
free raveの魅力と可能性について
こんにちは。naotsunです。わたしは野外パーティー、特にfree raveが大好きなのですが、今回は自分なりにこれまでの体験で感じたことを綴ってみたいと思います。
はじめに
この記事を書こうと思ったきっかけは、とあるパーティーでとある先輩DJに「naotsunがfree rave中心にDJやっていきたい、って言うのをSNSで見かけて、そうゆう考えもあるんだなぁって思った」と言われて、自分としてはそう思うことは自然なことだったけど、意外とそうでもないのかも。と気付かされまして、なぜfree raveに拘るのかをどこかで綴ってみたいと思ったのがきっかけでした。
かく言う私も10代の頃からHip Hopのパーティーに遊びに行き始めて、「もっとクラブに行っていい音楽をたくさん聴きたい!踊りたい!」と思い、20歳の時に無職で現金3万円を握りしめて(笑)上京し、20代はとにかく毎週末都内のクラブに通い詰めていた生粋のクラバーです。都内クラブカルチャーへの愛はまた別の機会に語れればと思いますが話を戻します。
free raveの歴史
いわゆるfree raveは自由を祝う平和活動として1990年代にヨーロッパで発祥しました。その辺の歴史的な流れはこの辺の記事がわかりやすいので興味がある方は読んでみてください。
クラバーの私がfree raveに邂逅した日
私がfree raveと出会ったのは、2015年。友達から「千葉の工場地帯でヤバいフリーパーティーがあるよ」と誘ってもらって行ったのがBLACK SHEEP vol.74-Industrial factory-でした。

その当時すでにLabyrinthやruralなどの素晴らしい野外パーティーには遊びに行っていましたが、自分の中でまたそれとは全然別の新しいチャンネルが開いて、カルチャーショックを受けました。



当時の自分はまだDJもパーティーのオーガナイズもやっていなくて、おまけに貧乏だったので「フリーでこんな素晴らしいパーティーができるのすごいな、ありがてぇ。」くらいの理解度だったのですが、あの時の衝撃は確実に今の原動力になっていると思います。(この当時はまさか自分が数年後にBLACK SHEEPに参加することになるとは夢にも思っていなかった。この辺のストーリーはまた別の機会に。)
パーティーの本質に気づいたきっかけ、そしてfree raveの醍醐味
それから3年後、私は2018年にDJ活動をするようになり、ご縁があってBLACK SHEEPにジョインし、DJ活動スタートと同時にパーティーを作る側の経験を得る機会に恵まれました。それによって、エンタメとしてパーティーを享受する楽しさだけでなく、徐々にパーティーを作っていく楽しさに気づいていきました。
そして、free raveに限らずこれは全てのパーティーに言えることですが、パーティーは「演者やオーガナイザー:お客さん」ではなく、オーガナイザーや運営チーム、演者やフロアのダンサー(お客さん)、出店の人や演出の人も全員がフラットな立場で、最高の瞬間を作っていく当事者だと思うようになりました。
さらにfree raveに至っては「NO ID,NO CHARGE」であることによって、国籍や宗教、ジェンダー、ジェネレーションなどの肩書きを取っ払って「ただの人」として純粋に「今」を楽しめる究極のギャザリングだと思うようになりました。各々が自分の持つクリエイティビティーを持ち寄って一時的に自由で平和な空間を作ることは最高にポジティブな政治的活動だと感じています。
また、その中でfree raveを継続させていくのに大事なことはPay forwardの精神だと気づきました。一番シンプルにアクションできるのはドネーションですが、お財布に余裕がない人はゴミを拾ったり、バーを手伝ったり、自分が無理なくできることをすれば良い循環が生まれると思います。それだけでなく、「自分でものの価値を決める」という訓練は普段暮らしている資本主義のシステム化された社会ではなかなか得難い経験です。この活動を未来に継げていくためにも、Pay forwardの精神とドネーション文化が広がっていくと良いなと思います。
最後に
昨今の世界情勢(終わらない戦争、無くならない差別等)や日本の政治に絶望してしまいそうだった私を救ってくれたのは音楽とパーティーでした。もう一生分遊び尽くしたかな、と思う日もありましたが、自分には死ぬまでにできることがまだまだたくさんあるな、と希望が持てました。これまでたくさん享受してきたので、周りの仲間たちやこれから出会う人たち、音楽に感謝しつつ自分の経験をシェアしながら、これからもパーティーを続けていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!