく取り上げられている。


(もちろん就職する側にも一定のメリットがあるからこそ、

 新卒一括採用は継続しているはずではあるが、、)


概念を変えるには、、



「概念を変えるには、事例をひとつ作ればいい」

ある経営者からのフィードバックで言われた言葉である。


「周りがそうしているから」ではなく、

「こんな未来を作りたい」からこうする。


そんな"祈り"を込めた一歩が、未来を作る。


そんな一歩を作っていけるような仕組み作りをしていきます。

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