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Hasselblad SWCとCFVII 50Cの接続について

みなさん、こんにちは。

Hasselblad 907X 50Cを購入しましたが、最新のカメラボディとXCDレンズを用いる以外に、CFVII 50C(デジタルバック)とこれまでのカメラを使ってデジタル撮影できるのが本製品の魅力です。そこで、こちらのエントリでは、Hasselbladのデジタルバック「CFVII 50C」をSWC系カメラと接続して使用する方法についてを書き記しておきます。

はじめに

Hasselblad 907X 50Cの購入経緯については、別記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。

Hasselblad SWCについて

カメラボディにCarl Zeiss T* Biogon 38mm F4.5 という広角レンズが組み込まれた製品です。35mmレンズ換算で約21mm換算となりますが、広角レンズに特有の歪みも少なく、このカメラの写りに魅了されたユーザも多くいると聞きます。なお、Super Wide Cの頭文字からSWCという名前がつけられたという由来があり、SWCはBiogonを使うために作られたとも言われているプロダクトです。

それ故に、このカメラはレンズ交換が出来ません。ファインダーは外付けの物を使い、目測でピントを合わせ、シャッターを切ります。Hasselbladらしいシャッター音はなく、とても静か。ミラーもありませんので、現代的にはミラーレスカメラと言い表すこともできますね。

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写真:CFVII 50Cを取り付けたHasselblad 903SWC
ファインダーはホットシューに取り付けます。

他のカメラと比べるとカメラ自体も小さく、撮影画像をすぐに確認できるメリットも有ることから、持ち運びにも適していますし、デジタル撮影にも向いている気がします。

CFVII 50Cのセットアップ

SWCとの接続は、フイルムマガジンの代わりにCFVII-50Cを付け替えるだけです。ただ、CFVII-50Cは取り付けられたカメラを自動的にSWC系のカメラと認識しません。デジタルバック側で前面のカメラがどの製品なのかを指定する必要があります。

スクリーンショット 2022-03-03 22.05.59

CFVII-50Cの画面。ここからカメラ種類を選択します。

CFVII-50Cは、タッチパネルを搭載していますので、タップしていくだけで用意に設定することが出来ます。細かい製品名が出ているわけではなく、500、200、ELXなど、カメラのカテゴリ的な分類で指定しますので、取り付けるカメラと同じ名前の選択肢があるわけではないことに注意が必要です。

また、この手順は旧製品のCFV、CFV-39等であっても表示の仕方は違えども、設定方法が一緒でして、カメラボディを「SWC」と設定する必要があります。自身は903SWCを使用していますが、SWC/Mや905SWCでも利用することが可能と思います。

(参考)旧製品との接続における注意事項

CFVII 50Cはバッテリーがデジタルバック内に内包されるような格好になっていますが、旧来の製品(例:CFV、CFV-39等)の場合、バッテリーをデジタルバックの下部にバッテリーが取り付けられない自体に見舞われるかもしれません。

これを回避するためには、バッテリーを装着するためのアダプタを介する必要があります。旧来製品の同梱物の中にL字型のアダプタが入っているかもしれません。これを用いて、バッテリーと三脚座が干渉しないようにするのです。

・・・とテキストで書いても伝わりにくいかもしれませんので、以下に画像で事象を示します。

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例として、CFVIIとSWCを接続した画像を示します。
バッテリーを取り付ける部分に、三脚座が干渉してしまいます。

そこで、L字ブラケット?を用いてバッテリーの取り付け位置を変えます。

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L字ブラケットを取り付けた様子

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電池を取り付けることが出来ました。
これで屋外でも撮影ができますね。

※ちなみにこのケースはHasselblad社が発売したデジタルバックを取り付ける際に起きる事象です。PhaseOneの場合はこうした干渉は発生しないと思います。

(参考)シーン・キャリブレーションの実施

CFVII 50CをSWCに取り付けて、デジタルバックのセットアップをすれば、後は撮影するのみですが、ここでもう一つTipsを書きます。それが、「シーン・キャリブレーション」のセットアップです。

シーン・キャリブレーションが何かと申しますと、レンズのコーティング剥がれなどに起因する色ムラの除去や周辺光量の調整を行う事ができる機能です。Hasselbladの現像ソフト「Phocus」を経由して適用することが出来ます。こうした一手間を加えることで、SWCで撮影された画像をより鮮明にし、一段上の画像を生成することができます。

しかしながら、前途の色ムラや周辺光量落ちはオールドレンズの愉しみと解釈する人もいらっしゃると思います。ですので、本機能は必ずしもやる必要はないと考えます。ただ、事前に設定をしておけば、現像時、Phocusで適用する、適用しない、を選ぶことが出来ます。これは表現・選択の幅が広がると言う解釈にもなるわけです。

繰り返しになりますが、どのような写真にしたいのか?というフォトグラファーの意図に応じて使い分けしていただければと思います。

設定方法については、別記事にも書いていますので、よろしければ以下の記事を参考になさってください。

最後に

いかがでしたでしょうか。SWCを持っており、かつデジタルバックで撮影されるユーザがどれだけいらっしゃるのかはわかりませんが、もしこの記事が役立つのであれば、それは相当希少な方ということになるかもしれません。

他にもHasselbladのカメラで特徴的な製品は多々あります。それぞれ設定の仕方が微妙に異なるものの、こうしたはるか昔からあるカメラを最新のデジタルカメラシステムとして使えるというのは、本当、凄いことだなと改めて感じる所存です。

本記事がHasselbladユーザに有益なものとなれば幸いです。

(追記)HasselbladのFacebookなどでCFVII 50Cの互換性を示した表がありました。本家のほうが正しい情報だと思いますので、合わせてご確認くださいね。

CFVII 50C対応表01

CFVII 50C対応表02


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Naoto Takazawa
大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。