[日記] M.シェーファー 『世界の調律』
ずっと積読だったM.シェーファーの『世界の調律』を読んでる。ニューエージ的なサウンドスケープ論だと思ってたら(失礼)、もっとずっとスコープが広い本だったんですね。
人を取り巻く「音」が時代、社会体制とテクノロジーとともにどう変化してきたか、それが時代精神とどう相互作用しているか、音楽に与えた影響などなど。サウンドスケープとは何かというサブタイトルはむしろミスリーディングとすら思える。
ギリシャ、ローマの古典からマクルーハン、バッハからジョン・ケージ、ビートルズまで引用の幅はとてつもなく広く博覧強記って感じですが、ぜんぜん嫌味がなく、むしろ読んだ後に自分の視野がスッと広がるような、気持ちよさ。カールソンの『沈黙の春』を読んだ時の感覚に近いかもしれない。
音、音楽に関わる人は全員読むべし。
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