【中小企業診断士】私の勉強方法【一次試験】
こんにちは。中小企業診断士のなおとです。
noteをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、中小企業診断士の一次試験に臨んだ際の私の勉強方法をお伝えしたいと思います。
私は中小企業診断士の勉強をするのは初めて、2009年7月頃から情報収集&少しづつ勉強開始、2010年8月の一次試験合格しました。
一次試験合格後、養成課程を受講して中小企業診断士の資格を取得しました。
2010年合格でかなり情報が古く参考にならない点も多いかもしれませんが、中小企業診断士の資格取得を目指して勉強中の皆様、これから勉強開始される皆様の少しでも参考になれば幸いです。
(※本記事は2014年頃?他ブログに執筆した内容をほぼそのまま載せています。熱量や雰囲気は参考にして頂ける点があるかもしれません。)
【1】中小企業診断士 一次試験の結果(2010年8月)
中小企業診断士 一次試験(2010年8月)、私の試験結果は以下の通りです。
合計499点で一次試験に合格しました。
通常、一次試験の合格率は20%台が多い中、2010年(平成22年)は一次試験合格率15.9%とかなり難しかったようです。
※参考資料 中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移
特に試験一日目の一科目目、『経済学・経済政策』がとても難しく40点とれる手ごたえを感じず、この時点で2010年の一次試験は確実に落ちたと思いました。実際、2010年の『経済学・経済政策』は科目合格率6%と相当難しかったようです。
(※一次試験は合計420点以上なら合格だが、一科目でも40点未満があるとその年の一次試験は不合格。)
※参考資料 平成22年度 一次試験結果
次項から、勉強開始前の私の状態~一次試験合格までの勉強過程などについて書きたいと思います。
【2】中小企業診断士の勉強開始前の状態(2009年7月)
中小企業診断士の勉強開始前(2009年7月)の私の状態は以下の状況でした。
【3】独学か?学校通いか?悩む(2009年7月)
勉強開始前、独学でいくか?学校通いか?かなり悩みました。
とりあえず、家から近い池袋で資格学校大手のTAC、LEC、大原に行って、それぞれの学校の話を聞きました。
並行して、池袋のジュンク堂で中小企業診断士のテキストや過去問を読み漁り、独学の可能性を模索しました。
検討の結果、
●勉強範囲が膨大な事
●独学で勉強を進めていくイメージが沸かない
為、TACで勧められた【一次アプローチ講義】(6月からやっていた。価格は1万位。全5回とテスト。)がお手頃だったので、まずは【一次アプローチ講義】を受けてから独学か通学か判断することにしました。
【4】TAC【一次アプローチ講義】受講&簿記独学(2009年7月~9月)
ということで、7月中旬からTACの【一次アプローチ講義】を受講することにしました。
当時は「自宅でWeb学習」か「TAC校舎のDVD室で受講」か選べましたが、通学のイメージも掴みたかったので校舎でDVD受講することにしました。
当時の【一次アプローチ講義】は企業経営理論と財務会計の内容がメインでした。(2024年現在は財務会計が中心みたいです。)
この受講を通して、勉強のイメージができた事、講義の中で勉強の進め方や気持ちの持ち方など話を聞けた事、は非常に大きかったです。
また、テキストや過去問を読み漁った結果と【一次アプローチ講義】受講が進むにつれ、他科目は暗記などで対応可能だが【財務会計】だけは確実に足を引っ張ると思い、7月中旬から簿記3級から2級を独学で始めました。
テキストはTAC出版の「スッキリわかる日商簿記シリーズ」を利用しました。
ストーリー仕立てでテキストが進んでいくので、初心者の私でも取り組みやすかったです。問題もついてるのでアウトプットもでき、さくさく勉強が進みました。
仕訳の事、BSとPLの作成、をこのタイミングで理解できたのは大きかったです。
財務会計の試験の中で簡単な仕分けなどのサービス問題も何問かあるので。
ただ、簿記2級の工業簿記は相当苦労しました。しっかりと理解しきれず途中で断念しました。このタイミングで全体進捗を止めるのは良くないと思ったので、あとあと考えると良い判断だったのかな?と自分では思います。
今のTACの「先行アプローチ講義」でどれくらい財務会計突っ込んでるのかわからなくて申し訳ないですが、早いタイミングで【財務会計】の対応を始めたのは一次試験を一発合格できた大きな要因の一つだと思います。
【5】TACで勉強することを決断(2009年9月)
9月にTACの【一次アプローチ講義】受講完了、簿記2~3級の独学も工業簿記は微妙ながら一通り完了。
7月中旬から9月中旬、上記2つに30時間づつの計60時間くらい費やしました。
【一次アプローチ講義】の最後のテストは講師の方が
『この時点では3割程度しか出来ないと思う。逆に満点近くとれたら自信をもっていい。』と言われる中、爆裂の96点。!(^^)!
勉強始めてから初めて自信が持てました。(*´ω`)
で。いよいよ独学か?通学か?
今後一年間の勉強方針を決める時が来ました。
結論、TACに通って頑張る事にしました。
理由は幾つかありますが、
などが挙げられます。
また、最初にTACに話を聞きに行った時に無料で頂いた合格体験記集の本を何度か読み、TACのカリキュラムに沿っていれば一発合格できる気持ちになっていたのも大きいです。
改めて思い返すと完全にTACのマーケティング戦略に乗っかっている、通学するにしてもLECや大原とのしっかりとした比較は行ってない、などなどありますが、ちゃんと一次試験を一発合格できたので本当に感謝感謝です。
何れにしても、TACに決めた理由は【一次アプローチ講義】の存在が最も大きかったです。
【6】勉強方針確定&TAC申込(2009年9月)
ということで晴れて?TACに受講申し込み。
【1・2次ストレート本科生】というコースの通学コースを申し込みました。
いつ仕事や家庭の都合で通学できなくなるか分からなかったので、音声フォロー・Webフォロー(講義の内容を音声ダウンロードかWebストリーミングで学べる。当時はプラス1~2万程度?)を併せて申し込みました。
(※現在はWebも標準装備? 受講時にご自身でご確認ください。)
あとは勉強方針の確定。
TACで頂いた合格体験記集を参考に勉強方針を検討。
当時、Excelファイルに日々の勉強時間・概要・テスト結果など記録していたのですが、その管理ファイルに記載していた勉強方針をそのまま転記します。
基本的には上記方針にのっとって勉強を進めました。
【7】TAC受講開始、快調な滑り出し(2009年10月~12月)
いよいよTACの受講開始。
最初の科目は企業経営理論。
私の勉強の仕方の主な流れは、
企業経営理論だけではなく全科目、基本はこの流れで毎週勉強を進めました。カリキュラムから一度遅れると取り返しがキツイと思い、とにかくカリキュラムから遅れないことは強く意識しました。
あとは【移動時間の有効活用】が大きかったですかね。
通勤時間や打合せ移動など含めると一日約1.5~2時間はあったので、歩いている時はひたすら講義の音声を聴く、ホームで電車待ちや電車内ではトレーニング(○×の一問一答)をひたすら解きました。
それと、自分はアウトプット重視で勉強していたのでTACのスピード問題集を購入、これも各問題3回正解するまで解きました。
モチベーションが高かった&肉体的にも精神的にも疲労が溜まっていなかったこともあり、上記サイクルにのっとって快調なスタートでした。
企業経営理論の講義、財務会計の講義、と続きましたが、それぞれの基本講義が終わった後にテストがあり、どちらも90点以上とれたので今のやり方でいけそうだなとかなり手応えを感じました。
なんとかなるのかな?と手応えを感じつつ、11月からTACの正式なカリキュラム以外に、通っていたTACのクラスの有志による二次試験の勉強会があったので参加し始めました。
【8】さよならサッカー&二次試験お勉強(2009年12月~2010年1月)
快調な滑り出しで企業経営理論と財務会計の勉強をこなしましたが、12月頃からTACのカリキュラムについていくのが厳しくなり、睡眠時間を削って勉強をするようになってしまった為、効率良く勉強が進んでないことを実感するようになってきました。
大きな理由は11月から参加し始めた【二次試験の勉強会】でした。
日曜午前午後に講義を受けた後、夕方から二次試験の勉強会に参加していましたが、そこで日曜の夜がつぶれる&勉強会の宿題で平日も時間をとられたことで一次試験の勉強に影響がでてきてしまいました。
このままではまずいと思い、それまで毎週土曜AMに参加していた草サッカーは1月から試験終わるまでお休みすることに決め、土曜日の勉強時間を確保。
これで良化するかと思ったのですが一度崩れたペースはなかなか戻らず、肉体的にも精神的にも疲労が溜まり、それまでは勉強が楽しくてモチベーションも高かったのですが、どんどんと勉強が苦痛になりつまらなくなってきました。
もうこれは完全に自分のキャパを超えてるし、これを続けると一次試験も絶対無理だな、と感じたので、1月で二次試験の勉強会は辞めることを決断。
一次試験が終わるまでは二次試験の勉強はTACの正式なカリキュラムだけにして、まずは一次試験に注力することにしました。
ここの判断は本当に難しかったです。
理想は二次試験の勉強もしつつ一次試験もしっかりとこなして一発合格、というのは分かるのですが、完全に自分のキャパシティの問題ですね。確保できる勉強時間と自分の能力を考えると、一次試験と二次試験の両方に注力していくのは自分には無理でした。
一つ幸いだったのは、この判断が遅れて3月4月までズルズルといっていたら一次試験も無理だったと思うので、1月のタイミングで決断できた事、また、一度は二次試験の勉強にも取り組んだ結果の判断だったので【まずは一次試験に注力】ということに迷いは全くなくなりました。
この点は良かった事だと思います。
【9】なんとなくペースを取り戻す&一次試験の勉強一回転終了(2010年2月~4月)
『さよならサッカー&二次試験お勉強』の苦渋の決断をしてから、すぐにペースが戻ることは無かったですが、TACのカリキュラムについていきつつアウトプット中心の勉強で一次試験の勉強、一回転目を終了。
各科目の基本講義終了後に養成答練というテストがあったのですが、そこは全科目80点以上とれました。
一日一科目、本試験より簡単な問題でしっかりと成績を残せなかったら、二日で七科目の本試験に耐えられないし5月~7月の仕上げ期間に進捗悪い科目を複数作りたくなかったので、このテストは勉強の目標・ペースメーカーにしていた為、その意味では勉強のペースは取り戻せたのかな?と感じました。
TACでもらった科目毎の重要度・試験出題可能性ともに低い分野(経営情報システムのITILとか)は完全にスルーしたことも結果良かったと感じています。
また、二次試験の有志お勉強会は離脱しましたが、TACの正式なカリキュラムの二次試験講義と演習はしっかりとやりました。カリキュラムにのっとってのスケジュールだったので(私にとっては)過度なスケジュールにはならず、以前ほど苦労なく二次試験の勉強に取り組めました。
【10】一次試験の勉強二回転目、完全にアウトプット中心(2010年5月~7月)
4月末で一次試験の勉強一回点目は終了、この時点で累計勉強時間が700時間(※)に到達しそうな勢いだったので、もうここまできたら何が何でも一次試験は一発合格したいと思い、モチベーションが上がりました。
※移動時の勉強時間も含む。累計勉強時間の約700時間のうち、アプローチ講義と簿記で60時間、二次試験勉強で50時間。
5月からの一次試験勉強二回転目はTACの講義を受けつつ、あとはスピード問題集や過去問題集をとことんやる、間違えた箇所は正解するまで反復、の完全にアウトプット中心の勉強になりました。
追加でやったことと言えば、まだ財務会計に若干の不安があったので、財務会計集中特訓という問題集を購入。毎日1~2問は解くようにしていました。
それと、春先から家庭の事情で日曜日に通学することが難しくなってしまい、テストの時だけ通学、講義受講はWebフォローが中心となりましたが、既に勉強のペースは出来上がっていたのであまり違和感なく勉強に取り組めました。
6月末のTAC公開模試では全科目60点以上、計500点近くとれたので、焦らずに過去問中心、体調管理だけ気を付けて本番に臨もうと思いました。
一次試験前、合計の勉強時間は約900時間でした。
(移動時の勉強時間も含む。約900時間のうちアプローチ講義と簿記で60時間、二次試験で50時間。)
【11】一次試験本番、一発合格(2010年8月)
多少の紆余曲折はありましたが概ね順調に勉強がすすみ、一次試験本番。
結果は前述のとおり。
合計499点で一次試験に合格しました。
勉強開始当初にたてた方針、
財務会計、企業経営理論、以外の暗記科目で貯金する。特に自分の経験活かして情報システムで貯金。
にほぼほぼ近い形で結果を出せました。
「経済学・経済政策」だけは誤算、本当に焦りましたが、その前までのテストや模試では70点以上とれるよう仕上げていたので何とかギリギリ踏ん張れたのかな?と思います。
試験当日は完全に落ちた、全てが終わったと思い本当に焦りましたが。。。
【12】まとめ
すみません。もっと簡潔に書こうと思ったのですが、受験当時の勉強記録のファイルなど見返しながら執筆していたら色々と思い出してしまい止まらなくなりました。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。
最後に、私はこれを意識したのが良かったのかな?と感じた事のまとめです。
中小企業診断士を受験するのは社会人の方が多いと思います。
皆様、お仕事や家庭などで時間確保が一番の課題になると思います。
私はTACと決めたら、そこ一択で勉強。
結果、効率的に勉強できて良かったと感じています。
正直、大手の資格学校であればテキストや講義の精度はそれほど変わらないと思います。自分が信じられるかが大事かな?と。
大手の資格学校は何年も診断士勉強で飯を食っているプロなので、彼らの分析と話す言葉は非常に参考になると思います。
あとは最近よくみる通勤講座など安価な講座がどうかな?というのは気になります。
隙間時間の有効活用、勉強のペースメーカーになればコストパフォーマンスは良いかもしれません。
私は自分で利用したことがないので何とも言えませんが、無料講座もやっているようなので勉強方法が確立していない方は試しに無料講座だけ受けてみるのも良いかもしれません。
最後に。
私は初学で一発合格を狙い、自分の能力と時間の不足から一次試験と二次試験の並行勉強に挫折、一次試験に注力しました。もし初学で同様に一発合格を目指す方は一次試験と二次試験の勉強時間のバランスに十分気を付けてください。
正直私はあのまま有志の勉強会で二次試験の勉強も続けていたら、気力も萎えて時間も足らず、一次試験受験までも辿り着かなかったかも、と思う時があります。
二次試験は一次試験合格者が受けられる試験です。
ご自身の時間や能力などキャパシティを把握、中長期的な計画を踏まえた上で取り組んで頂ければと思います。
一次試験に一発合格して、かりに二次試験に落ちても翌年腰を据えて二次試験に取り組む、という選択肢もあると思います。
中小企業診断士になってからお客様支援では色々なケースが出てきますが、実現可能性(ファジビリティスタディ)が非常に重要になります。
そこを踏まえてまずはご自身の実現可能性というところを意識しながら勉強を進めると良いかもしれません。
診断士の勉強は長丁場で広範囲になり大変な事もあると思いますが、頑張ってください。陰ながら応援してます。
また本記事が、診断士の資格を取得しようか検討中の方、何か資格取得を考えいている方、皆様に少しでも参考になれば幸いです。
それでは、駄文長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。