「船の挨拶』明日が初日です
明日、初日です
三島由紀夫作『船の挨拶』。
ふとしたきっかけからこの作品に出演させていただくことになったのですが、まあ大変で。
30分間ほぼ喋りっぱなしの一人芝居。
日常、哲学、幻想が恐ろしい速さで入れ替わる舞台です。
おかげさまで今日小屋入りだというのにまだ色々と考え、試行錯誤しております。
演じてわかるのは、三島由紀夫は凄まじい文豪だなあ、ということ。作品の熱量や構成の妙、言葉選び、緻密に作られていると感心します。
口に出して初めて気づくこともたくさんありました。
そんな大文豪なので、観客も「三島だから」観にくる人、「三島だったら何でもいい」人と、三島目当てで観にくる方が多いと思います。(三島だから絶対観に行かないという人もいるとは思いますが)
昨日まではそのあやふやな『三島』感みたいなものをどうにか表現しようと躍起になっていた気がします。勝手に想像した巨大なる三島由紀夫の影に怯えているというか。
でも違うな、と。
生身の人間が、令和のこの世に演じることてしか出来ないことを観ていただかなくてはな、と。
かつて『黒蜥蜴』に出演した時、三島由紀夫さんの奥様が「三島の作品が古びないように今の時代に即したものに(台本の設定などを)変えてもいいですからね」と仰ったという話を聞きました。今回、台本、台詞の改訂はありませんが、今の世に生きるすべての人に通じるテーマがこの『船の挨拶』にはあります。
そのことを今一度胸に刻み、今、この作品をやる意義を見出すために、演技を再構築しています。
分解、再構築です。
ギリギリまで出来うる限りのことをします。
がんばります。
是非観に来てください。
直塚和紀
船の挨拶〜モノロオグ一幕/燈台
作/三島由紀夫
アポロの杯 The Cup of Apollo Theater(三島由紀夫作品上演団体)
座・高円寺2
チケット/5000円(全席自由)
2023年1月27日・28日
27日 13:00~/18:00~ 28日 12:00~/17:00~
『船の挨拶』
演出/木澤攘 出演/直塚和紀 石崎翔子(チェロ)
美術/鍵井保秀 照明/照井晨一 舞台監督/今野幸彦 演出助手/岡本泰宏 衣装/南生子
『船の挨拶』
伊勢湾に浮かぶ小さな島の灯台員、益田一郎。船の往来を観察し、報告するのが彼の仕事。
その平凡な繰り返しに倦みながらも仕事を続けている彼の目に映るものは…。
三島由紀夫が『潮騒』の取材で訪れた島をモチーフに描いた短編戯曲を一人の俳優と
チェロ演奏者のみで上演します。
同時上演は同じく三島由紀夫作品『燈台』。
チケットはこちらから
https://teket.jp/4681/16136
当日券もございます、是非劇場へ!
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