マチュレーション

蒸留したてのニューポットは無色透明で刺激の強い荒々しい酒で、ここに樽熟成を加えると、琥珀色で深みのあるまろやかな風味に仕上げます。

【樽詰め】
アルコール度65-70%のニューポットを加水して63%前後に調整してから、樽に詰める。

【熟成】
ウエアハウスと呼ばれる貯蔵庫で貯蔵。スコッチは数年〜十数年熟成。ウイスキーの製造期間の実に99%が樽熟成に費やされており、味わいや香りに与える割合も、5-7割と言われている。

〈樽熟成のメカニズム〉
蒸留直後の不快な香気成分が取り除かれ、まろやかで上品な酒質になる。樽の木材から香り成分のバニリン、タンニンなどのポリフェノール、色素が溶け出し風味や色が付加される。また、アルコールと水分子が会合し、円熟味や旨味が増加する。熟成庫の環境や置く場所で仕上がりが異なる。

〈樽の種類〉
樽はカスクと言われ、すべてオーク材。アメリカのホワイトオーク、ヨーロピアンオーク(コモンオーク)が使われる。

〈熟成期間〉
長くなれば酒色が濃くなり味わいも複雑にらなる。一般的に10-20年でピークを迎え、25-30年を過ぎると劣化が始まる。

〈エンジェルズシェア〉
樽熟成中にウイスキーが蒸散して量が減ってしまうことをこう呼ぶ。冷涼なスコットランドでは、年平均2-3%、寒暖差の激しいアメリカケンタッキーでは初年度10-18%、2年目以降は4-5%も減る。天使が飲んだ分だけ、ウイスキーは美味しくなる、と言われている。

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