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Hasselblad 20XシリーズとCFVII 50Cの接続について
みなさん、こんにちは。
Hasselblad 907X 50Cを購入しましたが、最新のカメラボディとXCDレンズを用いる以外に、CFVII 50C(デジタルバック)とこれまでのカメラを使ってデジタル撮影できるのが本製品の魅力です。そこで、こちらのエントリでは、Hasselbladのデジタルバック「CFVII 50C」を20X系カメラ(主に203FE)と接続して使用する方法についてを書き記しておきます。
はじめに
Hasselblad 907X 50Cの購入経緯については、別記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。
Hasselblad 20Xシリーズについて
Hasselbladと言うと、500C/Mのような50X系の製品が浮かぶことが多いですが、20Xシリーズはフォーカルプレーンシャッターを内蔵したHasselblad製品です。もともとHasselbladの民生用製品は1600Fと呼ばれるもので、当時はカメラボディにシャッターが内蔵されていました。
撮影の歴史を見てみると、撮影においてストロボ撮影が発展している頃で、このストロボ撮影に順応していくためにレンズシャッターを使ったカメラを開発。その中で登場したのが500C。1/500秒までのストロボ全速同調を実現させたことから、多くのプロユーザが利用し始めたという経緯があります。
ただ、このカメラは500系とは見た目も仕様も少し変わります。大きな差の1つがフォーカルプレーンシャッター。これにより500系のカメラと比べ高速シャッターが切れるようになっています。専用のF/FEレンズを使うことができるのが最大の特徴で、FE 110mm f2などは伝説的な存在として表現されています。
写真:Planar T* 110mm F2を取り付けたHasselblad 203FE
私が持つ203FEの場合、Cレンズも使うことができます。シャッターをレンズ側にするか、カメラボディ側にするかをしっかり設定しなければなりませんが、どちらのシャッターも使うことができるので、汎用性が高いという解釈もできます。
CFVII 50Cのセットアップ
20XシリーズとCFVII 50Cを接続するためには、フイルムマガジンの代わりにCFVII 50Cを付け替えるだけです。ただしCFVII 50Cは、取り付けられたカメラを自動的に20Xシリーズのカメラと認識しません。そのため、デジタルバック側で取り付けたカメラの指定をする必要があります。
CFVII-50Cの画面。ここからカメラ種類を選択します。
CFVII 50Cは、タッチパネルを搭載していますので、タップしていくだけで用意に設定することが出来ます。細かい製品名が出ているわけではなく、500、200、ELXなど、カメラのカテゴリ的な分類で指定しますので、取り付けるカメラと同じ名前の選択肢があるわけではないことに注意が必要です。
また、この手順は旧製品のCFV、CFV-39等であっても表示の仕方は違えども、設定方法が一緒でして、カメラボディを「200」と設定する必要があります。自身は203FEを使用していますが、201FAや505FCCでも利用することが可能と思います。
(参考)一部の20X系製品の接続における注意事項
CFVII 50Cのカメラ設定を見ていると、200と言う選択肢以外に、200 modified という設定があることに気づくでしょう。これは、20Xシリーズをデジタルバックと接続できるように改造したカメラを指します。この改造をしてもらわないと一部の20Xシリーズでデジタルバックとの接続ができない可能性があります。
以前はディストリビュータを経由してHasselbladのヘッドオフィスに機材を搬送し、作業してもらった記憶があります。50,000円程度の費用も発生したと思います。こうしたいろいろな積み重ねを経てデジタル体験ができるようになるのです。
写真:203FEに取り付けられた改造済の証
私の場合、203FEボディが改造されており、その証となるエンブレムが付いています。このカメラの場合は、「200 Modified」を選べばOKです。改造されていない場合でもCレンズであれば撮影はできるものと思います。例えばCレンズのシャッターを使用する場合は、カメラボディを500に設定しておくことで、デジタルバックとの同期がとれたような、そんな気がします。
ただFレンズの場合は改造が必要かもしれません。こちらについては、詳細が判明次第、追記させていただければと思います(時期未定)。
(参考)シーン・キャリブレーションの実施
CFVII 50CをSWCに取り付けて、デジタルバックのセットアップをすれば、後は撮影するのみですが、ここでもう一つTipsを書きます。それが、「シーン・キャリブレーション」のセットアップです。
シーン・キャリブレーションが何かと申しますと、レンズのコーティング剥がれなどに起因する色ムラの除去や周辺光量の調整を行う事ができる機能です。Hasselbladの現像ソフト「Phocus」を経由して適用することが出来ます。こうした一手間を加えることで、20Xシリーズで撮影された画像をより鮮明にし、一段上の画像を生成することができます。
しかしながら、前途の色ムラや周辺光量落ちはオールドレンズの愉しみと解釈する人もいらっしゃると思います。ですので、本機能は必ずしもやる必要はないと考えます。ただ、事前に設定をしておけば、現像時、Phocusで適用する、適用しない、を選ぶことが出来ます。これは表現・選択の幅が広がると言う解釈にもなるわけです。
繰り返しになりますが、どのような写真にしたいのか?というフォトグラファーの意図に応じて使い分けしていただければと思います。
設定方法については、別記事にも書いていますので、よろしければ以下の記事を参考になさってください。
最後に
いかがでしたでしょうか。SWCを持っており、かつデジタルバックで撮影されるユーザがどれだけいらっしゃるのかはわかりませんが、もしこの記事が役立つのであれば、それは相当希少な方ということになるかもしれません。
他にもHasselbladのカメラで特徴的な製品は多々あります。それぞれ設定の仕方が微妙に異なるものの、こうしたはるか昔からあるカメラを最新のデジタルカメラシステムとして使えるというのは、本当、凄いことだなと改めて感じる所存です。
本記事がHasselbladユーザに有益なものとなれば幸いです。
(追記)HasselbladのFacebookなどでCFVII 50Cの互換性を示した表がありました。本家のほうが正しい情報だと思いますので、合わせてご確認くださいね。
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![Naoto Takazawa](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11828424/profile_df11a8014c8a7282dc54e170169abfa8.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)