卒業生へのメッセージ 2020.3
《昨年3月に慶應義塾大学SFCの徳井研究室の卒業生に送ったメッセージ》
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます! 🌸
徳井研の一年目に、大学最後の一年という非常に大事な時期を共に過ごさせてもらったことを感謝します。進学される方も、社会に出る方もそれぞれの道で頑張ってください。
別のところでも話したのですが、大学卒業後のこの時期、どうしても先行きが見えなかったりして、迷うことがあると思います。僕も大学卒業後の数年間、先が見えずに一番辛い時期でした。あの頃の自分に言いたいことがあるとしたら、「地図を描こうとしないこと」かもしれません。社会に出たらこういう仕事について、30歳くらいで.... と言ったキャリアパスのようなものを描きたくなるのが人間の性だとおもいます。特にSFCを出るような優秀な人ならなおさらです。 でもSFCのみなさん、特に徳井研にくるような人は、まだ社会で定まっていない「何か」、まだ人が立ち入ったことのないジャングルにわけ入っていく人たちです。ジャングルの入り口で、全体の地図を描こうとしても無理があります。
これだけ社会の動きが速い中で、地図を持つのは難しい、その代わり「コンパスだけはしっかり持つ」意識を大事にしましょう。未来像全てを描くのは難しくても、遠くのゴールを思い描きながら、この方向に進めばゴールに近づけそう、こっちに行けば道が繋がっていそう、という指針を指し示してくれるコンパスを持つ、それさえ忘れなければ大丈夫です。実は大学四年間というのはこのコンパスを自分の中で育てる時間なのかもしれません。
振り返ってみると、僕自身も苦しみながらもこの方向に行けばという感覚だけは意識的・無意識的に持っていたように思います。その結果、学生の時に思い描いていた場所に(途中の過程は全くの予想外でしたが) 紆余曲折の上で近づいてた気がしてます (紆余曲折具合は間違いなくみなさんの想像を超えてると思います笑 また今度飲みながらでも話しましょう)
僕が敬愛するアーティスト、ブライアン・イーノは「人は完全にコントロールしている状態か全くコントロールされていないカオスな状況の二元論で考えがち。でも本当に面白いのはその中間なんだ。自分はそれをサーフィンすると呼んでいる」と言ってます。元々は音楽などの創造行為に関する言葉だったのですが、人生設計についても言えると思います。流されるときは流されてもいいんです。ただ自分の中のコンパスだけは大事にして、流される波を選ぶことが大事なのでしょう。どんどん波に乗って、時に流されて、ターンして、進んでいってもらえればと思います。
卒業してもぜひ研究会に遊びに来てください! Slackなどでの近況報告も楽しみにしています!! 最後、卒業式などで直接会って話すことができなかったので、簡易的ですが僕からのメッセージでした。
本来なら追いコンをやりたいところですが... この状況では残念ながら難しそうですね (オンラインでやります?)