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月の満ち欠けと11月の風
すごく面白くて、夢中で読んでしまうに決まっているがゆえに避けていた作家さんていませんか?
私にとって、佐藤正午氏はそういう類の作家でした。
遂に手を出してしまった…。
地元の、うらぶれたショッピングモールで仕事に疲れ、お好み焼きを食べてから、向かいの書店で新刊をチェックしていたときに、
『月の満ち欠け』を見付けてしまったのです。
岩波文庫的、というくえない感じのレーベル?デザイン?で出された、でも悔しいことに佇まいの端正な。
読み始めて、やはり止めることが出来ず、11月の冷たい風に吹かれながら、駅のベンチで、深夜のベッドで読み耽ってました。
敢えてあと50ページくらい残してますが。
スンドメ、みたいな感じで。
これから集めることになるんだろうな、佐藤正午。
この作品はちょっと古川日出男『アビシニアン』を彷彿とさせるところがあるんだけども、あの作品よりはずっと“ありそう”な感じがする。
いや、どちらも大好きなんだけど。
それにしても、今年の冬は暑くて嫌だ。
もっともっと寒くなれ。
もっともっともっと、冷やしてくれ、わたしの頭を。
この世界は生きるには美しすぎると、嘆いていた友を思い出す。
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