装具療法とチームアプローチ
装具を選定、作成は理学療法士個人で決めていませんか?
もちろん作製において、理学療法士1人で行える物でありませんし、医師の指示があってのことではありますが、中にはサインだけもらうという施設もあるのではないでしょうか。
どうしても経験が少ない状況下では、理学療法士個人任せになったり、病棟担当のチームだけで意思決定を進めてしまうケースも少なくないと思います。
もちろん装具選定の際はDr、PT、PO(義肢装具士)が中心に関わるのですが、そこにどうOTや作製後での病棟との連携、もしくはご本人、ご家族も参画していただくかが重要になるかと思います。
OTさんがなかなか下肢装具に意見したりすることは少ないかもしれませんが、作製後に装具の装着訓練をどの職種が最も行なっているかとなればOTさんのような気がしてます。
そう言った意味では患者さんが自己で装着しやすいような工夫を提案できたら良いかと思います。
とっても、とっても良い装具を作っても自己で履けなければ完全なる自立まではいきません。
作製後の病棟ではどのような目的で、どんな設定で用いるかをPTはNs、CWと共有する必要があります。PT介入中は治療用として用いるが、病棟では安全性や統一した設定が必要になることもあるかと思います。なかなか踵が収まりにくい、あるいは浮いてしまって病棟で使っていることも見かけたことがあります。
また、治療では長下肢装具を用いて、足継手は動かすよう設定しているが、病棟では短下肢装具であり、膝が折れてしまう為、可動範囲を調整することも必要ですし、あまり止めすぎてしまうと起立時の下腿の前傾を阻害してしまうので良い塩梅で調整することが求められます。
逆にADLでは足関節の可動範囲を止めていて、そのまま止めた状態で長下肢装具装具で歩行してしまったりなど、よくあるあるかなと思います。歩行中にダブルクレンザックがバキバキ音がしたり。。。(;^_^A
また、ナイトブレースとして用いることもあり、いきなり長時間つけるのではなく、看護師さんのスキントラブルなどないか、あるいはどこに発赤など生じそうかなど共有していく必要があるかと思います。
このように入院中から多職種と装具について連携、共有を行なっていくことが、退院後での情報提供書にそのような旨を伝える癖が出てきたり、あるいはご家族、ケアマネさんなどにお伝えできるようになると思います。
結構、ご家族への装具トラブルのポイントなどもお伝えしていなかったりするケースも多く、ご家族がどうしていいかわからないということが多々あります。
最終的には退院後の装具利用者が誰かしらに問題があった場合に気づいてもらえ、不適合・破損を修正できるような連携が作れたら最高だと思います。
最後に少し装具難民についても話させて頂き、現時点で回復期のセラピストができることをまとめてみました。
①入院中から修正する、あるいはPOと不適合がないか確認する習慣をつける
②退院ギリギリで作製する装具は不適合の基。余裕を持って作製する
③ご家族、本人に装具作製会社の情報を伝え、名刺を渡す
④情報提供書に作製日、作製目的、設定、装具会社(連絡先)を記載する
可能であれば装具に装具会社名と連絡先を掲示
本日は最後まで読んでくださりありがとうございました(^o^)