APRIL 2023
4月。暖かくなって寺町通の人通りも凄く増えた。
日本中、世界中から観光客がたくさん。
店を覗いてくれる方も多くなり、色んな話を聞けたり、とても楽しい。ありがとうございます。
骨董業界では春になり業者間のオークションや交換会も賑わって来て、仕入れに力が入る時期。
色々と新入荷もあるので是非お店に遊びに来てください。
うちで扱わせてもらっている焼き物に河井工房のものがある。
河井工房というのは、河井寛次郎に師事した甥である河井武一さんを初代とする焼物工房で、故 河井武一さん、息子の故 河井透さん、当代の河井亮輝さんと三代続いている。
亮輝さんとのご縁で河井工房の南丹窯にお邪魔させてもらって、うちで武一さん、透さんの焼物を販売させてもらっている。モダンなデザインと民藝の温かみが同居した器は食卓に並べると凄く良い。
以前預からせてもらった焼物たちがほとんど出て行ったので、今回再び南丹窯にお邪魔して沢山の器を預からせてもらいました。
当店レジ下のショーケースに並べているので、是非一度手に取ってみて下さい。
夜は亮輝さんにご飯に連れて行って頂き、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。ありがとうございました。
実はゴールデンウィーク前に休みを取り、毎年カリフォルニアで行われるCOACHELLA VALLEY MUSIC AND ARTS FESTIVALに行ってきた。
今年はFRANK OCEANがヘッドライナーという事で1年前からチケットを取って物凄く楽しみにしていたけど、ロサンゼルスに着いて会場に向かうレンタカーの中でまさかの出演キャンセルの発表。
ガ、ガーン…
コーチェラ自体を楽しみにしていたとは言え、やはりFRANK OCEANへの気持ちの比率が高かったので、大ショック。
しかし、どうしようも無いのでフランク・オーシャンはユニコーンなんだと気持ちを切り替えて臨む。
コーチェラへ行くのは2度目だけど、本当に規模がデカい。日本の大きなフェスだとフジロックフェスティバルとかサマーソニックとかあるけど、あれの1番デカいステージより更にデカいステージがメインステージ。音も超デカい。フジロックの方が音は良いと思うけど、コーチェラの方が迫力は10倍はある。
それからコーチェラは夜が良い。照明も会場のライトアップもとにかくど派手。
気温も良い。
完全にエンターテイメントに振り切っている。ど派手な祭りじゃ!
昼は暑い。もはや熱い。脳髄がお湯になってしまう。とてもビールなんか飲める気温じゃない。
今まで旅した国でも、トップに暑かったのはやはりアメリカ。コーチェラにラスベガス。
というか砂漠だからか。
でも砂漠でもインドのジャイサルメールなんかはここまで暑くはなかった印象。
コーチェラではとにかくレモネードが美味しい。ポカリスエットみたいな感じ。
たくさんのライブを観たけど、特別印象に残ってるのはDinner Party。ロバート・グラスパーやカマシ・ワシントン、9thワンダーとかテラス・マーティンの組んだスーパーバンド。
生でここまで最高の演奏をされると、もうどうしたってかなわない。
高校時代に大好きだったBlink182も良かったなあ。あれから20年近く経って初めて観た。
観客もオシャレして来てて、気合いを感じる。
そんでロサンゼルスに戻ってからはMuseum of Contemporary Art Los Angeles (MOCA)に行ってきた。
前にMOCAに行った時の印象が凄く良くて、久々に行きたくなって。
今回はHenry TaylorのB Sideという企画展をやっていた。
ヘンリー・テイラーの描くポートレートは、当然表面をなぞるだけじゃなくて、その誇りや、生きてきた時間や経験などが内包されてる様に感じて、とてもとても良かった。静かで凛としていた。
今回はアフリカンアメリカンのポートレートがメインだったけど、いろいろな人種のポートレートも描いているようなので他も見てみたくなった。
アジア人も描いている。
アメリカのような多民族国家にいると、日本にいる時よりもより人種を意識してしまう。自分がアジア人だということ。
カルチャーが違えど、同じ言葉を話し、共に暮らす人々。
アジアの日本という国から来た旅行者の目線ではそこに暮らす人々の意識はわからない。ただ英語の上手くはない旅行者に親切にしてくれる人々と、目に映る生活があるだけだから。
想像の中にある偏見をなるべく取り除くように意識して、その瞬間を感じること。相手の立場になって考えること。想像すること。魂と魂で通じ合えるように意識するだけ。
それから、MOCAの目の前にあるThe Broadにも行った。ここも現代アートの美術館で、建築がまるで宇宙船のようで格好良い。
前に行った時もここでジャン=ミシェル・バスキアの絵を見たりキース・ヘリングの絵を見たりしたけど、久々の再会。
バスキアグッズなんか巷に溢れているけれど、本物を前にするとハッキリ言ってビビる。大袈裟じゃなく目に入った瞬間にとてつもないエナジーが体を通り抜ける。
キース・ヘリングもそう。もう目に入った瞬間にビリビリ来て動けない。
なんと言えば良いのかうまい言葉が見つからない。ただ、作家や作品の価値や時代背景、技法とかそういう知識は宇宙の遠くに飛ばされて、ただただその作品と向き合わされる。もはや鑑賞というよりも体験と呼びたい。
初めて河井寛次郎を見た時も同じようにビリビリ来たことを覚えている。
とてつもないエナジーを持っている作品はやっぱり素晴らしい。生まれ変わった様な気分になる。
それは作風といった表面的なことだけでは無く、その作品が生まれるに至る作家の経緯、内包されたエナジーに無意識に共鳴し、打ちのめされ、奮い立たされているのだと思う。
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