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Tokyo Music AI Gathering — 東京・日本を、音楽のためのAI研究の世界的な中心地に!
来る2月5日、Sony AI, Sony CSL, YamahaさんとNeutoneの研究者、エンジニアを中心に、Tokyo Music AI Gatheringが初開催されます。そこで基調講演をさせていただくことになりました!
少し意外かもしれませんが、AI研究も、音楽分野に限っていうと、シリコンバレー一極集中では必ずしもありません(もちろん影響力は強いですが)。Sunoなどがあるボストン、QMUL(音楽AIの博士・修士の研究者が100名以上在籍)などがあるロンドン、IRCAMがあるパリなどに大きなコミュニティがあります。そんな中、東京そして日本を、AIと音楽に関する次の世界的な中心地にしよう!というのがこの試みの趣旨です (そのため、講演・議論は全て英語で行うそうです)。
海の向こう側に目をやると... 目が飛び出そうなほど高い生活コストの中で優秀な研究者を雇うためには、巨額の資金が必要。VCの巨額投資が入ると、ビジネスを「スケール」することを求められる... 研究者とエンジニアばかりで構成される同質なコミュニティ(すいません、だいぶ議論を端折ってます)。シリコンバレーの音楽AIスタートアップが、民主化という体のいい言葉の裏で、AIを使って音楽をいかに安く大量につくるかという話に終始しているのもうなづけます。
それに対して、東京・日本には、豊かで多様な音楽文化 (ライブハウス、クラブ etc)、電子楽器の歴史 (Yamaha, Roland, Korgさんなどなど)など、向こうにはない優位性があります。あわせて、リーズナブルで高い生活水準に惹かれて、海外からもAIと音楽に関する研究者が既に集まってきています(Neutoneのメンバーも、一人以外は皆海外からの移住者)。生活コストの安さは、スケール, ROIを極端に重視しなくても良いという「余白」にもつながります。
そもそも、AIと音楽の研究は、何か問題を解決するとか、〇〇%精度の向上に成功したといった、エンジニアリングの問題ではないはずです。アーティストと共に音楽文化を深めていくことにどれだけ真剣に向き合えるか... 音楽をAIで「解決」しようとするシリコンバレー・モデルとは異なる、音楽文化にとって価値あるAI研究、AI開発を進めるための土壌が東京・日本にはあると信じています。
AI、音楽、創造性等々に興味のある方、企業の方々にもぜひご参加いただきたいイベントです。無料です! 22日が参加登録の締め切りなので、ぜひお忘れなく!